信楽タヌキにみる自由の世界

信楽タヌキを研究する、けいおうタヌキ研究所です。ブログでは信楽タヌキの楽しみ方や生態に焦点を当てたいと思います。

"メス"の信楽タヌキに関する考察 信楽タヌキ紹介#5

2020-06-30 00:27:47 | 日記
「よし、締めのラーメンに行くぞ」と言った記憶が最期、
気づけば津軽海峡で海を眺めていた皆さま。

そんな大変な状況の中失礼します。
けいおうタヌキ研究所です。

今回は久々の信楽タヌキ紹介。
テーマはずばりメスのタヌキに関する考察

これも意外と驚かれる話なのだが、
信楽タヌキには実はメスがいる。
それも結構いる。

でも、メスの信楽タヌキのイメージって、できるだろうか。

信楽タヌキと言えば、大きな腹、大きな玉袋、酒、徳利と
いかにも"おじさん"な姿をしているではないか。

でも、事実としてメスのタヌキもいるのだから、
今回はそんなメスタヌキについて紹介、考察してみたい。


メスの信楽タヌキの特徴



これはオーソドックスなメスタヌキ
なんとなく、乙女心満載のメスに見えるだろうか。

特徴としては、
・玉袋がない。
 代わりに葉っぱで隠している。
・笠を被っていないことが多い。
 代わりにリボンを身に着けがち
・体つきはオスと変わらない。

そう、この特徴を見てなんとなく理解した方もいると思う。
メスのタヌキ、基本的にオスのタヌキと同じ姿なのだ。

オスのタヌキを去勢し、リボンをつけてあげれば不思議、
メスタヌキの誕生である。

でも、どういうわけかリボンがあるだけで、タヌキはメスに見えてしまう。

おそらく、そもそもオスのタヌキがふくよかな体型で、
大きなおっぱいも持っているから、メスになっても違和感がないのだろう。
タヌキのポテンシャルは性別をも超えるのだ。



メスタヌキにはどんなバリエーションがある?

そんなメスタヌキ、どれほど種類があるのだろう。
もとのオスタヌキは姿も服装も持ち物も、だいぶバリエーションが豊富。
であれば、メスタヌキもかなり豊富な種類があるはず。

ということで、手元にあった写真から、いくつかメスタヌキを分類してみた。


オーソドックス型

葉っぱとリボンという、よく見られるタイプのメスタヌキ。
このタヌキはリボンを右手に持っていて、まるで見せびらかしているかのよう。


こちらもリボン。杖も持っている。


かなりでかいが、真ん中のタヌキもオーソドックスなメスタヌキ。
表情は左右のタヌキと同じなのに、リボンがあるだけで妹に見える。


女将型

意外にもこのタイプのメスタヌキは多かった。
結った髪、着物と、裸一貫のタヌキと比べるとだいぶ好待遇。


これも女将型。
ただ、お客さんを持て成すというよりは、
抱えた徳利を誰にも渡すまいと警戒しているように見える。


3体のタヌキを従える女将タヌキ。
女将型のメスタヌキは、全体的に気が強そう。


着飾り型



手元の写真で確認できたのはこの1枚だが、女将姿以外で服を着るメスタヌキ。
ただ、肝心の胸と股間はさらけ出したまま
そんな恥を知らぬところはオスタヌキと共通しているのか。


夫婦型



こちらはオスメスセットになったタヌキ。
リボンと葉っぱというメスタヌキの特徴を備えつつ、オスタヌキと一緒になることで、夫婦やカップルであることをアピールしている。


素っ裸?型



だめだよぉ!
股間を隠さない、恥という概念を知らないメスタヌキもいる。

ちなみに、ふと思ったが、



メスタヌキの手前にいるこの夫婦タヌキ。
オスの玉袋がぐにゃんと伸びている。
なんだか嬉しい。


おまけ 女装型


セーラー服を着ているが、中身は立派な玉袋の付いたオス
こっちのがメスっぽかったりする。


以上、メスタヌキの紹介でした。

今回取り上げたのは、メスタヌキのほんの一例。
いろんな格好のメスタヌキがいるかもしれないし、葉っぱとリボンという特徴も、
実はメスタヌキの「基本形」ではないかもしれない。

そんな謎への興味を抱きつつ、今後もメスタヌキの情報が集まったら紹介します。



ハイスピードかちかち山 

2020-06-25 00:02:58 | 日記
■もとのお話

むかしむかしあるところに、畑を耕して暮らす、
おじいさんとおばあさんがいました。
二人の畑には毎日、タヌキがいたずらをしにやってきます。
怒ったおじいさんは、罠でタヌキを捕まえて、家に戻ると、
「おばあさん、こいつをタヌキ汁にしてくれ」
そういって畑仕事に戻りました。

