僕が赤塚不二夫先生のファンになって、そろそろ15年になる。
具体的に「この日」というのはさすがに覚えていない(というか、そんな日が実際にあるわけでもないだろう)が、だいたいこのくらいの時期だったことは間違いない。
もう、15年なのだ。既に、人生において赤塚ファンとして過ごした期間の方が、ずっと長くなっているのだ。
リアルでもネットでも、僕の代名詞として認知されているコンテンツが、赤塚不二夫作品だと言っていいと思う。それほどに、赤塚作品の、赤塚先生の存在は、僕の中で大きい。
今回は、赤塚ファンとしての自分について、語ってみたい。
僕が赤塚ファンになったのは、赤塚先生の死去の直後くらいにあたるが、それがきっかけになったというようなことはなく、赤塚先生の死去と僕が赤塚ファンになったことには直接の関係はない。
…と思っていたが、深層心理としては、赤塚先生の死去が、僕が赤塚不二夫という存在に意識を向ける要因になっていたのかもしれないと、今になって思う。
これは結構重要なポイントだが、僕が本格的に赤塚ファンになったのは15年前だが、突発的に好きになったわけでもなく、それ以前から素質は十分すぎるほどにあったように思う。
昔のアニメや子供番組等には興味があったし、懐かしのアニメとか声優の番組を見るのも好きだった。この辺りは、おそらく父の影響が強いのではないかと思う。
あとは「ドラえもん」は小さい頃からずっと好きだったのもある程度関係している。ドラえもんから藤子先生や藤子作品、ひいてはトキワ荘についての情報も把握するようになった。
先生の死去が新聞の一面で報じられていた時も、赤塚ファンになる前ながら「あ、この人知ってる」と思った。
ほかにも思い当たる要因は多々あるが、とにかく赤塚ファンになるポテンシャルは大いにあり、それが解放されたのが15年前と解釈できるのだ。
15年前というと、インターネットを使い始めてまもない時期だった。そこで、円谷作品だったり、「およげ!たいやきくん」だったり、昔のアニメだったりといった動画を見るようになった。
その中に、赤塚アニメの動画もあったのだ。この時点では本編はほぼ見ていないが、この時よく見ていたものとしてよく覚えているのが「おそ松くん」のOPだ。それ以前から存在については把握していた「おそ松くん」について、大まかな世界観やキャラクターについて知ることができた。
この後、赤塚ファンになるきっかけとして最も大きいと考えている本に出会うのである。それが、「赤塚不二夫のさわる絵本」(「よーいどん!」と「ニャロメをさがせ!」の2冊)である。
先に述べたように「おそ松くん」などキャラクターについては動画の影響もあって既に覚えており、そんな中で学校にそのキャラクターたちの登場する本があるという情報を得る。そして、実際にその本を手にして読んだら、もう虜になってしまったのだ。あの時、僕の人生は、大きく動いたと思う。
そしてその次に、僕の高ぶる気持ちをもう止められなくしたのが、図書館で母が見つけてくれた傑作選、「全員集合でオールスターなのだ‼︎」である。派生絵本から、本家たる漫画の世界に足を踏み入れたのだ。おそ松、ア太郎、バカボンという赤塚ギャグ主要3作品をいっぺんに楽しむことができた。
こうして、僕の「赤塚作品好き」は本物、抜け出せない域に落ち着いた。僕は小さい頃から絵を描いたりといった創作も大好きだったが、それまでの題材が「たまごっち」だったのが、赤塚キャラメインにすっかり塗り変わった(厳密にはしばらくは赤塚キャラと藤子キャラの共演した漫画を描いていたので、完全に赤塚キャラメインになるのは14年前の春頃からになる)。
そうして、僕は赤塚先生のファンとして、15年間過ごしてきた。
ここで、これまでの15年間を、大雑把に振り返ってみよう。細かい部分までいちいち語るとキリがないので(具体的な時期を覚えていない件もちらほら)、できるだけ大雑把に。
2008〜2009年:ファンなりたてホヤホヤ。図書館にあるムックや傑作選を読みあさったり、たまには買ったり、動画を見たり。2009年末には「もーれつア太郎」が竹書房文庫で揃う。
2010年:春から夏にかけて、「もーれつア太郎」の有料動画を観始める。昭和版、平成版とも、ピックアップしつつたくさん観た。
2011年:1月に「レレレの天才バカボン」DVD購入。完全に全話視聴した初の赤塚アニメとなる。秋には「平成天才バカボン」も購入。竹書房文庫の「天才バカボン」も読み進める。
2012年:再放送にて「ひみつのアッコちゃん(第3作)」「元祖天才バカボン」全話視聴。竹書房文庫「おそ松くん」を読み進める。
2013年:復刊ドットコム「レッツラゴン」を読み進める。
2014年:「天才バカボン」「元祖天才バカボン」リマスター版DVD購入。2011年から買い進めていた「ア太郎」DVDもここで4巻分揃う。
2015〜2016年:「天才バカヴォン」も観たが、なんといっても「おそ松さん」登場は大きかった。色々思うところもあるが、良いことも少なからずあったのは間違いない。また配信や電子書籍・DVD購入などで「おそ松くん」の方の世界も広がった。2016年には「ひみつのアッコちゃん」の電子書籍を購入、ここでようやく本格的に読み進める。
2017年:「B.C.アダム」を読む。赤塚オフに初参加。
2018年:「深夜!天才バカボン」や舞台「もーれつア太郎」。「ひみつのアッコちゃん(第1作)」のDVD上巻を購入。
2019年〜:2020年あたりに「ギャグゲリラ」電子書籍一括購入。まだ読み進めている。
とまあ、だいたいこんな感じだ。年が経つごとに新鮮な出来事が減っているのはご愛嬌だが、好きな気持ちはずっと変わらない。
15年も赤塚ファンをやっていれば、さすがに相当な量の作品を確認済みになっている。特に、おそ松・バカボン・ア太郎の3作品については、漫画もアニメも一般発売・公開されているものについてはほぼほぼ見ている。
しかし、やはりまだまだ未見の作品も多い。漫画、アニメ、自伝など、購入済みのまま全て見るのにかなり時間がかかってしまっているものもかなりある。年々好きな作品が増えると赤塚作品にばかり専念もできないためやむを得ないとも言えるが、気持ちとしては早く読破・視聴したい。
未見の作品がまだまだ残っているということは、未知の領域・ワクワクがまだまだあるということで、まだまだ赤塚ファンとしての楽しみが残っているということだ。これからも、楽しんでいきたい。
改めて考えても、赤塚作品は僕にとって大事な存在だ。こんなにもスピリッツが自分好みな作品というのもそうそうないと思う。もはや運命と言ってもいい。
これからも僕は赤塚ファンであり続けると思うが、現状のままでははっきり言って赤塚作品の未来は明るくないだろうとも思う。特に、フジオプロさんにはもっとしっかりしてもらいたい(フジオプロの良くない面は複数あるが、今のフジオプロがどういう人たちかがよくわかる案件があるので、気になる方はこのブログの過去記事を読んでください)。
それでも僕が赤塚作品を好きな気持ちは本物だし、この作品たちを、世界を、赤塚先生の偉業を語り継ぎたいと思っている。そのために、ファンとしてできることをしていきたい。
さて、赤塚ファン15周年の節目に記事をまとめてみたが、それらしき内容は書けただろうか。
もっと知りたいことがあったら、遠慮なくお聞きください。