駄洒落オヤジはいつも気を使っている
空気は読めないけど 場を和ませる
「車がくるまで待ってなさい」
車を待つ必要は それほどないのに
駄洒落オヤジはシャイである
とりあえず言ってみた駄洒落にあまり自信がない
「電話に誰も出んわ。 違うか 違うか」
違わない 誰も電話には出ない
駄洒落オヤジは基本に忠実である
オリジナリティよりも スタンダードを大切にする
「布団が吹っ飛んだ」
吹っ飛ばない 布団が吹っ飛ぶことなんか そんなにない
隣の囲いはそんなに格好よくない
猿は去らない ずっと居座っている
駄洒落オヤジはいつも人を楽しませることを考えている
人々は 決してその駄洒落が面白いわけではなく
いつも人を楽しませようと考えているその気持ちに
微笑まずにはいられなくなる