名前:小俣 亮
年齢:36歳
性別:男
会計士合格年度:短答式2010年12月、論文式2011年8月
勉強期間:5年
<私の勉強法>
私は社会人になってから、公認会計士試験の勉強を始めました。受験勉強していた5年半のうち、勉強に専念したのは1年間で、それ以外は仕事をしながらの勉強でした。試行錯誤を繰り返した結果、仕事をしながらでも効率よく勉強することができるようになりました。
私は勉強を始めた当初、計算についてはひたすら問題を解いていました。正解したら終わり、というように問題量をこなし、特にプロセスについては意識していませんでした。
しかし、それではなかなか成績が伸びませんでした。そこで、ただこなすのではなく、正解に至るプロセスを検証するようにしました。自分が本当に理解して正解しているのか、理解していないが偶然正解したのか、理解していないため正解できないのかを検証しました。
そうすると、(1)完全に理解していて正解できる問題(2)理解があいまいな問題(3)理解していない問題に分類されていきます。(3)を(2)に、(2)を(1)にできるようにして、(3)と(2)を減らして正解できる問題を増やすようにしました。問題量は少なくなりましたが、得点力は上がったと思います。
理論問題については論証例を丸写しして丸暗記していました。私はもともと記憶力に自信があったので、とにかく覚えようとしていました。しかし、覚えた論証例と全く同じ問題が出ることはまずありません。これでは対応できない、手が疲れるだけで問題に答える力がつかないと思い、勉強法を変えました。
具体的には、B5の半分くらいの用紙に問題と論証するポイントだけを書いて持ち歩くようにしました。そして、問題だけを見て何を答えればよいかわかるようにイメージトレーニングをしました。また、ボイスレコーダーも利用しました。
理論問題でよく問われる論点について定義や趣旨を自分の声で録音し、それを電車の中などで聞いていました。「覚える」ときに「目で見る」「手で書く」ということがほとんどだと思いますが、「口で話す」「耳で聞く」も使うことで記憶が定着し、得点力が上がったと思います。
私は以前、試験会場にテキストをたくさん入れたキャスターバッグに持って行っていました。試験直前に見ようと思って持って行ったのですが、ほとんど見ることができませんでした。そもそも、試験直前にテキストを持っていかなければならないほど、準備ができていなかったということです。
合格したときは、筆記用具と電卓そしてまとめノートのみを持っていきました。それで足りるくらいに、頭に入れて試験に臨むことができたということです。
当初、睡眠時間を削り、試験当日の朝まで問題を解いていました。そのように根詰めて勉強している間は、合格することができませんでした。気持ちもギスギスし、「自分さえ合格できればいい。みんな落ちればいい。」と思っていました。自分が不合格になったときに、すべて他人のせいにしていました。「試験問題が悪い。」「専門学校の教え方が悪い。」「もっと勉強したいのに、時間を確保させてくれない勤務先が悪い。」などと思っていました。
1年間勉強に専念した後、再就職して仕事をしながら勉強したこと、腰痛で思うように勉強できない期間があったことで他人を気にせず、すべて自分の責任と受け止められるようになりました。また勉強時間を十分に確保できないからこそ、できる範囲で効率よく集中して勉強できるようになりました。
そうすると、自分が勉強できるのは幸せなことだと思うようになり、妻や両親をはじめ周囲の人に自然と感謝できるようになりました。受験勉強をしている間は焦るし、自己中心的になりますが、落ち着いて余裕をもって勉強した方が成功に近いと実感しています。
<選択科目の選び方(民法の薦め)>
公認会計士・論文式試験は必須科目の監査論・租税法・会計学(短答式の管理会計論と財務会計論)・企業法の他に選択科目があり、経営学・経済学・統計学・民法の中から1科目を選択します。受験生がどの科目を選択するかというと、おおよそ経営学95・経済学2・統計学2・民法1の割合で、ほとんどが経営学を選択します。
