ディラン18枚組解説 ~ ディスク17+VKへの私信


 さていよいよ17枚め。ディスク18はボーナス的内容のデモ集(けどこれも素晴らしい!)なので、本編はこれが最後になります。
 ……とその前に。thecuttingedge.bobdylan.comで準備中だった「One Of Us Must Know (Sooner Or Later)」の「リミックスして遊ぼう」ページが公開されました。「Like A Rolling Stone」と共にお楽しみください。

*   *   *

『ザ・カッティング・エッジ 1965-1966:ザ・ブートレッグ・シリーズ第12集』(ウルトラ・デラックス・コレクターズ・エディション)
 SOLD OUT

[Disc 17](全3曲、計12トラック)
   ↓ 3/10/1966
(1)~(4) Obviously Five Believers
 (1)Take 1 (3/10/1966) False start.
 (2)Take 2 (3/10/1966) Breakdown.
 (3)Take 3 (3/10/1966) Complete.
 (4)Take 4 (3/10/1966)[3]

(5)Leopard-Skin Pill-Box Hat
 (5)Take 1 (3/10/1966) [3]
(6)~(12) I Want You
 (6)(3/10/1966) Rehearsal.
 (7)Take 1 (3/10/1966) Complete.
 (8)Take 2 (3/10/1966) Breakdown.
 (9)Take 3 (3/10/1966) Rehearsal, false start.
 (10)Take 4 (3/10/1966) Complete.
 (11)Take 5 (3/10/1966) [3]
 (12)Take 5b (3/10/1966) Insert, guitar overdub.

既出曲・初出作品リスト
([1]- Released on Bringing It All Back Home, 1965.)
([2]- Released on Highway 61 Revisited, 1965.)
[3]- Released on Blonde On Blonde, 1966.
([4]- Released on Biograph, 1985.)
([5]- Released on The Bootleg Series, Vol. 1-3, 1991.)
([6]- Released on The Bootleg Series, Vol. 7, 2005.)

なお、18枚組と6枚組の収録楽曲、その重複についてはこちらをご参照ください。


 1966年3月10日、前日9日からの深夜を過ぎて未明のセッションで、まず (1)~(4)「Obviously Five Believers(邦題:5人の信者達)」。前回ディスク16の回には別の曲に関してとはいえ「『手早く済ませた』ような印象は演奏からは微塵も感じられない」とか書いちゃいましたが、この曲の録音に際しては「さっさと済ませちまおうぜ」的な発言があったようです。とんだ節穴発言失礼しましたー、そりゃあ眠いよね。ワーキング・タイトルは「黒い犬ブルース」、聴いたことあるようなリフにシンプルな構成で軽いノリがイカしたヒップなブルース。短い中断2トラックを経て2度目の完奏(4)がOKテイク(最後、ブチッとテープ止められます。LPの方はフェイドアウト)。けど(3)もまったく遜色なし、その結果2枚組の『ザ・ベスト・オブ』には採用されないという結果に。確かにほとんど同じだしね……(6枚組では不採用となった(3)テイク3のみ収録)。
  (5)「Leopard-Skin Pill-Box Hat(邦題:ヒョウ皮のふちなし帽)」はディスク13、2月14日以来の登場。まあこの間にもリハーサルで演奏していたのでしょう、一発OKでそのままLPに。しかしあのざわざわヴァージョン(ディスク13(20)他)の方がやっぱり良いなあ……と思ったけど、アレは「Obviously Five Believers」とほとんどノリが同じなんですね。却下の理由はそこなのかな?
 そして最後は、これまた名曲「I Want You」(6)~(12) の7トラック。採用されたベースとなる演奏は(11)で、(12)でオーヴァーダブされたギターの音はイントロから左チャンネルに聞こえるので良いとして、「インサート」を指すのがどこかまだ分かりません。どこをどう差し込んだんだろう? この後もう少し念入りに聴き比べてみたいと思います。

 というわけで『ブロンド・オン・ブロンド』のレコーディング・セッションもここまで。ニューヨークでのセッションは本作収録分だけでもそこそこな量、しかし結果が思っていたほど振るわなかったからか、プロデューサーのボブ・ジョンストンはナッシュヴルでのセッションを新たに提案。ディランはアル・クーパーとロビー・ロバートソンを伴ってかの地へ赴き、結果として同作ほとんどの収録曲がそちらから採用に。加えて以後の『ジョン・ウェズリー・ハーディング』や『ナッシュヴィル・スカイライン』『新しい夜明け』などでもここでの録音が採用されることになる訳ですが、ではなぜナッシュヴィルだったのか……? この点については、66年当時のNYコロムビア・スタジオはマルチトラックのレコーダーが4チャンネルのものしかなく、それに対してナッシュヴィルには当時最新の8チャンネルがあったから、とのことのようですね。諸説あるのだと思いますが、現実的にはこれが真相ではないでしょうか。

*   *   *

 そしてあと1枚残っていますが、辻口担当は今日で終わりなので最後にまとめめいたものを。この『ザ・カッティング・エッジ1965-1966』18枚組のウルトラ・デラックス・コレクターズ・エディション、音源としてはもちろん聴く価値ありありです。ないわけありません。資料・史料的意味だけでなく、単純に演奏として聴いていても楽しい。和気あいあいとした雰囲気や逆に緊迫したムードもまたリアルで、何より元となるのが歴史的名盤とそこに収められた名曲群ですし、それら少しずつ仕上がって行く過程はまさにスリル満点! それにセッション中のスタジオに同席させてもらっている感覚はオリジナル作では得られません。それが18枚で300曲以上も!……とはいえ何しろ値段が¥10万近く。年末ジャンボが当たったらこれも買うかな。てことで当たんないかな!

 そして次回、ラストのディスク18は、オレたちのVK石井が締めてくれます。ところで来週の金曜はヒマ? 池袋集合ってことでどう?
辻口稔之



ボブ・ディラン
6CDs『ザ・カッティング・エッジ 1965-1966』(ブートレッグ・シリーズ第12集)(デラックス・エディション)【完全生産限定盤】



ボブ・ディラン
2CDs『ザ・ベスト・オブ・カッティング・エッジ 1965-1966』(ブートレッグ・シリーズ第12集)(通常盤)



THE DIG Special Edition
ボブ・ディラン ザ・カッティング・エッジ 1965-1966







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