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バカボンのパパの年齢は?

2021-10-23 19:09:43 | 赤塚不二夫
バカボンのパパの年齢といえば、多くの人が「41歳」と認識しているだろう。

アニメ「元祖天才バカボン」の2代目ED、「元祖天才バカボンの春」にある「41歳の春だから」の歌詞はあまりにも有名だ。

しかし、意外に知られていないのだが、実際の作品中を見てみると、一概にそうとも断言できないのだ。

今回は、バカボンのパパをはじめ「天才バカボン」の登場キャラクターたちの年齢について、考察・整理してみたい。

尚、以前の記事にて、天才バカボンにおける過去のエピソードはどこまで信用できるものなのか疑わしいという旨のことも書いたが、ここではそうした過去編も貴重な資料として考察のため活用するものとする。
また赤塚不二夫公認サイトでは、「バカボン世界では不思議な時間が流れており年齢の概念が我々とは違う(要約)」として曖昧にされており、かつそれ以前にそもそもギャグ漫画に真面目な考察は野暮と思われるかもしれないが、そうはいっても個々に別々にキャラクターが存在する以上設定も各々に存在するはずで、作中でそうした設定がどのようになっているか明らかにするのが本稿の目的である。



バカボンのパパ
→41歳または、45歳。さらに違う説もあり⁉︎

冒頭に書いた通り、「元祖天才バカボンの春」にて「41歳の春だから」という歌詞があり、作詞も赤塚不二夫先生本人によるものである。
しかし、原作・アニメ通して、本編中にバカボンのパパの年齢として「41歳」という数字が出たことは(少なくとも自分が確認できた限りでは)一度もない。

一方で、原作の「ダジャレ特集6本立てなのだ」(週刊少年マガジン1973年10月7日42号、竹書房文庫第15巻、ebookjapan第18巻)で占い師に年齢を尋ねられた時パパは「45歳」と答えたことがある。

「10本立て大興行」(週刊少年マガジン1972年12月3日51号、竹書房文庫第12巻、ebookjapan第15巻)のうちの1本「パパの履歴書」でも、(全体的に支離滅裂な内容ではあるが)最終的に落ち着いた年齢が「45歳」となっている。


先に少し触れたが、赤塚不二夫公認サイトの「よくある質問」のコーナーではまさに「バカボンのパパは、何歳ですか?」という質問がある。実際にそちらを見てほしいが、記述としては「41歳」という設定を断言もしていないが、半分認めていると解釈しても問題はない回答となっている。
また先述の「パパの履歴書」や、赤ちゃん時代のエピソード(「わしの天才がバカになったのだ」(週刊少年マガジン1972年1月9日2号、竹書房文庫第10巻、ebookjapan第12巻))を見るに、パパが昭和元年生まれであるのはほぼ間違いなく、そうなると連載開始の1967年時点でちょうど41歳になることになり、辻褄が合うのも確か。
後述のママの年齢から言っても、パパは41歳の方が自然になる。
45歳は裏設定的なものとして捉えればいいだろう。
8までしか数を数えられないパパが正確に自分の年齢を数えられるのかというのも怪しい

はっきり個人的な考えを言うと、今やパパの年齢は「41歳」というのが浸透しすぎており、今更「45歳」として訂正するようなこともないだろうと思う。41歳を否定するだけの十分な証拠も、45歳を肯定するだけの決定的な証拠もないし。

…ややこしくなるのが「クラスメートルの合いことばなのだ」(週刊少年マガジン1972年3月5日11号、竹書房文庫第10巻、ebookjapan第12巻)である。これによればパパは28年前にバカ大の3年生だったという。大学3年生というと概ね20〜21歳となるから、28年経てば48〜49歳になる…。
しかしまぁこれも、この28年というのは横井庄一氏が28年間ジャングルにいたことに因んでいるに過ぎないので深く考えない方がいいのだろう。

バカボン
→小学生。一応、5年生が有力。

バカボンは学校生活が描かれることは極端に少ないものの、小学生である。学校から帰ってくるシーンや宿題をやっているシーンがあり、またバカボンの担任の先生も色々出てきてギャグの題材となっている。
学年に関しては一応明確に数字が出ており、五年生のようだ(「天才バカボンの3本立てなのだ」(週刊少年マガジン1973年9月2日37号、竹書房文庫第15巻、ebookjapan第17巻))。

「なぜか見えない再会なのだ」(週刊少年マガジン1972年5月7日20号、竹書房文庫第11巻、ebookjapan第13巻)では10年ぶりに会いに来たパパの親友がバカボンを見て「大きくなったなあ‼︎」と感動するシーンがあり、ここからも少なくとも10歳以上であることは裏付けられる。

