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ノスタルジアが からからと

できるかぎりたんたんと記録してゆきます。

汚れたたましい

2006-03-23 04:41:06 | 即興詩
汚れたたましいに   
できることなら触れたくもない
汚れた空気を吸っている
同じ空気を吸いたくない

できるだけたくさんの
澄んだたましいと触れ合いたいものだ
澄んだ空気を吸って
僕もたましいを磨こう

たましいについてのメモ

2006-03-19 02:24:14 | 即興詩
現世の意味を考えること
目の前に起こる ひとつひとつのことがらには
それぞれの意味が必ずある という
そこから何を学ぶのか を考えること
現世で 何を学ぶべきなのか

苦しいことも 悲しいことも
楽しいことも 嬉しいことも
それぞれのできごとには 必ず意味がある
そこから何かを学びとるべき
課題として 与えられたできごと

ひとつひとつのことがらには
それぞれの意味が必ずある
たましいを磨くためのことがらを
大切にすること

締め切りの日

2006-03-17 23:35:09 | 即興詩
18年前 建築学科の学生だった
生まれて初めて 自分で建物を設計した
締め切りの前の日 徹夜して仕上げた

自分が思う理想の空間を描いた
生まれて初めて
自分の思いの全てが込められている気がした

大学に行って提出をした後 安アパートに戻る
涙が出てきた
声を出して泣いた

あれから18年たった今になっても
あのとき泣いた意味が分からない
悲しかったわけでもなく
嬉しかったわけでもない
ただ単に一仕事終えた後の泣きだった

いつも仏頂面で 苦言ばかり吐くあの人が
完成パーティの挨拶で急に泣き出した
そうだよ これはあんたが創ったんだよ
と 言ってあげたかった
いえいえ あんただけではなく 
僕も一緒に創ったんだけど ね
でも僕はあんたと違って 
泣くほど創ったわけでもなかったかも

人は人生の中で 何度かモノを創る
人生で何度あるのだろう?
本当に「創った」と実感できるとき
多分 泣く

Synchronized Happiness

2006-03-05 11:37:18 | 即興詩
広い広い宇宙で  
たった一度だけ衝突した二つの物体は
その後 何万光年も離れたとしても
その衝突の記憶を持ち続ける

その二つの物体に
幸せが同時に起こる
何万光年も離れたところで
シンクロナイズドスイミング
のように
踊り続ける

業務連絡

2006-02-28 00:45:44 | 即興詩
幸せになってください
あなたの中にすでにある幸せに気づいてください
あなたの中にすでにある幸せをちゃんと見てください
あなたは今よりも幸せになれます

水の記憶 海の記憶

2006-02-26 01:42:07 | 即興詩
小学校1年生の夏 俺はプールに入られなかった
ツベルクリン反応だか何だか よく知らないが
とにかく そういう理由で 1年間入られなかった

でも 海はよかったらしい
生まれて初めて見た海のことを
今でも鮮明に覚えている
生まれて初めて見たヒトデのことも
波の音も 砂浜のにおいも

ママのことも
俺に 生まれて初めての海を見せてくれたのは
ママだった
ママは浮き袋につかまって
波打ち際で ゆらゆらするのが好きだった

生まれて初めて見た海
俺はそれを ただおそれていた

ヨロコビノウタ

2006-02-19 01:17:02 | 即興詩
神は細部に宿る 
入れ子構造になった時間にさえも
記憶の断片を超えた ゴミの日に出し忘れたゴミ
そこにさえも記憶の断片が ある

ほとんど知らない土地で 朝を迎える
窓を開けてみたら すでに吹雪いていた
そこには冬が ちゃんとあった
季節がほとんどない街からの 小旅行

入れ子構造になった時間にさえも
ヨロコビ
迷子になる予定だったあの人は
時間通りに 待ち合わせ場所に来ていた
吹雪の中を 冷たい手で 時間通りに

無表情の

2006-02-15 00:34:01 | 即興詩
無味無臭で 無感動で
それでいて 無邪気で
なおかつ  無機質な毎日

「表現」とちょうど反対の意味の

語ることは もうやめよう
分かってもらおうとするのは もうやめよう
表現するべきことは 何もないから
感情はもう     何も残っていないから

吐息

2006-02-06 21:43:51 | 即興詩
人生は 無意味で無駄なものごとでできている

あのころはいつも感じていた

毎日
無意味で無駄なものを食べ
無意味で無駄な動きをして
無意味で無駄な弱音を吐いたり

そんなことこそが幸せだった

ダイジョブダイジョブ

2006-02-05 00:23:57 | 即興詩
いつも売春婦みたいな格好してるあの娘が
俺を見つけて抱きついてきた
「今度こそあの男と別れるんだ」って
なんで相談にのっているんだ?俺
よく会うけど おまえの名前も知らないのに

そう言ったら 初めて本名を教えてくれた

今の彼氏について いかに今、彼女がつらいのかを聞かされた
俺にとっちゃ 知ったこっちゃねぇ

彼女をぎゅーと 抱きしめてあげた
「だいじょうぶ だいじょうぶ」って2回言いな
彼女は一回だけ「だいじょーぶ」とだけ言った
「だめだよ 2回言いなさい」
ただ キヨシローの歌にあるだけなんだけどね

彼女はちゃんと2回言った

大丈夫さ うまくやるさ
すべては始まったばかりさ

夢地図

2006-01-29 17:04:42 | 即興詩
夢の中だけに実在する街がある
高速道路に入る螺旋の道路がある
格子状の地図がすぐに浮かぶ街
なぜか、俺の親戚が住んでいる

それは俺の過去を全部知っている街で
なのになぜか居心地が妙にいい
高速道路を 最新のクラシックカーでぶっ飛ばす
という矛盾
そんな矛盾さえも許される街

川がたくさんある
川? 河?
とにかく、 水の流れで街が引き裂かれている
橋を何度も渡る
螺旋の道路を最新のクラシックカーで登って
ハイウェイをぶっ飛ばす

快感

何度も出てくる街
実在しない街
快感
街が引き裂かれている
浮かぶ街
矛盾さえも

180° 360°

2006-01-27 23:17:29 | 即興詩
君がやつのことを 
「商業主義だ」などと揶揄してるうちに
やつは360°行っちまったさ
君が180°のところで 
つべこべ言っているうちに
君がやつのことを0°だと
ばかにしているうちに

君は180°のつもりで
芸術が云々だとか つべこべ
やつは「商業主義」だとか何だとか
言われながらも 自分なりの芸術を貫いたので
360°まで 行っちまったさ
そしてちゃんと「商業主義」らしく
もらうものはもらって
君は180°のところで
つべこべ言いながら
ただ無邪気なだけ

2006-01-26 21:01:00 | 即興詩
大型書店の通路を歩く
ここにあるすべての本の活字は
全部で何文字なんだろう?
億 兆 京 垓
文字の洪水の中を歩く
水の分子が意味を織り成す
それらの分子たちのほとんどに
一度も触れることなく
僕は 何時の日か世界から消えていく
そこに何が書かれていたのかを 知らないままに