タヌキは、おばあさんに嘘をつきました。
「もう悪さはしない。家事を手伝う」
そうして縄を解かせて自由になると、そのままおばあさんを撲殺し、
肉を鍋に入れて煮込んでしまいました。
それからタヌキはおばあさんに化けると、
帰ってきたおじいさんに鍋を食わせ、
「婆汁食べた!」と笑って山に帰っていきました。

これを聞いたウサギは、タヌキ成敗に出かけました。
まず、ウサギはタヌキを芝刈りに誘い、
帰り道、背負わせた薪に火をつけました。
火打ち道具の合わさる「かちかち」という音を聞いたタヌキは、
「このかちかちという音はなんだい?」
「ここはかちかち山だから、かちかち鳥が鳴いているんだ」
そうしているうち、薪は燃え上がり、タヌキは背中に大やけどをしました。

次の日、ウサギは火傷によく効く薬だと言って、とうがらし入りの味噌を渡しました
薬を塗るや否や、タヌキは痛みに叫び声を上げました。

さらに次の日、ウサギはタヌキを漁に誘い、
木の船と、一回り大きな泥の船を作りました。
欲張りなタヌキはもちろん大きな泥の船を選びます。
船に乗ってみると、次第に泥は崩れてゆきました。
タヌキはウサギに助けを求めますが、ウサギは助けることはありません。
タヌキは溺れて死んでしまい、ウサギはかたき討ちをはたしましたとさ。




■ハイスピードかちかち山 

むかしむかしあるところに、畑を耕して暮らす、
おじいさんとおばあさんがいました。
二人の畑には毎日、タヌキ(210km/時)がいたずらをしにやってきます。
おじいさんは、スピード違反でタヌキを捕まえて、家に戻ると、
「おばあさん、こいつをタヌキ汁にしてくれ」
そういって160km/時で畑仕事に戻りました。

タヌキは、おばあさんに嘘をつきました。
「この国では時速190kmを超えると法定速度になるんじゃないのか」
そうして縄を解かせて自由になると、そのままおばあさんを撲殺し、
肉を鍋に140km/時で投げ入れて煮込んでしまいました。
それからタヌキはおばあさんに化けると、
帰ってきたおじいさんに鍋を食わせ、
「婆汁食べた!」と笑って200km/時で山に帰っていきました。

これを聞いたウサギ(220km/時)は、タヌキ成敗に出かけました。
まず、ウサギはタヌキをドライブに誘い、
帰り道、車体後方のターボエンジンに火をつけました。
火を起こす「かちかち」という音を聞いたタヌキは、
「このかちかちという音はなんだい?」
「nitroglycerin」
290km/時まで加速したタヌキは、
そのまま湖に飛び込んで溺れてしまいました。
他の追随を許さないスピードで爆走するタヌキを見て、
「さよならも言わずに行っちまうのかい?」
ウサギは悲しげな眼で、静かにつぶやきましたとさ。







■ハイスピードかちかち山  2 Fast 2 Furious  

むかしむかしあるところに、畑を耕して暮らす、
おじいさんとおばあさんがいました。
二人の畑に、背中燃え盛るタヌキがやってきました。
おじいさんはタヌキを捕まえて、家に戻ると、
「おばあさん、タヌキ汁が歩いてきおったわ」
そういうと二人仲良くタヌキ汁を味わいましたとさ。







■ハイスピードかちかち山 The Fate of the Furious 

むかしむかし、おじいさんとおばあさんの畑に、
船尾のニトログリセリンで加速する泥舟に乗ったタヌキがやってきて、
曲がることを知らない暴れ馬は、そのまま湖に沈んでしまいましたとさ。






夜のテンションなので許してください

Q. トークライブ『タヌキ大学』って? A. タヌキとの対話だよ

2020-06-09 21:29:27 | 日記
極楽浄土へ至らんと、湯船に蓮の葉を浮かべ笑みを浮かべる皆さま。

そんな大事なときに失礼いたします。
けいおうタヌキ研究所です。

突然ですが、今月よりついに
読むタヌキ大学vol.1 信楽タヌキ概論』の販売が開始された。

去年から始まったトークイベント『タヌキ大学』、
その1限目の内容を、1冊にぎゅっとまとめた書籍がこちら。

ただ、
「そもそも『タヌキ大学』とは何ぞや?」
という方も少なくないと思うので。

今回は、『タヌキ大学』について紹介したい。



タヌキ大学とはなんぞ?

