Final Judgement

ヤオ判定に怯えるボクシングファンのひとりとして
採点に特化し備忘録かわりに作成します

ポベトキンvsフック(2012年2月25日ドイツ・シュツットガルト)

2012年02月26日 | ヘビー級
○ポべトキン 115-113 フック×

1R ポベトキン10:9(ポベトキン10:9フック)
2R ポベトキン10:9(ポベトキン20:18フック)  
3R ポベトキン10:9(ポベトキン30:27フック)
4R フック10:9(ポベトキン39:37フック)
  
5R フック10:9(ポベトキン48:47フック)  
6R ポベトキン10:9(ポベトキン58:56フック)   
7R フック10:9(ポベトキン67:66フック)  
8R ポベトキン10:9(ポベトキン77:75フック)

9R フック10:9(ポベトキン86:85フック)  
10R ポベトキン10:9(ポベトキン96:94フック)
11R ポベトキン10:9(ポベトキン106:103フック)
12R フック10:9(ポベトキン115:113フック)


<Official>
○ポベトキン MD フックX

フィリッペ・ベルベッカ(ベルギー) 114-114
ジョン・コイル(イングランド) 116-113 ポベトキン
スタンリー・クリストドール(南ア)116-112 ポベトキン


<memo>
1R フックの出方が注目されたが静かに立ち上がる。やや硬いか。ポベがジャブを放ちながらマシンガン連打を作動させるタイミングを計る。どちらにもいきうるが攻めてた王者に。
2R ポベがボディへのジャブ、左フック、右からなど色んなバリエーションで仕掛ける。よく対応したフックだが全部を避けきれるわけではない。下からのコンビが光る王者に。
3R 1分王者のワンツー、更に右。テンポの速い攻勢にフックはなかなか攻撃に移れず。ラスト30にもワンツーから左ボディを綺麗に決めたポベトキンのR。
4R 中盤フックの強烈な右。ダックした王者に更に右。王者の足元が怪しくなる。フックの右が猛威を振るい王者を追い回す。明白にフック。

5R 王者はダメージのせいか疲れのためか動きに冴えがない。中途半端な攻撃はフックを呼び込む結果に。ジャブもよかったフックに。
6R 徐々に戻ってきた王者が左をダブル、ストレートにアッパーに使いリード。フックもシャープなジャブ、右で反撃するも最後にも右を入れた王者に。
7R 互角の展開から中盤挑戦者の左フックがカウンターになる。終盤にもフックの右が2度3度と当たり王者ピンチ。ゴングに救われる。
8R 王者もしぶとい。中間距離からうまくフックのガードのすきをついてヒットを奪う。ポイントは王者だがフックの右の脅威は衰えない。

9R 中盤にフックのジャブ、更にワンツーで王者ふらつく。ポベトキンの反撃も力感が更に落ちる。最後も攻めたフックに。
10R お互いに攻め手にかくR。振り分けるならより前に出て手を出してたポベトキンか。左目下をカットし20ポンド重い相手と相対してるフックだが余力はむしろ上に見える。
11R 中盤王者のこの試合最高のタイミングの右が当たるが追撃はレフの注意に遮られる。フックも応戦するが終盤左フックで更に損傷を受け後退。
12R ラスト勝負かに見えるこの試合、最後を両者取りにくる。その中でフックの右がクリーンヒット。勢いづいたフックが更に攻め終了寸前にはグロッギーに追い込んでゴング。


・クロスファイトであり採点はどちらにもいきうる。1R,10Rはフックでも全然おかしくないし、5Rはポベトキンでもいい。
・そのようなRで点差をつける以上、最終回は10-8とすることもできるだろう。
・ドイツの観客は馴染み深いフックの攻勢に大きな声援を送っていたが、ジャッジはそれに流されることなく仕事した。
・それに反してルイス・パポン主審の仕事ぶりに不満が残った。
・ポベトキンのローダッキングとフックのラビットパンチ、度々見られたこのシーンをどう解釈し、どう裁いてどう解消していくのか全く見えず。ラビットパンチの影響は少なくなかったようにおもう。
・威厳を示せず過度のクリンチ、ゴング後の加撃などもしばしばと試合をコントロールできてなかった。
・このまま王者が消耗させて後半にストップか?と見えた4Rでのフックの右。結局はこのダメージが最後まで響いたのでは?
・王者のヘッドダウン、強引なクリンチに加えそれをフックが豪腕で振り回すためただバランスを失ったのか足にきてるのかの見極めが非常に難しかった。
・バード戦やチェンバース戦ではタフガイぶりをみせつけたポベトキンが今日は4Rでもうガス欠に見えた。急な失速については試合後自分でも分からない、と。
・アトラスについてディフェンスが向上したのは間違いない。と同時になんか更にスケールダウンした印象もあった。
・下から上がってきた相手、やかまし屋のアトラスもいない。短い試合間隔。試合後認めた油断にそういった要素が重なってポベトキンのボクシング自体がバランス狂ってたようにおもう。
・フックの右を全く扱えていなかった。初歩的ではあるが根本的な戦略ミスであり、致命的になりかねない。あの状態で最後までいったのは長年培った勘と丈夫な体のおかげか。
・フックは惜しい試合を落とした。採点せずに見てたら彼の勝ちに見えたろう。ダメージもより与えたし。本来なら採点がその印象に追いつくべきなのかも。
・11Rはかなり効いてたように見えたが最終回の決意は賞賛されるべきものだ。アフォラビやレベデフ戦では気圧されてるように見えただけに意外だった。苦戦を経て成長したのだろう。
・王者は判定を得たものの信頼は大きく損なった。回復可能かどうかも分からないレベルで。
・再戦すればよりいいボクサーであるポベトキンが勝つだろうが、この試合を見た世界中のヘビー級やクルーザー級トップまでも世界ヘビー王座を身近なものに感じたはずだ。
・ポベトキンは561発中172発的中、ヒット率は31%。フックは468発中165発、35%。

ポベトキンvsチェンバース(2008年1月26日ドイツ・ベルリン)
ラミレスvsフック(2009年8月29日ドイツ・ハレ)
フックvsアフォラビ(2009年12月5日ドイツ・ルートビヒスブルク )
フックvsレベデフ(2010年12月18日ベルリン)

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