SEGA「龍が如く 見参!」レビュー

2008-06-23 21:08:36 | ゲーム
「か、刀で人を斬ってみたい・・・」。そんな最近ホットな欲望を持っている人は、実践に移したり、勢い余って犯行予告したりせずに、このゲームをやるべきだろう。「イケない欲望」を満たしてくれるくらい、このゲームの戦闘シーンはよくできている。素手でシバき合うモードもあるにはあるが、メインはダンビラを振り回してジュッパジュッパ人を斬るモードである。良い子には刺激の強すぎる描写だが、立て続けに斬り付けて、ダウンした敵のどてっ腹に刀を突き刺した日には、不謹慎ながら「ア、アカン。気持ちえぇやん・・・。ふぅ」である。

もちろん、大人気シリーズの続編として、今回新たにPS3で登場した本作であるから、その他の要素もぬかりはない。

ゲームはメインストーリーをなぞりながら進んでいくが、このゲームの本当の面白さは、付随するサブイベントにある。過去の同シリーズではキャバクラだったナイトスポットは揚屋(遊女と遊ぶところ)に変化した。また、ヒートアクションや武具を得るイベントも数えきれないくらいある。これらのサブイベントを通じ、レベルアップしたり、技や武器を得たりすることで、メインストーリーを円滑に進めていくことができるわけだ。お使い系のイベントが多く、考えたり、謎を解いたりするようなものはほとんどないが、成功報酬によって、自分が強くなっていくのはRPGゲームの充実感といって良いだろう。

また、過去のPS2の作品はグラフィック自体は「中の下」といった感じであったが、本作はPS3の能力を活かして非常に美しい映像を実現している。ムービーと通常のプレイ画面にほとんど差がないのだ。

ただ、こんなに素敵な本作ではあるが、注文がないわけではない。

最も気になったのはメインストーリーの展開がややおセンチなことである。一昔前の青春ドラマのような表現が使われておりクサい。過去の作品での主人公は、もう少し男らしかった。ある意味主人公の豪快な性格に影響された部分も少なくなかったのだ。本作は「愛」、「友情」といった部分に光が当たっており、甘酸っぱく、汗臭い展開は好みの分かれるところところだろう。

とはいえ、本作は極めて様々な要素を高次元にバランスした良質な作品であることには間違いがない。ぜひPS3オーナーは試してほしい。レビューは思い切って10点満点ってなことでよろしいかと。

龍が如く 見参!

セガ

このアイテムの詳細を見る