歌人・辰巳泰子の公式ブログ

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YouTube更新、鬼さんノートその11

2023-08-13 15:04:20 | 月鞠の会
毎日、暑いですね。YouTubeを更新しました。



鬼さんノートも、ツイッターで思い出したように呟いています。
私はなぜ、鬼さんノートを書こうと構想したか。

そもそもの発端は、『鬼の研究』に魅せられたからである。表現者の多くがそうであるように。私が、鬼に類する女、虫愛づる姫君のような変人だったし、今もそう。私が馬場あき子さんから与えてもらったものを、自分も誰かに与えられるようになりたかった。

素朴な願望が、鬼さんノートを私に書かせているが、立ち位置として、私はそうじゃないってとこもある。

馬場あき子さんは、救済者だ。私はそうじゃない。私は、救済者ではなく、世間という押しくら饅頭の当事者なのだ。

そのあいだ、見つめつづけた……。気を保ちながら見つめつづけた、どうなったら、いいんたろう。

大きな社会のなかで、本物の鬼とは、まず戦争という装置。もう一つは、荒廃が生みだすこころの問題よ。馬場あき子さんは、政治的抑圧を受ける者たちが、思い上がった者への処罰感情を抱き、事件によって溜飲を下げたのではないかとお書きです。異論なし。ただ、私は、抑圧を受ける者には、2つがあると思うのよ。

政治的抑圧を受ける者が、まずあります。そして、政治的抑圧と同様の抑圧に加え、世間からうっぷん晴らしの抑圧を受ける被差別者がある。その抑圧対象が固定的になったとき、それはいじめ。

これ大事。私は社会学、もしくは社会科を扱おうとしているのではなく、あくまでも和歌であること。古来、歌人たちが、政治的、社内的抑圧とどのように折り合いをつけたのかということを見ていきたい。そのとき、当時の社会がどうであったかを知らずにはいられない。

歌人は皆、鬼よ。馬場あき子さん擁護するところの鬼である。私は、鬼のために、一人の鬼としてこれを書くのです。

これからの未来を生きる、鬼の末裔どものために、書くのです。




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