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暮らし・平和守る大転換を

2024年10月08日 12時35分46秒 | 一言
政治に信頼取り戻す
志位議長の代表質問 衆院本会議

 日本共産党の志位和夫議長は7日の衆院本会議で石破茂首相の所信表明演説に対する代表質問を行いました。志位氏は言行不一致の石破首相の基本姿勢を取り上げ、「どうして信頼が回復するのか」と厳しく追及。腐敗政治をなくし、政治に信頼を取り戻すため、企業・団体献金の禁止などを提案しました。また、経済でも安全保障でも行き詰まった自民党政治の問題点をただし、党の対案を示して暮らし・平和を守る政治への大転換を迫りました。

能登豪雨災害
旧優生保護法

住まい確保へ補正予算編成を
真摯な検証・優生思想根絶責務


(写真)代表質問する志位和夫議長=7日、衆院本会議

 志位氏は、元日の地震で甚大な被害を受けた石川県・能登半島が9月の豪雨災害による、2度目の避難に多くの被災者が苦しんでいると指摘。一方、避難所での温かく栄養のある食事の提供やプライバシー確保など「1月の震災の教訓がいかされておらず『見捨てられた』と声があがっている」と批判し、改善を求めました。石破首相は避難所の生活環境について「改善が必要な点があれば早急に対応する」と述べたものの、具体策には言及しませんでした。

 志位氏は豪雨で浸水した仮設住宅の早期改修や安心できる場所への仮設住宅の建設など、住まい確保への支援強化をすべきだとして、「ただちに補正予算の編成が必要だ」と迫りました。石破首相は、迅速な支援に関して「10月中旬をめどに追加の予備措置を講ずる」と述べるにとどまりました。

 同日の衆院本会議では、旧優生保護法を巡る謝罪決議と被害補償法案が可決されました。志位氏は引き続き、当事者の声を聞き、真摯(しんし)な反省のもとに検証と優生思想を根絶することが「政府と国会に課せられた重要な責務だ」と首相の認識をただしました。石破首相は「優生思想の根絶に向け政府一丸となって取り組む」と明言しました。

腐敗政治
根絶へ石破首相の姿勢ただす
 自民党総裁選で「国民に判断材料を提供するのは新しい総理の責任」「本当のやりとりは予算委員会だ」と主張してきた石破首相。首相就任後、前言を翻して9日にも解散を強行しようとしています。

 志位氏は、「解散・総選挙は、民主主義の根幹にかかわる大問題だ」として、「数日前の自らの発言を平気で覆す。これでは、今後、どんな発言をしようと国民は信用できなくなる」と批判。「一国の政治指導者がこういう姿勢をとっていて、政治への信頼が回復するのか」とただしました。

 自民党の裏金問題を巡っては、「しんぶん赤旗」日曜版のスクープが今年度のJCJ大賞に選出された受賞理由の中で、日本ジャーナリスト会議が裏金問題を「大政治犯罪」と断罪したことにふれ、「そもそも裏金問題を『大政治犯罪』だと認識しているのか否か」と問いました。

 「赤旗」日曜版(10月6日号)のスクープで首相が代表を務める石破派が、政治資金パーティーの収入を6年間で計140万円分、不記載にしていたことが明らかになりました。

 志位氏は石破首相が昨年、「出も入りもきちんと載せているので確認すればわかる」として、政治資金収支報告書の記載に問題がないと述べていたと指摘。「新しい事実が判明したら調査する」「勇気と真心を持って真実を語る」と発言していたこともあげ、「ならば、徹底的な再調査を行い、国民に真実を明らかにすべきだ」と迫りました。

 石破首相は不記載について「事務局側での確認漏れがあり、記載に誤りが生じた」「誤りがあったのは内訳の金額だ。支払い収入総額の誤りは確認されていない」と強弁しました。

 志位氏は、自民党の腐敗政治の大本に企業・団体献金があるとして、「パーティー券も含めて企業・団体献金は全面的に禁止し、政党助成金は撤廃すべきだ」と追及。石破首相は企業・団体献金について「各党各会派によるさまざまな議論の結果、見直しは行われなかった」と述べるにとどまりました。

経済政策
大企業優遇から暮らし優先に
 厚生労働省の「国民生活基礎調査」(7月発表)で「生活が苦しい」と答えた人は59・6%に上ります。働く人の実質賃金は11年間で年33万円も減る一方、大企業の内部留保は同時期に200兆円以上膨らみ、539兆円に達しています。