これは、他の科目に比べて勉強量が少なく済むこと、受験生が多いため競争がそれほど激しくないことなどが理由と考えられます。経済学と統計学は数学が必要になりますし、民法は学習範囲が広く覚えるべきことが多いです。
私は、勉強開始当初から民法を選択しました。これは以下の理由からです。
(1)私は当初、計算が苦手だったため、計算の負担を減らしたかったから。
(2)私は記憶力に自信があり、理論問題の方が得意であったから。
(3)大学で法学部だったから(しかし、卒業して7年たってから勉強開始)。
民法の勉強をすることで、試験全体にも良い影響がありました。
民法を選択してよかったと思うことは以下の通りです。
(1)企業法の勉強につながったこと
「善意」「悪意」「過失」といった言葉遣いや、条文をチェックする習慣が身につきました。企業法に限らず、監査論や租税法でも会計学でも、民法で学んだ知識や考え方が活用できることがありました。
(2)理論問題の解答方法が身についたこと
理論問題が得意と言っても記憶力に頼っていただけで、理論問題の解答方法はわかっていませんでした。1.問題文を読んで何が問われているかを確認する、2.下書きで解答するポイントを書き出し、3.下書きしたものに肉付けして解答用紙に書くという段取りを普段の勉強でも実践し、本試験でも実行しました。解答するポイントは、(序論)問題に関連する条文や定義を示し、(本論)その趣旨を挙げて問題文と関連付ける、(結論)問われていることに対して解答するということを意識するようになりました。民法や企業法に限らず、すべての理論問題に対応でき、得点力が上がりました。
(3)5年間の勉強が役に立ったこと
民法は試験範囲が広いですが、繰り返し勉強したことでより深く理解できるようになりました。合格までに時間がかかったからこそ、民法が本当に得意になりました。
選択科目を選ぶとき、それぞれの科目の特徴とご自分の得意・不得意をよく考えたほうがよいと思います。法学部出身であったり理論問題が得意な方は、民法を選択するのもアリだと思います。
年齢:36歳
性別:男
会計士合格年度:短答式2010年12月、論文式2011年8月
勉強期間:5年
<私の勉強法>
私は社会人になってから、公認会計士試験の勉強を始めました。受験勉強していた5年半のうち、勉強に専念したのは1年間で、それ以外は仕事をしながらの勉強でした。試行錯誤を繰り返した結果、仕事をしながらでも効率よく勉強することができるようになりました。
私は勉強を始めた当初、計算についてはひたすら問題を解いていました。正解したら終わり、というように問題量をこなし、特にプロセスについては意識していませんでした。
しかし、それではなかなか成績が伸びませんでした。そこで、ただこなすのではなく、正解に至るプロセスを検証するようにしました。自分が本当に理解して正解しているのか、理解していないが偶然正解したのか、理解していないため正解できないのかを検証しました。
そうすると、(1)完全に理解していて正解できる問題(2)理解があいまいな問題(3)理解していない問題に分類されていきます。(3)を(2)に、(2)を(1)にできるようにして、(3)と(2)を減らして正解できる問題を増やすようにしました。問題量は少なくなりましたが、得点力は上がったと思います。
理論問題については論証例を丸写しして丸暗記していました。私はもともと記憶力に自信があったので、とにかく覚えようとしていました。しかし、覚えた論証例と全く同じ問題が出ることはまずありません。これでは対応できない、手が疲れるだけで問題に答える力がつかないと思い、勉強法を変えました。
具体的には、B5の半分くらいの用紙に問題と論証するポイントだけを書いて持ち歩くようにしました。そして、問題だけを見て何を答えればよいかわかるようにイメージトレーニングをしました。また、ボイスレコーダーも利用しました。
理論問題でよく問われる論点について定義や趣旨を自分の声で録音し、それを電車の中などで聞いていました。「覚える」ときに「目で見る」「手で書く」ということがほとんどだと思いますが、「口で話す」「耳で聞く」も使うことで記憶が定着し、得点力が上がったと思います。
