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山々な話しですが・・・ ①

聖地尾瀬と山歩きをメインにしたブログです。野鳥や旅の写真も紹介しています。

尾瀬の花と比べてみようシリーズ 第3弾

2008年08月30日 20時58分57秒 | 尾瀬
シリーズ第3弾は、「ウメバチソウ」と「コウメバチソウ」です。

ウメバチソウは、尾瀬では8月下旬から9月にかけて咲き出します。この花が咲き出すと初秋の雰囲気が色濃くなります。
花の色は白色なので色褪せた湿原ではけっこう目立ちます。花も大きめなので見逃すことはないでしょう。

コウメバチソウは、北海道や本州の中部以北の高山帯に分布しています。

ウメバチソウの仲間の特徴として、本当の雄しべの他に仮雄しべという器官があり数個から十数個に裂けていてこの数で区別します。

 ウメバチソウは、仮雄しべが、12~22裂。
 エゾウメバチソウは、9~11裂。
 コウメバチソウは、7~9裂。
 ヒメウメバチソウは、3~5裂。希に6~8裂。

上の写真は尾瀬のウメバチソウで、15裂ありました。
下の写真は、大雪山で撮ったもので7裂ありましたのでコウメバチソウと同定できます。
因みに、尾瀬にはヒメウメバチソウもあり、燧ヶ岳などで見ることが出来ます。

ところでウメバチソウの本雄しべは最初中央部に折られていて、1日に1本づつ伸びてきます。このため伸びた雄しべを見れば何日咲いているかが判るのです。因みに雄しべは5本ありますので最低でも5日は咲いてますが平均して1週間は咲いているようです。



尾瀬の花と比べてみようシリーズ 第2弾

2008年08月23日 20時58分01秒 | 尾瀬
シリーズ第二弾は、
尾瀬に咲く「テングクワガタ」と北海道などに咲く「エゾヒメクワガタ」です。

テングクワガタは、やや湿った草地に咲きしばしば群落を作ります。
花の色は淡い青紫で花弁は4枚、そのうち1枚が小さいのが特徴です。
葉は対生に交互に茎についています。葉は柔らかい。

エゾヒメクワガタも湿った草地に小さい群落を作ることが多いです。
花の色は濃い青紫色で、目立ちます。花弁は4枚とも同じ大きさ、やや天を向く
感じで咲いてます。テングクワガタと違う最大の特徴は茎や葉の両面に長めの白い毛が沢山あります。寒冷地の花は毛が多いのが特徴ですよね。

どちらも可憐ですが、色の濃いエゾヒメクワガタの方が見栄えが良いですね。
この○○クワガタは固有種も多くてシナノヒメクワガタやアポイクワガタ、チシマクワガタ、エゾミヤマクワガタなど多様です。



尾瀬の花と比べてみようシリーズ 第一弾

2008年08月19日 22時06分36秒 | 尾瀬
尾瀬に咲く花と他の山域で咲くよく似ている同じ種を比べてみようという企画の第一弾です。

今回はシナノキンバイです。
尾瀬では至仏山や笠ヶ岳、尾瀬沼周辺でよく見ることが出来ます。

7月に行った大雪山など北海道の中央山地にだけ生育するチシマノキンバイソウというシナノキンバイの近似種があります。

シナノキンバイの仲間は花弁に見える部分は花弁ではなく萼が変化したものです。
本当の花弁は中央の雄しべや雌しべを囲むように出ている細い部分です。

見た目にはほとんど同じに見えるのですが、さてどこが違うのかというと、さきほど説明した細い花弁が長いか短いかの違いだけです。

シナノキンバイの方は、雄しべより花弁が短いです。
チシマノキンバイソウは、雄しべち花弁はほとんど同じ長さですがシナノキンバイより長めになっているので見比べることが出来ればその違いがはっきり判ります。

上の写真はシナノキンバイです。
下のがチシマノキンバイソウとなります。


高天が原

2008年08月07日 20時42分21秒 | 尾瀬
 ●Canon A640(コンデジ) ノートリミング

 至仏山の東面ルートにある高天が原。そこは沢山の高山植物が咲き乱れる場所
でまさに雲上の楽園。眼下に見える尾瀬ヶ原や燧ヶ岳の光景は穏やかな尾瀬というイメージを覆すような絶景です。丁度ベンチもあり心地よい風に吹かれながらのんびりとするのも楽しいです。

 ひの高天が原に多くさくのが下の写真のタカネナデシコです。チリチリの花びらでまとまりがないのですが、これでも最盛期の瑞々しい花なのです。今年は稜線上に沢山咲いてました。


シブツアサツキ

2008年08月06日 20時32分48秒 | 尾瀬
 ●Canon A640(コンデジ) ノートリミング

 至仏山固有の花にはいろいろありますが、この時期に咲くのがシブツアサツキです。蛇紋岩に特化したアサツキで至仏山と谷川岳にしかありません。
 見た目には紫色のネキボウズですが、近くで見るとけっこう綺麗な花をしていることがわかります。
 至仏山では高天が原を含む東側ルート上にとくに多く見られます。
 稜線上では意外と少なく小至仏山付近で僅かに見られるだけです。

 

