田添菜穂子の一期一会

アメーバブログ「田添菜穂子の一期一会」http://ameblo.jp/tazoenahoko/へ引っ越しました!

宮城県山元町に行く ③ 絵本の読み聞かせとミニコンサート

2011-05-29 23:11:19 | 東日本大震災について

山元町入り当日は、4人で、東京駅6時40分発のはやてに乗り、
仙台駅でレンタカーを借り、
私の運転で!
仙台の愛宕上杉通りから長町に入り、長町インターから高速にのり、
東部道路を南下しました。

仙台市街は、もう表面的には、日常が戻ったように人が行きかい、
車が通り、町が動いていました。
でも、住む友人達に話を聞くには、経済は思うように動かないし、
(つまり飲食店等は、お客さんが入らず、たちゆかなところもあるとか・・)
ライフラインが戻っても全てが元通りになるには、時間がかかる・・・と。

東部道路の西側を見て、同乗の皆さんは、それぞれが初めて被災地で見る被害のむごさを受け止めていらっしゃいました。
私が東部道路を前回通ったのは、1ヶ月前。あまり変わってないような
気さえしました。
がれきが片付くのは、いつのことなんでしょう。
そして、それを毎日見ている皆さんは、どんな気持ちだろう、と切なくなります。


その日は晴れて、お天気。
山元のインターをおり、会場の深山山麓少年の家に着くと、美しい新緑と小鳥のさえずりが、私たちを迎えてくれました。

また、すでに集まったママと子供たちが、大きな声と笑顔で「おはようございます!」
と声をかけてくれます。山元町の育児サークル『なかよし会』の皆さん。

この日は、0歳から4歳まで、10組ほどの親子の方が集まっていました。

ご挨拶を済ませて、建物のロビーに入ると、さっそく絵本の時間を始めます。
もってきたたくさんの本を正面に飾り、子供たちが手に取りやすいようにし、
手遊び歌を歌い、5冊の本を読みました。

言葉遊びの絵本では、「きゃっきゃ」と声を上げて喜んでくれ、
お話の絵本は真剣な表情で物語に入ってくれ、
ママとスキンシップを取る絵本で、ママとお子さんは、だっこして、頬ずりをして、
キラキラした笑顔を見せてくれました!!

絵本って、すごいなと思うのは、こんなところ。
人一人が、話術でこれだけの笑いや笑顔を引き出すには、
並大抵の技術では難しいんだけど、
絵本は3秒でその世界にその場にいる全員を引き込むことができる。
素晴らしい絵本の力を借りて、皆さんの笑顔を見られて幸せでした。

絵本の読み聞かせの次は、コンサート。

隣の部屋では、半田さん、渡邉さん、石黒さんの3人がすでにスタンバイしてらっしゃいます。

プログラムはこちら。

1、花
2、Amazing Grace
3、Time to say goodbye
4、見上げてごらん夜の星を
5、涙そうそう
6、さんぽ
7、Moon River
8、O mio babbino caro
9、赤とんぼ


ずっと、笑顔だったママと子供たちも、歌が始まると、子供たちは、美しい歌声に静かになり、ママの中には、目を真っ赤にしながら、泣いていたりする方も。

震災前から週一回で続いている会なのだそうですが、代表を務めていたママは、今回の津波で流され亡くなってしまい、
集まっている方のなかにもおうちが流されたり、おうちはあるけれど、住めるような状態でなく、町外のご親戚のもとに
身を寄せてらっしゃる方もいらっしゃるとのこと、あとで伺いました。

