ボブ・ディラン18枚組解説 ~ ディスク16

pic : Jerry Schatzberg (from SMJI)


 さて、18枚組解説ももう16枚め。聴けば発見も多く面白いし内容も非常に良いんですが、さすがにぶっ続けだと疲れます。なので昨日は聖子ちゃんとか聴いて逃避していました辻口です。

*   *   *

『ザ・カッティング・エッジ 1965-1966:ザ・ブートレッグ・シリーズ第12集』(ウルトラ・デラックス・コレクターズ・エディション)
 SOLD OUT

[Disc 16](全4曲、計20トラック)
(1)~(8) Just Like A Woman
 (1)Take 8 (3/08/1966) Complete.
 (2)Takes 9-10 (3/08/1966) False start, breakdown.
 (3)Takes 11-12 (3/08/1966) Rehearsal.
 (4)Take 13 (3/08/1966) Breakdown.
 (5)Takes 14-15 (3/08/1966) Rehearsal.
 (6)Take 16 (3/08/1966) Complete.
 (7)Take 17 (3/08/1966) Breakdown.
 (8)Take 18 (3/08/1966)[3]
   ↑ 3/08/1966
------------------------------------------------
   ↓ 3/09/1966

(9)~(14) Most Likely You Go Your Way (And I’ll Go Mine)
 (9)Take 1 (3/09/1966) Complete.
 (10)Take 2 (3/09/1966) Rehearsal.
 (11)Take 3 (3/09/1966) Rehearsal.
 (12)Take 4 (3/09/1966) Rehearsal.
 (13)Take 5 (3/09/1966) Breakdown.
 (14)Take 6 (3/09/1966)[3]

(15)~(18) Temporary Like Achilles
 (15)Take 1 (3/09/1966) Complete.
 (16)Take 2 (3/09/1966) False start
 (17)Take 3 (3/09/1966) Complete.
 (18)Take 4 (3/09/1966)[3]
   ↑ 3/09/1966
------------------------------------------------
   ↓ 3/10/1966

(19)(20) Rainy Day Women #12 & 35
 (19)(3/10/1966) Rehearsal.
 (20)Take 1 (3/10/1966)[3]

既出曲・初出作品リスト
([1]- Released on Bringing It All Back Home, 1965.)
([2]- Released on Highway 61 Revisited, 1965.)
[3]- Released on Blonde On Blonde, 1966.
([4]- Released on Biograph, 1985.)
([5]- Released on The Bootleg Series, Vol. 1-3, 1991.)
([6]- Released on The Bootleg Series, Vol. 7, 2005.)

なお、18枚組と6枚組の収録楽曲、その重複についてはこちらをご参照ください。


  (1)~(8) 「Just Like A Woman(邦題:女の如く)」は、ディスク15からの続きとなります。66年3月8日のセッションでのこの曲は、ディスク15中盤にまずテイク1~4((8)~(11))、そして最後にテイク5・6を収録。本ディスクではテイク7を飛ばして同8~18が冒頭の8トラックに。ディスク15収録の別の曲に関して石井も指摘しておりましたが、このあたりの曲は事前にリハーサルをしていたのでしょう、この曲も最初から原型は出来ています。テイクを重ねその都度細部を確認しつつ、微妙にニュアンスを変えながら曲を完成に近づけて行き、本ディスクのテイク8((1))あたりではもうOKテイクと変わりありません。曲間に聞こえるスタジオ内で曲を確認する様やコントロール・ルームとのやりとりがまた絶妙に空気感を演出してくれています。最後のテイク18(8)でOKが出て、8日のセッションは終了。それにしてもつくづく良い曲ですねー。

 明けて3月9日。記録によると、前日の作業がが深夜にまで及んだためこの日は夕方からのスタートに。 (9)~(14) 「Most Likely You Go Your Way (And I’ll Go Mine)(邦題:我が道を行く)」は試運転的な(9)テイク1でまず完奏した後、1分あまりの短いリハーサルと演奏中断をはさんで次の完奏テイク6(14)がOKに。続く (15)~(18) 「Temporary Like Achilles(邦題:時にはアキレスのように)」も同様にテキパキとテイク4(18)でOK。 (19)(20) 「Rainy Day Women #12 & 35(邦題:雨の日の女)」に至っては、短いリハ(19)の後、なんと最初のテイク(20)で一発OK!
 ──しかし、実はこの2テイクから日付は3月10日になっておりますが、作業はぶっ通しで行ったもので、すべて終わったのは朝7時だった模様です。といっても「手早く済ませた」ような印象は演奏からは微塵も感じられないので、むしろテンションが高まっていたからこそ、さらに&一気に3曲も仕上げることが出来たと考えるのが相応しいのではないでしょうか。もしかしたら単純に、スタジオの使用時間がそこまでだったからかもしれませんが……。

 従って『ブロンド・オン・ブロンド』最後のレコーディング・セッションを収録した次のディスク17は、深夜から早朝にかけての録音ということになります。
辻口稔之





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