信楽タヌキにみる自由の世界

信楽タヌキを研究する、けいおうタヌキ研究所です。ブログでは信楽タヌキの楽しみ方や生態に焦点を当てたいと思います。

信楽タヌキの「ハゲ」事情

2020-05-25 23:20:35 | 日記
こんにちは、けいおうタヌキ研究所です。


こちらは電車に乗せられたタヌキです。


ところで皆さま。
信楽タヌキはハゲることをご存知でしょうか。


「いや、信楽タヌキに髪の毛なんでないじゃないか」
と思われるかもしれないが、
それでも信楽タヌキはハゲる。
ほんとだよ! だって私見たもん!


正確には、ハゲるタヌキいる。



ただ、ハゲるのは髪の毛ではなくて、塗装が、である。



おそらく、多くの方は信楽タヌキと言えば
こんな全身真っ黒な姿を思い浮かべると思う。

これはもちろん体に黒色の釉薬が塗られているから。
現在、大抵のタヌキは焼成前に釉薬を塗られるようで、


こんな風に、全身テッカテカの黒光りである。

が、作家によって、時代の流行によっては、
焼成後に色が塗られるタヌキも存在している。



そんなタヌキの一例。

なんとなく、違いがわかるだろうか。

焼成前に釉薬が塗られるタイプは、テカテカのツヤツヤであるが、
焼成後に塗られるタイプは、マットな仕上がりである。

ちなみによく見ると、全身すべての色が焼成後に塗られているわけではなくて、
例えば、上のタヌキでは服や徳利などは質感の違いから
焼成前に塗られていることがなんとなくわかる。


前に塗るか後に塗るか、
この違いは仕上がりに影響するだけではない。

話を戻せば、後者のタヌキこそ、ハゲるタヌキなのだ。


そんな一例をご紹介。


出ました。

毎度おなじみ、狸谷山不動院

またの名をハゲハゲタヌキユートピア


そんな中にいるタヌキ。

白い!

実はこれがハゲたタヌキ
元々は肌に当たる箇所に黒色の釉薬が塗られていたのが、
雨風に晒される中で次第に色が落ち、
色白なタヌキとなるのだ。



これもハゲたタヌキ。
なんとなく、毛並みの筋に黒色の釉薬が残っているのがわかると思う。


実は私はこんなハゲたタヌキたちが大好きだ。

長い年月の中で風化したタヌキたちは、
生まれたてのタヌキとは異なる味がある。

ジーンズの色が変化していくのを楽しむように、
タヌキの変化を眺めるのも、また楽しい。


ちなみに、同じお寺でも、
焼成前に釉薬が塗られたタヌキはもちろん色落ちしない。


ハゲタヌキ


ハゲかけタヌキ


ハゲハゲタヌキ



最初期の頃のタヌキは、焼成時点からこの色


おみやげ屋さんで売っているタヌキは
大抵焼成前に色付けされたものなので、
なかなかこうしたハゲるタヌキに出会える機会は少ないかもしれない。

もし出会ったら何かの縁だと思って、
「今からお前を自分色にハゲさせてやるからな」
と愛情をたくさん振りまいてほしい。

もちろん、テカテカタヌキも可愛いので
同じくらい愛でようね。

以上、月に2度はごっそり毛が抜ける夢を見る、
けいおうタヌキ研究所でした。

勝手に信楽タヌキが増える謎の場所 信楽タヌキ紹介#4

2020-05-24 22:58:15 | 日記
こんにちは、けいおうタヌキ研究所です。


こちらは真顔で見つめてくるタヌキです。


突然ですが、ある日いきなり自宅の玄関に
信楽タヌキが置かれていたら、怖くないですか?

私は怖いです。

今回は信楽タヌキ紹介第4回目だが、
どちらかと言えばタヌキ本体というよりは、
一緒考えてみてほしい謎についての紹介となる。

題して、
【誰が、どこから、なんで持ってきた? 突如出現した信楽タヌキの謎】


今回の舞台はこちら


毎度おなじみ、狸谷山不動院

私の卒業論文のテーマでもあるお寺なので、
もし興味がある方は、こちらから卒業論文や資料をご覧ください。


このお寺は、お寺の方に許可なく
参拝者が勝手にタヌキを持ってきて、勝手に置いていってしまう場所だ。
現在タヌキの数はおよそ350体にも及ぶ。

対して、お寺側は基本的に放置の姿勢で、
タヌキを撤去することもなければ、基本的に並べ替えたり磨いたりすることもない。

そんな、タヌキが勝手に増えたり減ったり移動したりするお寺…。


学生時代、卒論テーマだったこともあって
何度も夜行バスで京都に行ってはこのお寺を訪ねていたのだが、
2017年の10月ごろにお寺に足を運んだ際、
こちらのタヌキ達を見かけた。





変なところにタヌキが増えている!