盛夏の至仏山

2008年08月04日 23時52分12秒 | 尾瀬
 ●Canon A640(コンデジ) ノートリミング

 週末は至仏山に行ってきました。
 初夏の頃も花が多いですが、この時期もまだまだ沢山の花が見られます。
 今回は山の鼻から山頂を経由して稜線上を歩いて鳩待峠に下るコースで至仏山漫遊でした。
 ホソバコゴメグサ、イブキジャコウソウ、ホソバツメグサ、シブツアツキ、ツリガネニンジン、ヒメシャジン、カトウハコベ、タカネトウウチソウ、タカネナデシコ、タカネシオガマ、ヨツバシオガマ、エゾシオガマ、イワシモツケ、リンネソウ、クロヅル、キンロバイなどなど多彩です。
 さらには雪解けなどで遅咲きの花ではジョウエツキバナノコマノツメ、ハクサンチドリ、ハクサンイチゲ、ハクサンコザクラ、シナノキンバイ、オゼソウなどなどとにかく飽きないです。
 流石に花の百名山ですね。

 上の写真は、高天が原付近から尾瀬ヶ原の俯瞰と燧ヶ岳です。このルートは高度感があるので楽しいです。
 下の写真は、ヒメシャジンです。これからお盆頃までが見頃です。

燧ヶ岳探訪~

2008年07月29日 20時15分05秒 | 尾瀬
 ●Canon A640(コンデジ) ノートリミング

 日曜日は早朝に御池から登りだしました。今回は2人の参加者が始めて燧ヶ岳山頂を目指しまして無事に登頂しました。天気も良くて尾瀬沼や尾瀬ヶ原の俯瞰を楽しんだようです。
 御池から登るルートで一番の見所は熊沢田代の景観でしょう。少し窪地になった湿原で、中央に木道が走り2つの池塘がポイントです。すこし高台から見下ろす構図が一番素敵です。丁度キンコウカが見頃になってきて綺麗でした。秋には草紅葉がとても美しい場所です。

 上の写真が熊沢田代の俯瞰です。山頂側のワタスゲ群生といい組み合わせですね。
 下の写真は双耳峰である山頂のうち俎から見た尾瀬沼の俯瞰です。


尾瀬沼のキスゲは不作です

2008年07月28日 20時05分40秒 | 尾瀬
 ●Canon A640(コンデジ) ノートリミング

 26-27日は尾瀬沼と燧ヶ岳に行ってきました。
 尾瀬ヶ原のキスゲは平年並みかやや少ない程度でしたが、大江湿原は大不作です。これは6月に何度か遅霜がおりた影響です、さらに致命的だったのが7月上旬に霜がおりたことです。これでほぼ全滅でした。近年まれに見る少ないキスゲの大江湿原です。毎年それなりに咲くので不作の情報は客足減退になるので地元、特に桧枝岐はそういう情報は流してないようです。。。

 上の写真は三本カラマツの見える場所からですが、この画面一面にキスゲが群生するのが普通なので今年がいかに少ないかが判るかと思います。

 それでも、ポツポツ咲いている新鮮なキスゲはやっぱり夏の尾瀬の花の代表には代わり有りません。雨で滴がたくさんついてとっても綺麗です。


至仏山の稜線

2008年07月13日 11時56分26秒 | 尾瀬
 ●Canon A640(コンデジ) ノートリミング

 至仏山は尾瀬ヶ原から見ると凄くなだらかな稜線に見えます、でもそれなりにアップダウンはありますし思いの外、岩が多くて歩きにくい稜線です。でもまあこういう稜線はどこの山でも同じですよね。至仏山の場合はその稜線に多種多様の高山植物があるので疲れも癒されます。ただたんに岩場を歩くのが好きな人には物足りないかもしれませんけど、尾瀬では数少ない山岳風景の稜線歩きが楽しめます。

 上の写真は、至仏山山頂手前の「偽山頂」付近から小至仏山、笠カ岳、上州武尊が見えています。

 下の写真は、稜線に咲くヒメシャクナゲです。
 湿原ではよく見えかけますが稜線では珍しいです。環境が厳しいので湿原のものより更に背丈が低くなっているようです。

至仏山の花たち (2)

2008年07月10日 23時10分30秒 | 尾瀬
 ●Canon A640(コンデジ) ノートリミング

 至仏山のはなたち2回目。
 まずは上の写真、ジョウエツキバナノコマノツメです。
 至仏山と谷川岳のみに生育する希少種です。元はキバナノコマノツメというスミレですが蛇紋岩土壌という環境で変異したそうです。
 母種よりも葉が厚くてがっしりしています。それ以外はほとんど同じ。しかも母種のキバナノコマノツメも両方の山には生育しているので区別が厄介ですが、ジョウエツは稜線上、キバナノコマノツメは低木植物が生い茂る中腹付近と覚えておけばほぼ間違いなく区別出来ます。至仏山だと高天が原から下にあるのは普通のキバナノコマノツメがほとんどです。

 下の写真は、湿原でも見られるチングルマです。湿原と書きましたがチングルマが生育している場所は基本的に岩盤の上を好みますので、湿原でもその下に岩が埋まっている可能性があります。これはおそらく水はけの問題でしょう。溜まりすぎても駄目だし乾きすぎても駄目という微妙な環境を好むようです。
 因みにチングルマは分類上は「落葉低木」になります。つまり「木」です。