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デイヴ・マーレイは21世紀のヴィジュアル・スターになるか

 
 お世話になります。VKです。そろそろ花粉症の季節ですね。今年もスギ花粉の飛散量がちょっと多いみたいなのでビクビクしてるところですが、最近では「鼻の周りに塗るだけで花粉をガード」なんて対策グッズもあるみたいで、興味津々です。でも、コレ、目には使えないのかなぁ? 目の周りに塗ったらシバシバするだけ? 

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デイヴ・マーレイは21世紀のビジュアル・スターになるか

VK石井

 アイアン・メイデン、2011年のワールド・ツアーがスタートしました。昨年リリースされた『ファイナル・フロンティア』もヨーロッパ各国のチャートでは1位になるなど好調なようですが、でもチャート・アクションなどとは無関係に、どんなときでも熱烈なファンに熱く支持されているのがこのバンド。
 ハード・ロック好きなぼくの友人で、このバンドを嫌いってヤツは皆無です。みんながみんな、こぞって「あいつらはイイよな」という賞賛の声を挙げてますが、そんななかで特別このバンドに激烈な愛情を示しているのがうちの兄貴。彼らのオリジナル・アルバムはもちろん、マキシシングルやらDVDやらのコレクションもコンプリート状態の熱血マニアの変態男です。今回の来日もとんでもない気合いの入れようで、「チケットはおれに任せろ!」とぼくら夫婦のチケットもとってくれ、さらには「オマエみたいなメイデン素人はあらためて彼らの足跡を辿っておく必要があるからな。これでも聴いておけ」と予習用に大量のCDコレクションを渡してくれたりしました。
 そんなわけで、ただいま、アイアン・メイデン史を辿るべく、彼らのアルバムを聴きまくっているところです。実はぼくも4作目のアルバム『頭脳改革』(1983年)までは割と熱心に聴いてたんですけど、でもそれ以降はまったくノーチェック。で、いまになってあらためて全オリジナル・アルバムを聴いてみると、進化していくその緻密な音作りと曲の展開力にはただただ舌を巻くばかりです。最新作『ファイナル・フロンティア』もすさまじく濃密な音で、衰え知らず。いやぁ、貫禄十分な大ベテラン・バンドがいまだにこれほどまでの創作意欲を持ち続けてるってのもスゴイ。バンドのこの凄まじいヴァイタリティはいったいなんなんでしょうか?



 そんな骨太なバンドを支えるのはやはりスティーヴ・ハリス(写真右端)ということになるんでしょうけれど、でも、ぼくが昔から注目しているのは、デビュー作からずっとバンドに貢献してきたデイヴ・マーレイ(左端)。初めてマーレイさんを見たときの衝撃と戸惑いは忘れられません……。
 ぼくが中学生だったころ、ハード・ロッカーってのは、その演奏力もさることながら、ヴィジュアルの部分でもカッコイイのが当然と思ってたんですね。そんな生意気盛りの自分が、彼らがデビューした当時の写真を初めて見たときのことです。そこには精悍なスティーヴ・ハリス、端整な顔立ちのエイドリアン・スミス、甘い顔のクライヴ・バー、ワルな顔つきのポール・ディアノといったルックスの面々が並んで写ってて、「ん~、やっぱりハード・ロッカーはカッコイイなぁ」と思ったんですが、でもそんなメンバーの中に唯一人、“のっぺり”とした顔の人がいる。「ん? なに、コレ、裏方さん?」と思ったら、それがマーレイさんだったのでした。
 そのお顔を見たときのショックといったらとてもとても言葉では言い表わせません。その平面的・二次元的で、華やかさのないジミな顔は、とてもハード・ロッカーとして認められなかったんですね。「なんだよー、こんなのっぺり顔のハード・ロッカーなんていてたまるかよー。これじゃうちの学校の石田先生がギター持ってステージに立ったっておんなじじゃねーかよぉー」なんて。当時はひたすら憤ってましたね。石田先生の授業のときなんか特にイライラしてたり(石田先生、ゴメンナサイ)。



