



この農場では今、日本語がとても上手なシアトルから来た女の子と、
ボストン出身・ニューヨーク在住、ファッションデザイン勉強中の男の子と一緒。
WWOOFで旅行を始めてからというもの、色んな国の人たちと一緒に暮らすことにかなり慣れた。
ただし、そうなってくると、以前一緒だったウーファーの名前が頭の中でまざってくる。
私は実は「レイチェル」と呼ぶ前にいつも「フローリアン..じゃなくて」と頭の中で変換しているし、
「エイデン、じゃなかった、エリック!こっち!」とか言ってしまう。
英語に関しても、完璧な文法よりも意味が伝わること優先なので、
「えっ、それってsame place?」とか「Really?ほんとうかー?」とか、
微妙に日本語がまざる。そしてその方がニュアンスは伝わっているような気がする。
それにしても。
ニューヨークでファッションを学んでいる男の子が、京都の農場で農作業しているなんて不思議。
あれこれ聞いてみると、ニューヨークって東京と似ている。
彼はお酒が大好きで、休日はいつも「Rest and drink」だと言うので「いいねー!」と笑う。
そうだよねー、都会の1番の楽しみはお酒かもねー、と思う。
夜の外出と昼間のお酒が楽しいこと。
お茶をする場所がたくさんあること。
私にとっての「東京の価値」はその二点で、
その他は?と聞かれるといきなり「公園?」や「土手かなぁ」という回答になる。
そしてうっすらと、あぁ私はもう街には住まないかもなぁと思った。
「国」というもの。国が持つ背景。その人が生まれて育った場所。「○○人」という言い方。
私はアメリカに対して・アメリカと日本に対して、不条理なものをいつも感じているけれど、
個人対個人として出会い話し合う私たちに、国と国との関係性は一切持ち込まれない。
かといって批判的な思いは顕在で、なんだかとても複雑な気持ちになる。
晴れ続きでとても嬉しい今日この頃。きれいな川にしかいない美しいトンボがゆらゆらと飛び交っている。
このあと東京に行く彼に「どこへ行けばいいと思いますか?」と聞かれ、
うーん下北沢かなぁと答えておいた。
まだ住んでいたら案内してあげたいところ。