ボブ・ディラン18枚組解説 ~ ディスク10


 3連休にVK石井が2枚連続頑張って書いてくれたお陰で、再びやる気を取り戻しました。そんなわけで、ようやくディスクも二ケタに突入、本日はディスク10になります。とはいえ今日の3曲も、「ライク・ア・ローリング・ストーン」並みのテイク数を数える難物です。

*   *   *

『ザ・カッティング・エッジ 1965-1966:ザ・ブートレッグ・シリーズ第12集』(ウルトラ・デラックス・コレクターズ・エディション) SOLD OUT

[Disc 10](全3曲、計24トラック)
(1)~(3) Visions Of Johanna
 (1)Takes 9-12 (11/30/1965) False starts.
 (2)Take 13 (11/30/1965) Breakdown.
 (3)Take 14 (11/30/1965) Complete.

(4)~(12) Can You Please Crawl Out Your Window?
 (4)Take 1 (11/30/1965) False start.
 (5)Take 2 (11/30/1965) False start, rehearsal.
 (6)Take 3 (11/30/1965) False start.
 (7)Take 4 (11/30/1965) False start, rehearsal.
 (8)Take 6 (11/30/1965) Complete.
 (9)Take 7 (11/30/1965) Breakdown.
 (10)Take 8 (11/30/1965) Complete.
 (11)Take 9 (11/30/1965) False start.
 (12)Take 10 (11/30/1965) ----- Released as a single in December, 1965.[4]
   ↑ 11/30/1965
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   ↓ 1/21/1966

(13)~(24) She’s Your Lover Now
 (13)Take 1 (1/21/1966) Breakdown.
 (14)Take 2 (1/21/1966) Rehearsal.
 (15)Take 3 (1/21/1966) Breakdown.
 (16)Take 4 (1/21/1966) Incomplete.
 (17)Take 5 (1/21/1966) Rehearsal.
 (18)Take 6 (1/21/1966) Complete.
 (19)Take 7 (1/21/1966) False start.
 (20)Take 8 (1/21/1966) Rehearsal.
 (21)Take 9 (1/21/1966) Rehearsal.
 (22)Takes 10-11 (1/21/1966) Rehearsal.
 (23)Take 12 (1/21/1966) Rehearsal.
 (24)Take 13 (1/21/1966) Rehearsal.

既出曲・初出作品リスト
([1]- Released on Bringing It All Back Home, 1965.)
([2]- Released on Highway 61 Revisited, 1965.)
([3]- Released on Blonde On Blonde, 1966.)
[4]- Released on Biograph, 1985.
([5]- Released on The Bootleg Series, Vol. 1-3, 1991.)
([6]- Released on The Bootleg Series, Vol. 7, 2005.)

なお、18枚組と6枚組の収録楽曲、その重複についてはこちらをご参照ください。


 まず本ブログでは、ディランのレコーディング・セッションに関して、調べ物をしている過程で発見したこちらのファンサイト“Bringing It All Back Homepage”を参考にさせていただいております(ウィキピディアや他のファンサイトにも同様の項目があります)。にしても、みなさんすげーよく調べてますね。これらのサイトをご覧になりながらCDを聴く/本ブログをお読みいただければ、さらに面白くなるかも。ぜひ一度ご覧ください。

 さて本題。このディスク10、冒頭の (1)~(3)「Visions Of Johanna(邦題:ジョアンナのヴィジョン)」はディスク9からの続きである、同曲のテイク9~12。しかしここでもOKは出ず、この曲はナッシュヴィルへ持ち越し録音のし直しへ。あんまり変わらない気もするんだがなあ……OKテイクはディスク13に収録(しかしこの曲は、『バイオグラフ』に収録された弾き語りでのライヴ・ヴァージョンの方が圧倒的に素晴らしい!と思います)。
 続いて (4)~(12)「Can You Please Crawl Out Your Window?(邦題:窓からはい出せ)」は、3度目の挑戦(最初:7/30=ディスク6。二度目:10/5=同8)。ウォーミング・アップ的な二度目の2テイクはともかく、演奏陣が変わったことで最初の7/30とはリズムのキレが全然違う! 最初の一連の演奏もそれなりに完成度は高かったとは思いますが、R&Bテイストが増して断然こちらの方が良い。結果、重ねること10テイク、3回の完奏から最後のものがシングルとしてリリースされました。うむ、納得のチョイス。当日のスタジオには各パート複数のミュージシャンがいたようですが、この曲はホークス(=ザ・バンド)の演奏とのこと(ただしリヴォン不在)。この日から3週間後、シングルとして全米発売。

 そして年をまたぎ、1/20のセッションから「She’s Your Lover Now」が本ディスク最後までの12トラック。ここに入りきらなかったのか次のディスク11冒頭にも4テイク収録されていますが、そこからのひとつが1991年に『ブートレッグ・シリーズ 第1~3集』で日の目を見るまでこの曲は世に出ていませんでした。曲としては悪くないし、一連のテイクの演奏も良い。なのにはずされた理由とは???……想像するに、「ありがち感」なのかな。激しすぎないミドル・テンポな曲調が、他の『ブロンド・オン・ブロンド』収録曲のいくつかと似たイメージだったもんで。実際お聴きになった方、いかがでしょうか。

*   *   *

 ということで、再びバトンをオレたちのVK石井へ。手短かにを心がけつつも、やる気出したら少々長くなってしまいました、お許しを。てことでではまた!
辻口稔之




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