大卒新規採用公務員の研修でのことでした。
担当していたのは法学系の科目。
そして小学校や中学校のイジメの原因について考えていました。
このとき、「とりわけ小学校の入学式や始業式でしばしば先生が『みんな仲良くしましょう。』とか『友達をつくりましょう。』とおっしゃいますが、これがイジメの遠い原因になることにお気付きですか。」と問いました。
「なるほど!」と直感的に分かった人が数名いました。さすがです。
他方、「なぜですか?」と疑問に思った人が少なくない数でいました。
そこで、このことについて少し考えてみたいと思います。
これを考えるにあたり、ある小学校の2年生の教室で実際に起きた事件を紹介し「仲良くしなさい。」という発言とイジメとの関係を考える素材にしていただきたいと思います。
名付けて「消しゴム貸して事件」です。
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ある日の授業中、A君は隣の席のBさんから「消しゴム貸して。」と言われました。
A君は学期の初めに「忘れ物をしないように注意しましょう。前の日に鉛筆や消しゴム、教科書やノートの準備をして忘れ物をしないように注意しましょう。」と先生に言われていたのでこの日も消しゴムは準備して持っていました。
しかし、A君は消しゴムをBさんに貸してしまうと自分が使うとき困るので貸すのを拒否しました。
また、同時に、「なんで持って来てないんだよ。」と心の中でちょっと腹立たしく感じてもいました。「自分は先生が言った通り準備して持って来ているのに。」と。
ところが、A君に拒否されたBさんはいきなり手を上げて「先生、A君が消しゴムを貸してくません。」と先生にアピールしたのです。
Bさんのこのアピールに対して先生は、「A君、意地悪をしないで貸してあげなさい。Bさんが困っているのだから。」とA君に向かって発言しました。
A君は先生にそういわれたら何も抵抗ができません。
やむをえずA君はBさんに自分が用意していた消しゴムを貸しました。
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さて、読者の皆さんはこれがイジメの原因になることに気付きますか。
(つづく)
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