この2体のタヌキは、お寺に向かう道中に増えたタヌキだった。


先ほどのこちらの写真はお寺の入り口にあたる場所で、
今まではこの場所より手前の道には信楽タヌキは置かれていなかった


が、10月にお寺を訪ねると、なんとその手前の道中にタヌキがいるではないか。

特に気になったのは2枚目のタヌキ
初めは上の写真のように、道脇にひっそり置かれているタヌキだったのだが…




11月ごろ、改めてお寺を訪れると、
なんと看板の手前、かなり目立つ位置に移動していた



狸谷の看板の手前に立ち、まるで自分の場所だと主張するかのように
こちらをにらみつけているかのよう。


一体どうして、こんな場所に…。


この2体のタヌキについては、様々な疑問が浮かんでくる


①いったい誰が、このタヌキを置いたのか?
②なぜ、道中にタヌキは置かれたのか?


今まで、このお寺においてタヌキは、
ある程度決まった場所にのみ置かれていた

お寺が決めたわけでも、参拝者の中でルールがあるわけでもないのに、
先ほどの入り口の場所のように、
タヌキは一部のスペースに固まって置かれている。

だから、今までは道中にタヌキが置かれることも
本堂にタヌキが侵入していくることもなかった。

が、今回のタヌキはそうしたある種の暗黙の了解を破り、
道中に置かれている…。

今まで道中にタヌキが置かれていなかったことも不思議と言えば不思議だが、
なぜ敢えて道中という新しい場所にタヌキを置いたのか気になって仕方がない。



③どこから来たタヌキなのか?

これらのタヌキが参拝者によって新たに持ち込まれたのか、
もともとお寺にあったタヌキが移動してきたのかも気になるところ

手がかりとしてあるのは2体のタヌキの風化具合で、
色の落ち具合、苔の蒸し具合がお寺にいる他のタヌキ達と酷似している。



お寺のタヌキの一例

場所や気候によって生じるタヌキの風化具合の差異については
私はほとんど把握できていないため、
風化具合なんてどこでも同じということであればそれまでだが…。

外見的特徴の類似性で言えば、お寺にもともとあったものが
参拝者によって道中へ移動された、という可能性が高そう。

だが、もともとお寺にいた説を肯定する場合、
ここでもう一つ疑問が生まれる。


④お寺のどこにいたタヌキなのか?

私はこのお寺にいるタヌキ約350体を一体一体、すべて写真に収めていた。
(土に埋まったタヌキや参拝道から見えないタヌキは
 観測できていないかもしれないが)

何度もお寺を訪れ、タヌキを観察し、撮影までしているのに、
道中の2体のタヌキについては、今までお寺で見かけたことがない

1枚目の小さなタヌキは比較的オーソドックスなスタイルなため、
もしかしたら元々お寺にいたことに私が気づけていなかった可能性もある。

だが、2枚目のタヌキは表情も手にする道具も特徴的で、
大きさも1枚目と比べれば大きく、
もともとお寺にいたのならば気づかないはずがない。

そのため、あくまで私の経験からくる推測に過ぎないが、
2体のタヌキは元々狸谷には置かれていなかった、と考えている。

となると、じゃあ風化具合が他のタヌキに似通っている原因は?
という疑問が解決できない。

考えられる説としては、

(1)もともとほかの場所で野ざらしにされていたタヌキが持ち込まれて、
 たまたま狸谷のタヌキと近い風化具合だった
(2)狸谷に以前から置かれたタヌキだが、
 誰も気づけない場所にこっそり置かれていた。
(3)かつて狸谷に置かれていたタヌキを誰かが一度持ち帰り、
 2017年10月ごろにお寺に返した

皆さまはどの説が正しいと感じるだろうか。
あるいは、別のストーリーも考えられるだろうか。


謎多き狸谷山不動院において、
研究後半になって新たに生まれたこの疑問、
ぜひ今後解決していきたいところ。

ということで、今回は魅力多きお寺狸谷山不動院における
疑問の1つを紹介させていただいた。

皆さま、一緒にこの謎を解決してみませんか。
これらタヌキが持ち込まれたストーリーを考え付いた方、
ぜひぜひご連絡ください。

タヌキ童貞を捧げた、初めのタヌキ 信楽タヌキ紹介#3

2020-05-17 19:57:25 | 日記
こんにちは、けいおうタヌキ研究所です。



こちらはタヌキを売るタヌキです。


今回は信楽タヌキ紹介第3回目ということで、
個人的に好きなタヌキ、思い入れ深いタヌキの中から1体を紹介したい。

紹介というよりは日記に近い文体ですがご容赦を…。


けいおうタヌキ研究所活動開始のきっかけタヌキ


けいおうタヌキ研究所として活動開始してから、現在3年が経っている。

活動のきっかけは、
学生時代の卒業論文テーマが信楽タヌキに関わる内容だったから。

(そんな背景もあって、現在に至るまで
「研究対象だった」が故のかたっ苦しい情報発信を続けている)

