九月が終わる―消えた祖母

　小学１年の秋、「お母ちゃんを頼むで」と言い残したお祖母ちゃんは、消えた…。
　遺体はみつかりませんでした。実母ハクトーバの母です。

　６０年前のことだけど、共に失踪した祖母の妹、寺田町近くのボロヤに住んでいた所に連れて行かれたので…。

　その後の大人たち、母方親族のいがみ合いちゅうか、そんな姿を覚えています。

　弟が生まれて、半年後の出来事でした。

　父は鷹ような人柄で、我が家に身をを寄せた親族は何人もいます。母方は、ことに仕事や住まいかな？身内だけでなく、自民党の同志や昔の恩？公家さん「御前」に経済的にお返しをしていたと存じます｡

　祖母の絶望の因は何か？

　何十年も考えながら生きて、化けの皮が剥がれたハクトーバを観察
して、少し分かった気がしています。