山元町はおよそ4割の住宅が津波の被害にあったと聞いていましたが、

数字が目の前で事実として突きつけられた感じでした。

半田さん、渡邉さんの歌は、美しく、そばにいた私の胸にも迫ってきました。

終了後、お一人のママさんが、『歌を聴いて、地震のあと初めて癒された気がします。ありがとうございました。』とおっしゃってくださいました。

そして、話すうちに今の胸の内も語ってくれました。

『子供がね、おうち津波で流されちゃったね。って毎日言うんですよ。うん、そうだね、って

いうしかなくて、でも毎日だからそれもつらくて・・・・』お話しながら泣き始めました。

私が息子にそういわれたらと想像すると本当につらくて、でも、返す言葉もなくて、

『ごめんなさい、私、今こうするしかなくて』と初対面のママをハグしながら、

一緒に泣きました。『応援してます。ずっと応援してますからね』っていいながら。

二人で、ひとしきり泣いたら、ママは笑顔になって『がんばります』っておっしゃってました。

こんなにがんばってる人が、自らを奮い立たせなくちゃいけないことに、胸が痛みます。

皆さんのお昼が、そこかしこで始まっていて、私たちも移動の時間が迫っていたので、

絵本を持ち帰っていただくアナウンスをすることにしました。


スーツケースいっぱいの絵本を見ていただき、ベイビーオアシスさんや私の友人・家族のママたちがこの絵本を寄付してくださったこと、
絵本は、ひとり何冊でもおにいちゃんの分やおねえちゃんの分ももって行ってくださってかまわないことを
お伝えすると、皆さん「いいんですか?いいんですか?ありがとうございます!」と

本当にうれしそうに絵本を選んで抱えて持っていってくださいました。

ああ、やっぱり、たくさんもってきてよかった!

軽くなったスーツケースを車に積み、今度は、山元町役場へ。

高橋部長との再会は次回。




最新の画像もっと見る

4 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
お疲れさまでした (ようこ)
2011-05-30 00:20:15
たぞえ、ひさしぶりです。
今回、仕事に育児に色々と忙しいなか企画を実現させて、本当に素晴らしいと思っています。東北の皆さんにとっては、いつもテレビで見ていた身近な存在のアナウンサーさんが現地へ足を運び、語りかけ、同調してくれたことで、どれだけ救われただろうね。
シアトルで知り合った私の台湾人の友人は、東北大学へ留学していたんだけど、東北が今の自分を育ててくれたと非常に感謝していて、今回の震災後、自分が出来る事は何かと考え、すぐに母国へ戻って台湾の母校で募金活動をしたそうです。
思いを形にするのは本当に大変だろうけど、それを実現させた強い思いと行動力に敬服します。継続してこその取り組みだと思うので、今後何かお手伝い出来る事があれば、いつでも声かけてね!
返信する
ありがとうございました。 (hemogy)
2011-05-30 08:45:01
先日はなかよし会、そして山元町に来て下さり本当にありがとうございました。
私自身まさか泣くとは思っていませんでした(汗)

山元町は避難所ばかりに有名人がいらっしゃいます。

だけど小さい子供がいて自宅にいたり、実家に避難したり、
避難所に行きたくても行けなかった人達がいるという事を知って貰えただけでも嬉しいです。(現在参加しているメンバーさんの約半分が私を含め自宅以外に住んでいます。)
ですから今回サークルに来て頂いた事で、メンバーさん皆がほっこりした気持ちになれました。

また沢山の絵本をありがとうございました。
娘は毎日【プリンセス読んで~】と大変気に入っているようです。
田添さんがハグして下さった手は背中にしっかり残っています。
この手の感触を活力にまた頑張っていきたいと思います。

本当にありがとうございました。
返信する
がんばるよ (たぞえ)
2011-05-30 20:39:08
<ようこちゃん

ありがとう。
実際に皆さんを癒してくれたのは、歌を歌ってくださったソプラノ歌手さんたちなんだけどさ、そのコーディネイトでお役に立てたなら、うれしいよ。
ようこちゃんのお友達は、東北大にいたことがあったんだね。海外でも力になってくれている人がいるのは、心強いよね。
瓦礫が片付いても、仮設住宅が建っても
なかなか、元通りとはいえないよね。
息長く、応援したいと思ってます。
ぜひ、機会があったら協力してね!


返信する
こちらこそ (たぞえ)
2011-05-30 21:12:17
<hemogyさん

ブログ見つけてくださったんですね!
この間は、ほんのひとときでしたが、
お会いできて本当によかったです。

皆さんが笑顔で迎えてくださって、
読み聞かせや歌を聴いてくださって、
これからもがんばろうと思いました。
月並みだけど、本当に励まされましたよ。

抱き合って泣いたことも、hemogyさんの
お子さんの言葉も、思い出すたび涙がにじみます。
子供を育てながら、日常だって大変なのに、
非日常を生き抜くことが、どれほどきついことでしょう。

私からは応援の気持ちしか伝えることができないけど、この間の絵本には私の周りのたくさんの人たちの応援の気持ちがつまっています!
協力したいっていう人も次から次にいるんです!そんな大勢の人の思いが何かの際に、
お力になれれば、うれしいなと思います。

お子さん、プリンセスがお好きなんですね。
たくさんたくさん、読んであげてくださいね!

厚さんもいますので、また山元に行きますよ!
また、元気で会いましょうね!!




返信する

コメントを投稿