これは1限目の告知ポスター

タヌキ大学を一言で表すと、
【タヌキまみれのトークライブ】

タヌキ大学は、むらたぬきさん(@tetsuro5)と共に企画して、
2019年7月に記念すべき第一回を開催した。

むらたぬきさん
 街角狸マニアであり、タヌキグッズやタヌキソングを作られている。
 信楽タヌキというジャンルにおける私の大先輩


このトークライブの内容を簡単にまとめると

①タヌキオンリーのトークライブ
②毎回、様々なジャンルの「タヌキ」好きが登壇
③飲食店や書店のスペースで、気軽に参加可能
④「タヌキ」とは何かを、多角的に学べる


様々なジャンルのタヌキだの、多角的だの
「何を言っているのか」と思われるかもしれない。

ので、もう少し具体的に説明する…。


まず、イベントのテーマは、


"「タヌキ」の魅力を、あらためて掘り下げてみよう"


例えば、私も所属している『日本たぬき学会』。
例えば、SNS上のフォロワーさん。

そんな皆さまと「タヌキ」について話すとき、実は、たびたび思うことがある。

「タヌキ好き同士は案外話がかみ合わない」

何が言いたいかというと、「タヌキ」って、思ったよりも幅広いジャンルで、

・妖怪のタヌキ
・動物のタヌキ
・キャラクターのタヌキ
・置物のタヌキ

大雑把な分け方にはなるが、これらは全部違うタヌキ。

「タヌキ好き」といっても、
動物のタヌキが好きな人も、妖怪のタヌキが好きな人も
私のように、置物のタヌキが好きな人もいる。

タヌキ」という言葉は
ひとつのキャラクターを指しているわけではなく、
ジャンルそのものなのだ。

誤解を恐れずに言えば、
タヌキという言葉=ガンダム。

「俺、ガンダムが好きで~」

という会話になった場合、
すぐに熱い抱擁を交わすことはできないはず。

ひとえにガンダムといっても、
初代、Z、W、SEEDと様々な作品があるわけで。

「どのガンダムが好きですか?」

という質問が、ワンクッション挿入される。

タヌキも同じで、
「タヌキ好き同士仲良くしましょう!」
と、固く握手をする、その前段階には、
動物か妖怪か、どんなタヌキが好きかを確かめる過程が必要。

結局のところ、何が言いたいのかというと、

・「タヌキ」はジャンル
・タヌキ好きと言っても、いろんな方面のタヌキ好きがいる
・動物、妖怪、置物、それぞれのタヌキに異なる魅力がある

なので、毎回様々なタヌキ好きの方に登壇いただき、
自分が愛する「タヌキ」について語ってもらうことで、
今まで気づかなかったタヌキの魅力を、
あらためて学べるんじゃないかな、と思った次第。

すごく抽象的なことを言えば、
いろいろ視点から、いろいろなジャンルの「タヌキ」を知ることで、
今まで気づかなかった、「タヌキ」の魅力が見えるかも。
そんなことを願うばかり。



ここからは、実際に開催した1限目と、
次回開催予定の2限目をご紹介。



第1回(1限目)は何をしたの?



1限目のテーマは「信楽タヌキ」。
3名の登壇者が、それぞれ信楽タヌキの魅力を好き勝手語った。

(名前順)
・けいおうタヌキ研究所
  学生時代、信楽タヌキを中心とした歴史を研究
・むらたぬき氏
  全国の街角に置かれた狸写真を収集
  タヌキをテーマにした楽曲やグッズも制作
・たぬえ氏
  全国のタヌキスポットを網羅
  ブログの情報量は圧巻の一言

当日は、笹塚駅にあるバル「Flava Joint」さんに場所をお借りし、
店内でプロジェクターを投影しながらトークを実施した。

(参加者は、お酒とおつまみを片手に観ることができて、とてもうらやましい)


発表スライドの一例


発表後は、クイズ大会や質問コーナーを設けつつ、
イベント終了後もシームレスに懇親会を開催。


愉快なクイズの一例。たのしい。

決して、お酒のつまみにタヌキを嗜んでいたわけじゃないよ。

そんな1限目のトークの内容をまとめた書籍、
読むタヌキ大学も読んでね。(2回目の宣伝)




第2回(2限目)は何をするの?


