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AZUKI七 詩の世界(13) - 「夏の幻」

2005年11月04日 | よしなしごと
NTV系人気アニメ『名探偵コナン』エンディング・テーマ。テンポ良くキャッチーなメロディーと少し切ない歌詞が、ガーネット・クロウらしい1枚。

とまあ、宣伝文句は無難なところ。実際、管理人も、同じ見方でした。最近までは。

ところが、販促ブックレットの「”生命”を”ゆめ”、”命”を”まぼろし”、”五感”を”きもち”とルビを打つ多種多様な文字使い」がきっかけで、ほとんど興味本位にAZUKI七 用字用語辞典なんて考えてみました。歌詞をざっと読んでエクセル使って順番をそろえた、それだけの作業なんですが、並べてみるといろんなことがわかってきます。いままで気づかなかったことに気づくというか。

自分自身も、漢字の使い方に関して、注目はしていまして、AZUKI七 詩の世界(1) 改定版で「さて、日本的感覚にこだわる彼女は漢字にもこだわるようです。「生命」と書いて 「ゆめ」と読ませたり、「命」と書いて「まぼろし」と読ませたり」と、書いております。

ただ、この場合はあくまでも「読まれることを想定した」という理解であり、文字使いに隠された意図みたいなものは、まったくといっていいほど、気に留めていませんでした。

ところがですよ、「夏の幻」、こうして並べてみて、例えば、”ゆめ”という言葉にどれだけの漢字を当てはめているか、”命”という字はどのように読ませているのか、など観察してみると、ちょっと待てよ、”生命”が”ゆめ”、”命”が”まぼろし”なんて、もしかして……

最初は恋人同士の些細なケンカから始まるこの歌詞、音声どおりでは

 いつか終わる儚いゆめに 
 ただこみあげる気持ち抱いた

 忘れないから…消えゆくまぼろしに
 君と並んでいたね

というところ、、

 いつか終わるはかない生命に
 ただこみあげる気持ち抱いた

 忘れないから…消え行く命に
 君と並んでいたね

と漢字で書いてみると、そこには、死というものをじっと見据えた、別の歌が隠されているような気がします。

当然歌として聴いていると気づかない、また注意しないと気づかない、まるであぶり出しのような2重世界がそこに広がっています。同じ投稿の中で「生と死が切れ目なくつながる」世界と表現した、七ワールド、ここにあり。

販促用のパンフレットからの孫引きで申し訳ありませんが、「夏の幻」に関して七さんが、「よりいっそう中村さんの声に惚れてしまいますね。随所に見られる響きの心地よさを堪能してください・”王道ポップ”をとってもおしゃれな感じに唄ってはります」といっている通り、明らかにゆりっぺの声とメロディーを頭に書かれたこの曲、「ゆめ」、「まぼろし」以外にも、

 近づいて来る 至福のときは
 痛みを伴いながら足音を立てる

のような難解な表現、

 夏の終わり陽射しがゆれてる
 海の底のような手のひらの中の街並

のようなビジュアルな表現、

そられが合わさり、響きのよいボーカルに例えようもない深みを与えています。

タイトルももしかしたら「夏の命(まぼろし)」だったのかも、しれませんね。
 
コメント(10/1 コメント投稿終了予定)
 
 
 
二重世界か… (るーぱー)
2005-11-05 08:16:20
あの「コナン」君によもやそんな深い意味があろうとは。アニソンなのに映像を見ていてもそんな風に聞こえないのはそういったことが迫ってくるからですかね。「コナン」はともかくリアルタイムで見ることのできない「メルヘブン」はどうしてもアニソンに感じることができないのです。

先日のてっちゃんとのピアフ考で何だかまた目覚めそうで…原曲がシャンソンのカバー曲とか特集してみようかなんて…ただあまりにも古すぎてわからないものもあるんですよね。
 
 
 
Unknown (てっちゃん)
2005-11-05 09:47:34
アニソンなのに、アニソンをはるかに超えたものを平気で創る。そこらへんがすごいですね。「メルヘブン」にしても、「空色の猫」にしても、完璧に七ワールドだと思います。

企画、是非、お願いします。歌詞も御紹介願いたいですね。私の感じている演歌とシャンソンの共通点など検証していただけるか、もしくは論破いただけるといいなあ、なんて思ったり。
 
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