 志位氏は、自民党政治が▽「異次元の金融緩和」で物価高騰を招いた▽働く人を非正規ワーカーに置き換え、使い捨て労働をまん延させた▽大企業減税の穴埋めに消費税大増税を強行した―ことを挙げ「今日の深刻な生活苦は全てが自民党の経済失政の結果だ」と指摘。石破首相に「経済失政を引き継ぐつもりか」と迫りました。

 石破首相は「岸田内閣が進めてきた取り組みを着実に引き継ぎ、発展・加速させる」と経済失政の継承を宣言しました。

 志位氏は「大企業・大金持ち優遇から、暮らし最優先に経済政策の大転換が必要だ」と3点を提起しました。

 第1は最低賃金の全国一律1500円への引き上げです。志位氏は、大企業の内部留保の増加分に時限的課税を行い、中小企業の賃上げ支援にあてる党の提案を示し、実現の意思を問いました。

 第2は、賃上げと一体に労働時間を短縮し、「自由な時間」を増やすことです。

 日本の労働時間はヨーロッパの主要国に比べ年間で300時間も長くなっています。志位氏は、多くの若者や子育て中の女性が「自由に使える時間」を求めていることを示すアンケート結果などを示し「ジェンダー平等の日本をつくるためにも労働時間の短縮が必要ではないか」とただしました。

 志位氏は、日本共産党の「自由時間拡大推進法」を紹介。「1日7時間、週35時間労働制」に速やかに移行するため、中小企業支援の義務づけや「サービス残業」根絶などをパッケージで提案したとして「働く人が人間らしい生活を営む『収入』とともに、『自由な時間』を持つことのできる社会こそ、本当に豊かな社会ではないか」とただしました。

 石破首相は家事・育児の多くを女性が担っている状況の改善のために「労働時間の短縮に取り組むことも必要」としつつ、党の提案には「具体的な実現の手法や可能性の面では課題が多い」と背を向けました。

 第3は、暮らしを支え、格差をただす税金と財政の民主的改革の提起です。

 志位氏は、富裕層と大企業に応分の負担を求め、緊急に消費税を5%に減税し、インボイスを廃止する―「これこそ物価高騰への最良の特効薬だ」と強調。年金、介護、医療の充実、学費ゼロの社会へ本気で政治の責任を果たすべきだと求めました。

外交・安保
日米軍事同盟絶対でいいのか

 「日米同盟軍事同盟絶対の政治を続けていいのかが問われている」―。志位氏は、この間、集団的自衛権の行使容認、長射程ミサイルの配備、国内総生産(GDP)比2%の大軍拡、武器の輸出解禁など、憲法9条の下で「できない」とされてきたことが次々に強行されていると指摘。それらのすべてで「日米同盟の強化」が最大の理由とされているとして「『日米同盟』の4文字を聞くと思考停止に陥ってしまう政治が今の政界を覆っている」と批判しました。

 志位氏は、「日米同盟」のためにと言って、▽日本国憲法を平気で蹂躙(じゅうりん)し、▽核兵器禁止条約に背を向け「核共有」という被爆国の首相にあるまじき恥ずべき主張を行い▽沖縄県民の民意を踏みつけ米軍辺野古新基地を押し付け少女への性暴力を隠ぺいする―独立国にあるまじき政治を続けていると批判。そのうえで、日本が軍事同盟強化で構えれば相手も一層の軍事力強化で構えるなどその先に決して平和は訪れないと強調し、「日本共産党は世界を対立するブロックに引き裂く軍事同盟に断固反対を貫く」と宣言しました。

 また志位氏は、東南アジア諸国連合(ASEAN)が域内で年間1500回以上の会合で徹底した対話を積み重ね、ASEAN10カ国に日米中を含む8カ国で構成される東アジアサミットを強化して東アジア全体を戦争の心配のない地域にする大構想を提唱していることを紹介。「相手を敵視するブロック政治を排し、地域のすべての国を包摂した平和の枠組みを発展させようというのが根本精神だ」として、「今政府がなすべきはASEANと協力し、東アジアに平和を構築する憲法9条を生かした平和外交ではないか」と迫りました。

 石破首相は辺野古新基地建設について、「着実に工事を進めていくことが普天間飛行場の一日も早い全面返還を実現する」などと沖縄切り捨ての姿勢に終始しました。


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