そのため、「私と信楽タヌキとの出会い」ということであれば、
大学2年生の9月、つまりは4年半ほど前になるだろうか。

ちなみに話は逸れるが、
けいおうタヌキ研究所は当初「慶應タヌキ研究会」という名前で、
twitter上でのみ存在する偽サークルという位置づけだった。
が、次第に「信楽タヌキを多くの人に知ってもらう」ためのツールとして考えるようになり、
サークルという設定を壊して現在に至った。


話は戻り、そんな大学2年生の頃に出会ったタヌキを紹介したい。


こちら。このタヌキに私はタヌキ童貞を奪われました!

至ってオーソドックスなスタイルのタヌキ。
強いて違うところを挙げるとすれば、比較的サイズが大きいことかナ

記憶が正しければ、このタヌキは上井草駅の居酒屋の入り口で見かけた。


実は、それまでの人生で信楽タヌキに注目したことはなかった。
そもそもこれがタヌキだということを知らない時期もあったし、
姿かたちに疑問を持ったこともなかった。

が、この時はサイズが大きく目立っていたせいか
妙に気になって写真を撮影していたらしい。

(らしいというのはあまり当時の記憶がないからで、
 どんな感情で写真を撮ったのか覚えていない)


この日は写真に収めただけだったのだが、
後日、「なんでこのタヌキはこんな姿なんだ?
という疑問が頭の中を支配した。


よくよくこのタヌキを見てみると…

  • 顔がタヌキっぽくない (人間、特におじさんや子供に見える)
  • なぜか二足歩行で腹が出ている
  • 徳利を持ち笠を被っている
  • きんたまが大きい

などなど、疑問だらけ
その上、なぜだか居酒屋の前に置かれていることが多いのも不思議。

そこで、インターネットや書籍で調べてみると、
意外にも歴史が面白い。

しかも、歴史はある程度詳しくまとめられてはいるけれども、
信楽タヌキに関する研究論文は非常に少ない。

ということで、当時歴史系専攻だった私は
もっとタヌキを掘り下げてみたい」という興味と、
信楽タヌキ研究の権威を目指せるのでは」という邪な感情から
研究テーマとすることにした。


そんな初タヌキを改めてみてみると


やっぱり、まさに基本形なタヌキ

信楽タヌキという言葉から、
大半の人はこのタヌキをイメージするんじゃなかろうか。


このタヌキに出会うことがなければ、
今頃タヌキの研究はしていなかったかもしれない。

たぶん0カロリーを免罪符にコーラzeroを毎日飲むことに生きがいを感じる人間になっていたはず。


なので、このタヌキには感謝の意を表し続けたい。

このタヌキがいるであろう上井草駅の方角に足を向けて寝られないし、
起床後のルーティンとしてこのタヌキへの「祈り」を欠かす日はない。
「1日たった1度の祈りで人生を豊かにする方法」という高額な情報商材を
皆さまに提供して、この幸せをシェアしたい。

コロナが明けたら、まずはこのタヌキに会いに行くところから始めようかな。
今回はそんな、私が初めて出会った(初めて認識した)信楽タヌキの紹介でした。

最後に。

ぜひ、この機会に皆様のタヌキ童貞を奪った「初めのタヌキ」も教えてください!

街に生息する信楽タヌキの図鑑が作りたい 信楽タヌキ分類計画#1

2020-05-11 23:32:00 | 日記
こんにちは、けいおうタヌキ研究所です。


こちらはタヌキタヌキタヌキタヌキタヌキタヌキタヌキタヌキ(処理落ち)



