おしょうゆください

数年前、福岡出身で東京に住む友達が言いました。

「ねえ、おしょうゆってどうしよる?」

どうしよるって、普通に使ってるけど。

「こっちのおしょうゆ濃いやん、ていうかしょっぱいやん？私、おしょうゆは実家から送ってもらいよるんよね。あと味噌も。」

え～、どんだけ凝っとん！？（凝ってるの?）

その場にいた私ともう一人の友人は、福岡を離れてしばらくたつし自炊もしてるけど、醤油に頓着したことは全然なく「お料理好きだと地元の味にこだわるのね」ということで話が収まりました。
だって、地元のおしょうゆじゃなきゃ、なんて明らかに大げさだし、
大体、おしょうゆって減らないし。
（当時、料理をしない私のお醤油は悲しいほど減りませんでした・・・）




しかし、




数年経ち、料理をするようになったある日、夫の実家からいろいろな荷物とともに
醤油がたまたま送られてきました。

これが、九州のおしょうゆね。
ちょうど切れたし、使おうっと。

魚の煮物に使ったところ、

これが・・・・

「！！！！！！！！！」

なんだ！なんだ！このおそろしく懐かしい味は！
おばあちゃんの煮物みたい！！
このお醤油は私に料理の腕が一段階アップしたような錯覚を起こさせて
くれ、それはそれは、幸せな気分になったものでした。

九州のしょうゆはそもそも「再仕込み醤油」といって、普通の濃口醤油が製造過程で食塩水を使うところを生しょうゆをつかっているので、香り、味、ともに濃く、また甘いのが特徴なんですって。

http://www.soysauce.or.jp/syurui/index.html

それだけに、九州産の濃口醤油も関東に比べると随分と甘めに作られてるそうです。

もちろん、日本国内ではマイノリティーで、東京の友人から、
「この間九州に行ったんだけど、おしょうゆ甘くてびっくりしたよ。ちょっと苦手かも・・・」と言われても、そうかも、とうなずけるし、
東北でおいしいお鮨を食べつけてしまった私としては、
トロに甘い醤油は合わないかなとも感じています。

それでも、我が家に常備すべきは、九州産のおしょうゆ。
近くのスーパーにないため、銀座の九州の物産を置くお店で買っていました。


しかし、なんと最近、そのお店が閉店してしまい、家にあるしょうゆも、一昨日で
なくなってしまいました。

そんなおしょうゆ難民を助けてくれたのは、

「熊本銀座館」
http://www.kumamotokan.or.jp/

あるんですね～、九州のアンテナショップって、結構。

これからもせっせと電車でおしょうゆ買いに行きます。