ときの人となっているボブ・ディラン

写真提供:ソニー・ミュージックジャパンインターナショナル

ときの人となっているボブ・ディラン
VK石井[投稿]

 ジョン・ライドン祭りが一段落して久しく経ちますこちらのブログ。みなさま、お元気でいらっしゃいますでしょうか。自分はこの夏、リオ五輪でたくさんのアスリートが活躍する姿を見て、熱狂しておりました。アメリカを破ってメダルを獲った陸上のリレー、バドミントンのタカマツコンビの優勝、レスリング吉田沙保里の悔しい銀メダルは特に記憶に残っています。4年後はいよいよ東京五輪。優れたアスリートたちを間近に見ることができるわけですから、そりゃあもういまから楽しみです。



『ライヴ 1966』(写真上:輸入盤36CD BOX:¥25,000+税 SICP5101)2016年11月23日発売予定
なお、同ツアーのロンドン公演『リアル・ロイヤル・アルバート・ホール』も同日発売予定(写真下:国内盤2CD ¥3,000+税 SICP5078)


 さてさて、THE DIGさんではつねにフォローしているボブ・ディランがまたまたとんでもない未発表ライヴ集を出すそうで。1966年のライヴ集36枚組なんてそれはそれはファン垂涎のお宝で、非公式なかたちでさえ世に出回っていない音源も含まれるって内容は非常に興味をそそられる音源集です。そんなニュースを聞き、ディラン贔屓の辻口さんからなんらかの動きがあるかと思ってるところですが、いまだ動きなしのご様子。ムックはもちろん、こちらのブログでも大々的にディランを取り上げてきた辻口さんがいまにしてまだ沈黙を守っているってのはどういうことなのでしょうか。
 思えばこちらのブログで18枚組の『カッティング・エッジ』の1枚1枚をレビューしたとき、その前半ですでにヘトヘトになって泣いていたくらいチキンな辻口さんですから、今回の36枚組大ヴォリューム・セットを前にモジモジしながらくじけているのかもしれません。

THE DIG Special Edition
ボブ・ディラン ザ・カッティング・エッジ 1965-1966



 でも今回の音源集、チキンな男がスーパーチキンな男になってしまうのも無理のない代物であることは間違いないところではないでしょうか。なにしろ創作の絶頂期にあるディランが、ザ・バンド(リヴォン・ヘルム不在ではありますが)をバックに、社会の慣習やらロックの価値観までをも一新した時代の音が詰まっている音源ですから、それはもう聴く前から圧倒されてしまうのも当然かも。ビビって沈黙を守っているとおぼしきスーパーチキンさんを責めるのも酷というものなんでしょうねぇ。

 と、そんなことを書いていましたらなんとディランがノーベル文学賞を受賞したとのニュースが。ノーベル賞がどんなものなのかとんと見当がつかない自分ですが、なんでもその歌詞が評価されての受賞だそうで。支離滅裂な『タランチュラ』や、嘘だらけと言われる自伝が受賞したわけではないのに安堵するばかりですが、しかしなぜ受賞がいまのタイミングなんでしょうか? ノーベル賞の基準って??

 新聞やテレビでディランの話題が増え、朝のワイドショーでも過去に発刊されたTHE DIGさんのディランムックが映ったりするのを見るのは不思議な感じです。ましてやローリング・サンダー・レヴューでの顔面白塗りメイクの“白ディラン”映像までもが爽やかな朝のテレビに映るなんていう気持ちの悪い思いをすることは予想だにしていませんでした。

 しかし2016年にボブ・ディランがこんなにも注目を集めるのも可笑しいものです。かたや66年のライヴ音源集が出ることに狂喜するファン層。かたやノーベル賞受賞で盛り上がる一般層。それらが違うベクトルでディランて人を見てるいまの状況を見てると、やっぱりボブ・ディランて人はスーパーな人なんだなぁと思わずにはいられません。スーパーはスーパーでも、スーパーチキンさんとはスーパーの意味が違うんですが。
 ともあれ、いまの自分はノーベル賞よりも66年のライヴ音源の方ばかりに気持ちをもっていかれてます。当時のディランのツアーの追っかけをやっているような音源集はどんなドキュメンタリーになっているんでしょうか。

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 ハーイ!、もじもじしているスーパーチキンです。なんかスゴいのが出るというのは最近知って、しかも直後にノーベル賞を獲って、「これ以上ないタイミングを逸してしまったなー」と思っていたところでした。授賞翌日の午後には朝日新聞デジタルのニュースでも大阪の書店の様子が写し出されておりました(下のスクリーンショットね)が、やはり店頭はどこも大変なことになっているんでしょうな。どんどん売ってください!
 ということで、何か新たにディラン企画を考えたいと思います。ではVK石井さん、近日中に池袋のお好み焼き屋で打ち合わせってことで!
辻口


「朝日新聞デジタル 2016年10月14日15時54分」配信のニュース

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『ぼくのアメリカ音楽漂流~鈴木カツ ライナーノーツ集』
※こちらの書籍、ディランのことも大いに触れているので、ノーベル賞授賞に伴い、スペシャル帯を作成してもらいました。間もなく店頭でご覧いただけると思います。



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