
アマゾンのレビューなど、作品事態の評価は様々ですが、どちらの場合もこと上野樹里さんの演技に関してはほとんど例外なく絶賛ですので、いまさらと気が引けるのですが、ここはちょっと違う視点で。
まず、脚本の浅野妙子さんがインタビューで言っていますが、上野樹里さん、リハーサルで既に髪の毛ばっさり、あのテレビで有名になった衣装で登場、身のこなしや歩き方まて男のようでみんな驚いたそうです。だとすると岸本瑠可という強烈な存在、スタイリストや演出家の助言はあったでしょうが、ほぼ彼女の創作。
あの野田恵はオリジナルがあったのに対し岸本瑠可は手本とするものがない。その創作性、想像力を浅野さんは「天才」とまで言い切っています。
虹の女神 Rainbow Songで、「上野樹里素体論」を展開したことがありますが、その思いをますます強くしました。宮崎あおいさんみたいに同時に違う役をこなす器用さはないかもしれませんが、その分「着せ替え」や「なりきり」を超えた凄さが感じられます。

それから「のだめ」で有名になったあの、眉間にしわを寄せる特徴的な仕草、Ao Aquaでもしょっちゅう見せていますね。どうも癖らしい。「ラスト・フレンズ」でも心配したり、戸惑いを見せる時、それそれ眉間にしわが。これは彼女の癖をうまく利用した演出の腕だと思いますが、大きな目で美知留をじっと見つめる、思いつめた表情と同じくらい印象的。
「女を愛せない男、男を愛せない女、そして弱虫なわたし」なんてキャッチ考えてみました。上野樹里派なんで美知留を主体にしたくないんですが、「弱虫な女」じゃあごろが悪すぎる。あのテントの中でタケルと瑠可が添い寝(?)するシーン、二人の距離感がなんともいえません。ラブ・シーン(?)の傑作。
ラスト・フレンズ 予告集
ラストフレンズはお友達のFTMなマイミクさんの日記で知って、昨年の連ドラで唯一リアルタイムで見てたくらい私もどっぷりはまりました。ルカ役を設定するにあたっての裏話も載っているので参考までに↓
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=700291253&owner_id=1510429
個人的には、ルカは「男」というよりも典型的なFTMっぽい(中性的なルックスに、粋がった言動、丸みのあるルックス)やレズタチを彷彿させました。
それと、ソースは忘れましたが彼女は当事者に取材した上で演技したようで、彼女のオリジナルでもないようです。(オフィシャルのインタビューでも「性別違和感症候群」とGIDを分けて考えるなど、役作りをする上で相当当事者を意識して、またリサーチしたことが伺えますよね)
ただし、どちらにしろ彼女の怪演は目の疑いようがありませんね。一つ上の高みにのぼった感があります。正直長澤まさみが…なだけに。
そうですか、当事者に取材も……それはそれで、真摯な役作りですね。一球入魂ですね。と、なんでも褒めてしまう私です(笑)
確かに岸本瑠可は女性と男性のあいだを揺れ動いているような。そのあたりの上野樹里さんの微妙な演技がまた、キャラクターとして独り立ちするほどの強烈な印象を与えるのでしょうね。本当に怪演です。
上野樹里さんがむかしぽっちゃり、いますっきりの顔立ちに比べ、長澤まさみさん、むかしすっきり、いまぽっちゃりと、対照的ですね。歳の割りに老けて見えるのはメークの所為でしょうかね。そう思いたいですが。
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