私は以前、試験会場にテキストをたくさん入れたキャスターバッグに持って行っていました。試験直前に見ようと思って持って行ったのですが、ほとんど見ることができませんでした。そもそも、試験直前にテキストを持っていかなければならないほど、準備ができていなかったということです。
合格したときは、筆記用具と電卓そしてまとめノートのみを持っていきました。それで足りるくらいに、頭に入れて試験に臨むことができたということです。
当初、睡眠時間を削り、試験当日の朝まで問題を解いていました。そのように根詰めて勉強している間は、合格することができませんでした。気持ちもギスギスし、「自分さえ合格できればいい。みんな落ちればいい。」と思っていました。自分が不合格になったときに、すべて他人のせいにしていました。「試験問題が悪い。」「専門学校の教え方が悪い。」「もっと勉強したいのに、時間を確保させてくれない勤務先が悪い。」などと思っていました。
1年間勉強に専念した後、再就職して仕事をしながら勉強したこと、腰痛で思うように勉強できない期間があったことで他人を気にせず、すべて自分の責任と受け止められるようになりました。また勉強時間を十分に確保できないからこそ、できる範囲で効率よく集中して勉強できるようになりました。
そうすると、自分が勉強できるのは幸せなことだと思うようになり、妻や両親をはじめ周囲の人に自然と感謝できるようになりました。受験勉強をしている間は焦るし、自己中心的になりますが、落ち着いて余裕をもって勉強した方が成功に近いと実感しています。
<選択科目の選び方(民法の薦め)>
公認会計士・論文式試験は必須科目の監査論・租税法・会計学(短答式の管理会計論と財務会計論)・企業法の他に選択科目があり、経営学・経済学・統計学・民法の中から1科目を選択します。受験生がどの科目を選択するかというと、おおよそ経営学95・経済学2・統計学2・民法1の割合で、ほとんどが経営学を選択します。
これは、他の科目に比べて勉強量が少なく済むこと、受験生が多いため競争がそれほど激しくないことなどが理由と考えられます。経済学と統計学は数学が必要になりますし、民法は学習範囲が広く覚えるべきことが多いです。
私は、勉強開始当初から民法を選択しました。これは以下の理由からです。
(1)私は当初、計算が苦手だったため、計算の負担を減らしたかったから。
(2)私は記憶力に自信があり、理論問題の方が得意であったから。
(3)大学で法学部だったから(しかし、卒業して7年たってから勉強開始)。
民法の勉強をすることで、試験全体にも良い影響がありました。
民法を選択してよかったと思うことは以下の通りです。
(1)企業法の勉強につながったこと
「善意」「悪意」「過失」といった言葉遣いや、条文をチェックする習慣が身につきました。企業法に限らず、監査論や租税法でも会計学でも、民法で学んだ知識や考え方が活用できることがありました。
(2)理論問題の解答方法が身についたこと
理論問題が得意と言っても記憶力に頼っていただけで、理論問題の解答方法はわかっていませんでした。1.問題文を読んで何が問われているかを確認する、2.下書きで解答するポイントを書き出し、3.下書きしたものに肉付けして解答用紙に書くという段取りを普段の勉強でも実践し、本試験でも実行しました。解答するポイントは、(序論)問題に関連する条文や定義を示し、(本論)その趣旨を挙げて問題文と関連付ける、(結論)問われていることに対して解答するということを意識するようになりました。民法や企業法に限らず、すべての理論問題に対応でき、得点力が上がりました。
(3)5年間の勉強が役に立ったこと
民法は試験範囲が広いですが、繰り返し勉強したことでより深く理解できるようになりました。合格までに時間がかかったからこそ、民法が本当に得意になりました。
選択科目を選ぶとき、それぞれの科目の特徴とご自分の得意・不得意をよく考えたほうがよいと思います。法学部出身であったり理論問題が得意な方は、民法を選択するのもアリだと思います。
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