 ポール・ディアノが“お猿さん顔”のブルース・ディッキンソン(中央)に替わったときには幾分、マーレイさんの存在感が和らいだこともありました。“のっぺり顔”を凌駕した“お猿さん顔”の鮮烈な登場には驚いたもんですが、でもそれも僅かな間だけ。少しずつ野生味あふれるかっこよさを身につけ、ハード・ロッカーとして逞しくなっていったディッキンソンに比べると、マーレイさんはいつまで経っても相変わらずで……。
 さらに、その後、途中加入したニコ・マクブレイン(下写真中央)もヴィジュアル的にはマーレイさんと甲乙つけがたい“非ハード・ロッカー顔”ですけど、でもよーく見ると年寄りくさく見えるだけだったりして、やっぱり“のっぺり”という強力な武器をもってる分だけ、マーレイさんには敵いません。無敵のマーレイさん、一人勝ち状態。



 そんな無敵の“のっぺり”マーレイさん、いつからか頬骨が張ってきて、最近はアンパンマンに近づいてきました。ファンの間では「かわいいデイヴ」として認知もされてるみたいですけど、ん~、たしかにデビューしたときと比べればかわいくなってきたような気がしないでも……。相変わらず、昔ながらのハード・ロッカーの雰囲気はまったくないんですけど、でも“かわいいアニメ顔”に向かっていくっていうのは彼にとって別の意味の「ファイナル・フロンティア」なのかもしれません。最近では「ブサカワ」なんて言葉もあることだし、マーレイさんには新たなハード・ロッカー顔の雛形を追求していってほしいと思います。

 さてさて、来日公演まで1ヵ月を切りました。メイデン・クレイジーな兄貴が絶叫するのを横目に、ぼくは愛をもってマーレイさんだけを見つめるつもりです。エディとアンパンマンが並ぶステージがヘヴィ・メタル/ハード・ロック界のヴィジュアルの未来を予見するものであるかどうかをしっかりと確認してきたいと思います。


アイアン・メイデン/オフィシャル・サイト


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 といっても、マーレイさんがキュートな笑顔で写っている写真もないわけではありません。写り具合によっては『カムズ・アライヴ』のときのピーター・フランプトンみたいな美青年顔をしてる写真もあったりするんですよね。まぁ、言いたい放題言ってますが、でもこの人、悪人顔じゃないし、いろんなエピソードを聞いても絶対いい人だと思うんですよ。友達にしたら最高の人なんじゃないかなぁ。
 そうそう、そうですね、辻口さんとはまったく逆の人なんでしょうね。辻口さんはじゅうぶん素敵な人ですけどね、でもそういうことです、現実は。ではでは、よろしくお願いします。石井

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 いやー、ここのところ忙しくて、原稿が送られてきてから更新するまで1週間以上かかっちゃった、ごめんよ石井。そして中学生当時、なけなしのお小遣いから買わなきゃいけないもんだからそれこそレコードはとことん選びに選んで絞り込んでいたので、このアイアン・メイデンはその過程でふるいにかけ、辻口少年にとってはそれっきりになってしまっていたのでした……ファンのみなさま、そして石井の変態兄ちゃんごめんなさいすいません。でもみんなそういうレコードあるでしょ? どっちにしろ不勉強ですいませんすいません。
 そんでも当時は『ミュージック・ライフ』を毎月読んでいた訳で。あれから30年近くを経ているにもかかわらず、この原稿を読んだらちゃーんとあのまあるい顔が思い浮かんだよ……さすがだよ、さすがすぎるよマーレイさん。でもやっぱり若い頃の写真を幼稚園児に見せたら確実にアンパンマン呼ばわりされそうだよ……。ということで、辻口が素敵か否かはまた別の機会に改めます。では。

[投稿原稿受付中:送り先]
dig@shinko-music.co.jp



『ヴィンス・ニール自伝
肩書:ビジネスマン、兼モトリー・クルーのヴォーカリスト』



『The Dirt/モトリー・クルー自伝』



『ニッキー・シックス/ヘロイン・ダイアリーズ』



『アイ・アム・オジー オジー・オズボーン自伝』
オジー・オズボーン/クリス・エアーズ著、迫田はつみ訳


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