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哀悼 ダグ・ファイガー

 
 お世話様です。VKです。ロックを知ったときから好きだったアーティストがいなくなってしまうのは思っているよりずっとずっと悲しいものですね。

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哀悼 ダグ・ファイガー

 2月14日、ザ・ナックのヴォーカリスト、ダグ・ファイガーが亡くなりました。

 ダグは、2004年に肺ガンと診断され、その後、脳腫瘍も併発。手術を重ねながらの闘病生活だったようですが、そんななかでも彼は音楽活動を続けていました。散発的に行なわれるザ・ナックのライヴは、彼らをリアルタイムで聴いてきた世代はもちろん、彼らの全盛期を知らない若い世代にもポップ・ロックの楽しさを堪能、実感させるものだったようです。ぼくも2005年7月、クリーブランドでのライヴを観ましたが、そこでの観客の盛り上がりようは想像以上でした。老若男女がみんな楽しそうに身体を動かしながら曲に合わせて歌っている光景は、彼らの音楽がもつ瑞々しさや躍動感、彼らの魅力がいまだ輝きを失っていないことを知らしめるに十分なものでした。
 そしてその直後、25年ぶりに来日。フジ・ロック・フェスに出演したザ・ナックは日本のロック・ファンにもその健在っぷりを見せつけ、ザ・ナックを知らない世代にも衝撃を与えました。しかしこのとき、すでに病と闘っていたとは……。


左から二人目がダグ・ファイガー。お馴染み「マイ・シャローナ」収録『ゲット・ザ・ナック』。トップ画像はそのUS盤シングル


 ネットからの情報で知るかぎり、ここ数年のダグの容態は安定していたようですが、ただ、大病と闘う彼の達観した言葉の数々には死の予感を感じさせるものも見え隠れしていました。昨年の夏には腫瘍摘出のため、3回目の開頭手術を行なう(手術は成功)など、肉体的にも精神的にも相当厳しかったであろう闘病生活を送っていたダグ。しかし、それでもけして後ろ向きになることなく、音楽を続けようという強い意志をもち、病と向き合っていた彼の精神力は超人的でした。6年間の闘病中でもパワフルにライヴをこなしていた彼の姿は、音楽とともに生きるという彼のステートメントそのものだったのでしょう。医師の所見よりもずっとずっと命を延ばしていたのはそんな彼の執念だったのかもしれません。

 享年57歳。まだまだ若く、音楽活動もバリバリできる年齢で逝ってしまった、そのことを嘆き悲しむファンの声がネット上にあふれています。でも一番悔しがっているのはダグ本人に違いありません。ただ、彼が遺したものは確実に受け継がれ、ポップ・ミュージックの中にしっかりと息づいています。
「一発屋」という言葉で括られてしまいがちなザ・ナック。でももっともっと評価されてもいいんじゃないでしょうか?


ザ・ナック・オフィシャル・サイト


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 ギターを買ったときに初めて弾いたのが『マイ・シャローナ』のあのリフでした。単純な二つの音、たったそれだけで気持ちが舞い上がったあのときのことは忘れられません……。安らかに眠ってください、ダグ。石井

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