アニメ「平成天才バカボン」でもバカボン本人が「4年前から学校に通っている」と語っている(第14回Bパート「よってないけどヨッパライなのだ」)。4年生と錯覚しそうになるが、ちゃんと数えればこちらも5年生となる。

ただし、劇中に登場する宿題の内容などは、5年生のものとして統一されているわけでもないようだ。赤塚不二夫公認サイトでは、時によって変わるものとして大雑把に小学生とのみ回答している。

また、「天才バカボン」アニメ第1作では、3年生で統一されている。

バカボンのママ
→多分、パパより年下。あるエピソードによると、39歳。

ママは、パパとの馴れ初めエピソード(「わしの初恋の若さなのだヤマちゃん」(週刊少年マガジン1971年11月21日48号、竹書房文庫第9巻、ebookjapan第11巻)等)でセーラー服を着て「黒百合女学院」に通う様子が描かれており、この時高校生ほどだとすれば同時期にバカ田大学の学生だったパパよりも少し年下ということになる。

少年マガジン掲載時代には具体的な数字は最後まで出なかったようだが、「平成天才バカボン」放送時に掲載された「まごがほしいのだ‼︎のまき」(コミックボンボン1990年7月1日号、ebookjapan第36巻)では「39歳」と語られている。
この設定にどこまで効力(?)があるかは定かではないが、作品全体に適用しても矛盾はないと言っていい。
そして少し話が戻るが、ママが39歳とすればやはりパパは41歳の方がより自然だ。

尚、アニメ「元祖天才バカボン」の第79回Aパート「恐怖の無責任先生」ではママは一度32歳と自称しているが、こちらではパパも30代でないと辻褄が合わなくなるなど、信憑性は低めだ。

ハジメちゃん
→生まれた時(0歳)から登場し、最終的に4歳まで成長。

連載開始直後はハジメちゃんの誕生までの様子が細かに描かれたらのち、序盤にて誕生する。つまり当初はハジメちゃんの年齢は間違いなく「0歳」である。
これは同じく誕生の様子が描かれたアニメ第1作でも同様。
その後もしばらくは「はいはい」をするなど赤ちゃんとしての状態が続いたようだが、「歩きはじめたハジメちゃん」(週刊少年マガジン1968年1月28日5号、竹書房文庫第3巻、ebookjapan第3巻)で歩けるようになったあたりから曖昧になったようで、「天才バカボン 88ページ特集」(月刊少年マガジン1975年11月号、竹書房文庫第19巻、ebookjapan第23巻)のうちの1本「バカなパパをもったママのないてあかした100日間なのだ‼︎」にて、ママの友人・ヤッちゃんから年齢を尋ねられてハジメ自ら「4つ」と答えており、最終的には4歳まで成長したということになる。

「元祖天才バカボン」以降のアニメでもハジメは最初から歩ける状態で登場しており、また赤ちゃんらしい描写も特には見られず、ほぼこの「4歳」(あるいはそれに近い年齢)という設定に準じているとみていい。

ハジメが成長している中周囲のキャラには特に変化がないのは不思議といえば不思議だが、これは設定の調整であり漫画ではよくある話だろう。
赤塚不二夫公認サイトに書かれている、不思議な時間の流れというのはこういうことなのだろう。

目ン玉つながりのおまわりさん
→詳細不明だが、パパより数歳年上と思われる。40代半ば〜50歳くらい?

目ン玉つながりのおまわりさんは出番が多いわりに個人としてのキャラが掘り下げられることは意外に少なく、年齢についても詳しいことは確認できていない。
手がかりとして、「わしの天才がバカになったのだ」(週刊少年マガジン1972年1月9日2号、竹書房文庫第10巻、ebookjapan第12巻)でパパが赤ちゃんだった頃に幼児ほどに見える彼の姿が確認でき、パパより数年年長であることがうかがえる。

レレレのおじさん
→諸説あるが、70代ほどと考えれば問題ない。

詳細は以前の記事を見てほしいが、レレレのおじさんの経歴は割と不思議。とはいっても、最も優先すべきは50年前に結婚してたくさん子供を作ったという設定だろう。そうなると本編中では推定70代ほどだ。



以上、バカボンの主要キャラの年齢について、ざっとまとめてみた。いかがだっただろうか。
もし、ここに書かれていない有力な情報などがあれば、ぜひ教えていただきたい。


殆どの人は、「バカボンのパパは41歳」という設定に何の疑いも持っていないと思う。書いた通りこれは間違ってはいないのだが、より詳細な正確な情報というものは、知られていないものなのだ。そうした情報をこうやってブログにて少しでも広めることができれば、僕はとても嬉しく思う。