そんな1限目に続く2限目も開校予定。

本当は今年の3月に開催を予定していたが、
新型コロナウィルスの影響で開催延期となった。

が、これを読んでいる皆さまは幸運です!
だって、これから2限目を申し込めるんですからね。

そんな2限目はどんなテーマかというと、

「~タヌキって、なんだ?~」

今回は、テーマを「信楽タヌキ」に絞りに絞った1限目と対照的に
「あらゆるタヌキ」を包括した回となる。

発表内容はこちら。

「タヌキ概論」 楽運犬 氏
「妖怪・憑き物としてのタヌキ~タヌキは本当は怖い?~」 猯谷狢太郎 氏
「ファインダーを覗いて気づいた『タヌキとは』について」 中村沙絵 氏
「人を惹き付ける狸とは。」 狸森泥舟 氏

タイトルから見てわかる通り、
登壇いただく4名の発表者は、全員「タヌキ」のテーマが異なる。

2限目は、7月以降に開催予定。
詳細が決まり次第、お知らせします!

タヌキにタヌキを掛け合わせたら、一体何が誕生してしまうんだ…?

無論、タヌキである。


ということで。

『読むタヌキ大学』の完成にかこつけて、
トークイベントの宣伝と、書籍の宣伝をする記事でした。

気になる方は、ぜひぜひイベントにご参加いただけると嬉しい。

なお、1限目の私の発表は、リモートでならいつでもできるので、
聞いてみたい方はぜひお声がけください。

信楽タヌキ非実在論

2020-06-04 00:37:01 | 日記
ちくわとハマグリを眺めては「これがシチリアの香りかぁ!」と喜びの声を挙げている皆さま。

お忙しいところこんにちは。
けいおうタヌキ研究所です。

ところで皆様、
信楽タヌキは存在しますか?

皆様が街で見かけた信楽タヌキは、
本当に信楽タヌキでしたか?

もはや、それがわからない。


新型コロナの影響で遠出ができない昨今。
それ以前の日常から大きく変わったのは、
散歩の機会が増えたこと。

地元の街って案外歩かないもので、
通勤ルートとは真逆の道を、ひたすら1時間歩き続きけるとか、
なんとなく橋を渡ってみたくなるとか、河川敷を散歩してみたくなるとか。
そういったことは、たぶんこんなご時世でなければ考えもしなかったことだと思う。

ただ、何度も散歩をしている中で思うこともあって。
どういうわけか、信楽タヌキが見つからない。

全く見つからないわけではない。
1時間も歩いていれば、1体や2体見かけることはできる。
ただ、それだけじゃ心が満たされない。

信楽タヌキは居酒屋や蕎麦屋の入口に置いてあることが多い。
小さいタヌキは民家の玄関前に置かれていることもある。

だから、目的のない散歩とはいえ、
「この通りはタヌキがいそうだな」
「あの商店街のお店はタヌキが置かれているかもな」
そんな風に、あたりをつけながら街を歩いている。

にも関わらず。
一向にタヌキが見つからない。

「こんなに愛が強いのに、どうしてタヌキは応えてくれないんだ」

初恋にして片思いに苦しむ少年がとる独り相撲のごとく
苛立ちにも近い想いを抱いていたそんな時、ひとつの考えが脳裏を掠めた。


この写真を見てほしい。

信楽タヌキがどこにいるかわかるだろうか。



答えは、いません!
そう、この写真にタヌキは不在。

でも、なんとなく感じたのではないだろうか。
タヌキがいそうな気配を。

そう、今回私が提唱したいのは、
信楽タヌキ非実在論

信楽タヌキとは空想の産物。
それらしい情景を前に、我々がタヌキをイメージしているのであって、
物体としてそこにタヌキは存在していないのだ。

そう考えると、すべてに合点がいってしまう。

Q.信楽タヌキがいそうな場所を歩いても見つからないのはなんで?
 ⇒ 信楽タヌキは存在しないからです!

Q.じゃあお店の前に置かれているタヌキは?
 ⇒ 我々がお店の景観に合ったタヌキを思い浮かべ、補完しているからです!

長年の疑問は、ついに終止符が打たれてしまった。

つまり、私がタヌキを見つけられなかった理由は、
タヌキが存在しないから。

人がタヌキを意識するとき、そこにタヌキは現れない。
タヌキへの意識が外れる、その時タヌキは我々の前に現れる。

それこそが、信楽タヌキの正体だったのである。



そんなわけはなく。
地元の街を駆け回ってもタヌキが見つからない悔しさを
どうにか吐き出したいこの頃でした。


タヌキに出会えなかった散歩の帰り道。
いつもこんな顔をしながら帰路につきます。

信楽タヌキの生息地にあたりをつける手法を編み出した方、
ぜひけいおうタヌキ研究所へ。