突然ですが、街に生息する信楽タヌキの図鑑が作りたい。


散歩中見かけた花やキノコを図鑑で探した経験

生息地や習性が詳しく解説された図鑑を一日中眺めていた経験

図鑑に載っていた生き物を町中探し回った経験


皆さんきっとあるのではないでしょうか。
信楽タヌキでも、そんな図鑑が作りたい。


信楽タヌキにリエーションが豊富なことは意外と知られていない。

が、そもそも街でタヌキに注目する人が少ないため、
信楽タヌキの扱われ方が幅広いことはもっと知られていないはず。

例えば、同じ縁起物でも招き猫やダルマを雑に扱う人は少ない。

一方、



お店の前に看板代わりに置かれることはもちろん


コスプレをさせられたり


お寺でお賽銭を集めたりすることも


信楽タヌキの扱われ方は本当に幅広い。

唯の置物として置かれることも、縁起物として飾られることも、
園芸品として花壇に並べられることも、ご神体として神社に祀られることも…。

そんな、場所によって、人によって扱われ方の変わる=生態の異なるタヌキ達


図鑑でまとめられたら面白んじゃないかな

と思った次第。


ということで、



信楽タヌキ分類表Ver0.1を作成しました。

横軸、縦軸はまだまだ検討の余地があるが、今回は下記のように定めてみた。

■横軸 外⇔内
こちらは言葉通り、家やお店の中にあるものは「内」、そこから離れていくほど「外」になる。

まだ定義はあいまいだが、

民家・店⇒公共施設⇒神社⇒山道
といった具合に、「外」に近づくほど所有者の建物から離れた場所になる。

山道まで行けば、もはや誰の所有するタヌキかもわからない。
ある意味横軸は「所有者とのつながりがどれほど強く可視化されているか」ともいえるのか?

■縦軸 そのまま⇔独創
こちらはタヌキを置いた人の関与具合を表している。

例えば「そのまま」側の例としては、タヌキをただ置くだけ。
飾りつけをするわけでもなく、庭や店頭に置くのみ。
いわばその場所自体が主役なのである。

一方で「独創」によるほど、所有者のタヌキに対する関与が大きくなる。

福を着せる⇒専用スペースに飾る⇒タヌキのための場所を作り上げる

といった具合に、「独創」によれば寄るほど、
タヌキの主張が激しくなっていくイメージ。
(これ書いていて思いましたが、「独創」より「関与」の方が適切ですね…)



つづけて、ここに実際のタヌキたちを主観的に当てはめてみた。



それぞれのタヌキの特徴は後述するとして、こうして当てはめてみると、
なんとなくグループ分けができる気がした。



こんな具合に。

言葉だけだとイメージが湧かないと思うので、順に解説していこう。


■タヌキをアピール



こちらは北海道で見かけたタヌキ。

【内】と【独創】に寄ったタヌキは、「タヌキをアピール」グループ。

お店や民家がその場所であることを前提としつつ、
お店を目立たせるため、インパクトを与えるため、
あるいはタヌキへの愛を表現するために、
タヌキの存在を強くアピールする。

例としてはタヌキにコスプレをさせる、タヌキを飾る専用スペースを用意する、
タヌキを建物の壁に埋める、などなど…。


■タヌキは脇役



【内】かつ【そのまま】の傾向にあるタヌキは「タヌキは脇役」に分類。

このグループのタヌキはかなり幅広い。

基本的にコスプレや専用スペースのような所有者の関与はなく、
ただ置かれているだけのタヌキ、という点は共通しているが、
お店の看板的な役割として、家族として大切に飾られることもあれば、
野ざらしにされたり、放置され風化するばかりだったりすることもある。

■タヌキが主役


こちらは有楽町駅地下連絡通路にあるのぽん太の広場。

【外】かつ【独創】寄りのタヌキは、「タヌキが主役」グループに分類される。

このグループの特徴としては、
お店を目立たせるためにタヌキを置く、商売繁盛のためタヌキを置く、
といった目的とは反対に、
タヌキのために場所を用意する=タヌキが場所の主役になっている。

タヌキをご神体にしている神社もこのグループに該当するかも。

■タヌキが存在


こちらは高水山へ向かう道中で見かけたタヌキ。

【外】かつ【そのまま】に寄ったタヌキは「タヌキが存在」に分類される。

このグループには、
山道や路地裏といった人目につかないような場所で、
なぜ置かれているか、誰が置いたかわからないようなタヌキが多い。

ただただ、そこに生息している、存在しているタヌキなのだ。



といった具合に、
まずはver.0.1として分類図とグループ分けを行ってみた。

が、こうして記事にしている中で
やはりまだまだ検討が不十分であることに気づかされる。

例えば、横軸【外⇔内】という定義はかなりあいまいで、
路地裏、公園、駅構内、電車の中といった場所があるとき
どういった順番で【外】に寄るのか、判断が難しい。

また、縦軸【そのまま⇔独創】では、グループの複雑化が必要だと気づかされる。
タヌキにゴムホースを巻き付ける、タヌキを土に埋める
園芸品として花壇に並べるなどは現状【独創】に分類されるが、
こうした扱い方は「タヌキをアピール」グループに該当するものとは考えにくい。

ということで、今後は縦軸横軸の再検討と、グループの複雑化によって
より詳細な分類図を作成していきたい。

そして…


こんな感じのタヌキ図鑑を完成させてやるのだ。

タヌキ分類図、タヌキ図鑑に興味のある方、
ぜひけいおうタヌキ研究所へ!