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能登半島地震半年

2024年07月01日 16時03分11秒 | 一言
国は被災者見捨てぬ意思示せ
 能登半島地震から1日で半年です。いまなおライフラインの復旧や被災家屋の解体撤去がすすまず、先が見通せないことへの不安と怒りが広がっています。国は緊急に抜本的な支援策を集中し、被災地を見捨てないという強いメッセージを発すべきです。

■命守る緊急対策を
 いま、仮設住宅入居者や全壊を含め壊れた家に住み続けている人には、食料などの支援物資がまったく届きません。避難所にはまだ2千人が暮らしますが、ボランティアの炊き出しは終了。行政は「無料や低額でも希望者への配食サービスができないのか」との声にこたえるべきです。

 被災家屋の公費解体の申請は2万件を超えますが終了したのは4%。修繕を業者に頼んでも何カ月も待つ状況です。重機や人を集中して一気に現状を打開することが、復旧・復興に向けたいまの重点課題です。

 国が主導し業者を県内外から集め強力に推進すべきです。被災地への道路は改善してきています。泊まる場所が不足なら仮設の宿泊所をさらに建てればいいのになぜやらないのか、国の姿勢が鋭く問われます。

 梅雨に入り土砂災害への緊急対策も求められています。医療・介護の崩壊も深刻です。高齢者など支援を要する被災者が在宅で取り残され、災害関連死も増えています。全国の自治体からの応援職員が限られてくるもとで、国が命を守る支援を緊急に強める必要があります。

 備蓄や耐震化の遅れなど備えのあり方が発災直後から問われました。石川県は、東日本大震災などを受けての指摘にも被害想定を見直さず、2020年末からの能登の地震活動の活発化、昨年の地震被害も顧みませんでした。初動を担う地元職員の圧倒的不足も復旧の足を引っ張っています。

■地元支える体制を
 内閣府の検証チームの「能登半島地震に係る災害応急対応の自主点検レポート」は、応援職員の活動、避難所の備蓄品、被災者の要望をつかむ体制など多くの課題を掲げました。しかし肝心要の、地元自治体職員への言及はありません。

 避難所での雑魚寝など劣悪な環境に対し、国はガイドラインを作り災害のつど、自治体に「周知徹底」や「(体制の整備を)促す」事務連絡を出してきましたが、それだけでは解決しません。被災地の状況をつかみ現場で対策を担う自治体の体制確保が不可欠です。

 復興計画作成でも、地元のことは住民が決めるべきです。国は、集落の集約化などの復興計画を上から押し付けるのではなく、能登に住む人たち自身の復興計画を支援するべきです。

 1995年の阪神・淡路大震災を機に、生活再建に公的支援を求める被災者と全国の粘り強い運動で被災者生活再建支援法が成立しました。「住宅は私有財産。自己責任」という国の態度を乗り越え、その後も支援対象の拡大を勝ち取ってきました。災害ごとに支援策を発展させてきた主役は被災者自身の運動にほかなりません。

 国は能登に住み続けたいという声を受けとめ被災地に希望を示す必要があります。被災者とそれを支援する運動で国と自治体に責任を果たさせましょう。


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