さて、冷静になってみようか・・・敵のまっただなかにたった一人。敵はヴァルシャレスとメフィストフェレスに加えて周囲を取り囲む超精鋭集団「レッド・シスターズ」・・・魔法がなければなんとかなるかも知れないが・・・これは・・・。しかも・・ハハ・・一気に飛び掛ってヴァルシャレスを殺せればメフィストフェレスも解放されて地獄へ帰るかと思ったが、メフィストフェレスの魔力によるものか、まったく体が動かない・・
デビル「メフィストフェレス」を操ることで勝ち誇り高笑いがとまらないヴァルシャレス・・このアマ・・
魔法円の結界に阻まれ動けない俺を殺すようにと命じるヴァルシャレスだったが・・・
「そうはいかんな、ヴァルシャレスよ！ かわりに・・お前のかわいいレッド・シスターズを殺してやろう」
見たことも無い魔法を強大な魔力で振るうメフィスト・・どうなっているんだ！？
周囲のレッドシスターズが跡形もなく焼き尽くされてしまった！
「お前は私のものだ、私に背くことは出来ぬのだ！」
ヴァルシャレスの怒号を軽く聞き流してメフィストいわく・・
「ドロウよ・・お前は自らが縛りつけた力がどれほどのものかわかっておらぬ！ さあ、その代償を払うのだ！」
メフィストの魔力が解かれ俺の体が自由に動くようになった！ これは・・・！
なんだか分からないが千載一遇のチャンス！ 勝負だヴァルシャレス！
・・・
所詮はデビルの威を借りていただけ、タイマンで遅れを取ろうはずが無い。女ドロウの野望は潰えたのであった・・。けど、なんでメフィストは助けてくれたんだろうか？
ヴァルシャレスが死ぬことでメフィストを封じ込めていた結界も破れた。こうしてアークデビル「メフィストフェレス」はとうとう戒めから抜け出すことに成功したわけだ・・が・・なんだか嫌な予感がする。まさか正義を愛する魔神ってわけでも・・・ないだろうしなあ・・・巨大なひづめが近づいてくる・・
俺の疑問「なぜヴァルシャレスを・・？ 彼女に支配されていたのではないのか？」に答えるメフィスト
「ヴァルシャレスも知らなかった掟があるのだ・・・いくら支配者であろうと、私自身の影を攻撃することは出来ないのだ。お前は私の影だ、Tawash Rein よ・・・そのアイテムを身につけた時からな・・・」
しょ・・・衝撃の告白・・・俺がお前の影・・・俺がお前でお前が俺で！？ しかし、なんだ？ そのアイテムって？ あ・・・まさか・・・コレ？ 刈る者の指輪・・・
この指輪を持つ限り、俺は死んでも刈る者に呼び寄せられ新たな命を帯びることが出来た・・それもこのメフィストの力だったというのか。そして俺の行動はすべて指輪でつながったメフィストに筒抜けで、それどころかメフィストを解放するための道具として無意識のうちに行動させられてさえいたのだった・・・
この世界へと物質化を果たしたメフィストにとっては、そのための駒だった俺の存在はすでに無用のもの・・・というわけか・・・メフィストの周囲に例の異様な魔力が凝集し・・・
そのまま俺に叩き付けれた・・・どうしようもない・・・地獄の一層を支配するとさえ言われる魔神にまともに抗う手段があるはずがない・・
なすすべなく俺は打ち倒されて・・・
肉体は・・・消滅した・・・
終わり・・・
・・・
・・・
いや、続く・・・！
