田中正造に学ぶ会・東京

真の文明は山を荒らさず、川を荒らさず、村を破らず人を殺さざるべし!

「知識」の「識」の衰退

2013-11-03 10:34:45 | 教育
嗚呼!これも時代の産物であるかと慨嘆を繰り返したのは、
先の朝日新聞に虫さわれない・マッチ使えない…
都会っ子先生、特訓中」の記事を読んだからだ。
 
【虫が触れない、マッチでうまく火がつけられない……。
最近こんな新人教師が多いとして、東京都教育委員会が
小学校教員の内定者に理科の苦手克服講座を開いている。
始めた昨年は任意参加だったが、今年はほぼ全員を対象にする。
各地の教委も試行錯誤している。

東京都江東区の区立南陽小学校。
「見るのはいいけど、触るのはちょっと……」。
教員1年目の小薗美穂教諭(22)は、担任の5年生の教室で
水槽のザリガニを見ながら苦笑いした。
大人になり、生き物がどんどん苦手に。
児童はカエルやカマキリなどをつかまえてくるが、
飼育は児童に任せている。
大学では講義が中心で、生き物を扱う理科の観察の
実習はほとんどなかったという。

ザリガニは、周囲の少ない自然環境を少しでも補おうと、
学校が購入し、各教室に配った。
同校の教員33人は平均36歳で、飼育に戸惑う人も。
伊藤秀一校長は「都会育ちで自然体験が少ない教員が増えた。
ふれあいを通して、生き物を大切に思う気持ちを
先生にも持ってもらいたい」と話す。

理科が苦手な教師が増えているという話を
校長らから聞いた都教委は昨年、都内の公立学校で採用する
教師の内定者を対象に、理科の苦手克服講座を始めた。
年1回開催し、大学教授らが実験のやり方を教える。
東京都日野市の多摩動物公園でカマキリの捕まえ方を学び、
カブトムシの幼虫を手にのせたり、
モンシロチョウに蜜を吸わせたりした。
虫に触れるようになった参加者もいた。

■「理科苦手」増える
小学校の教員に理科を基礎から教える取り組みは広がっている。
「電気」の項目で乾電池を手に持つよう促すと、
「感電しないか」と不安がる教員もいた。
講師の一人は「乾電池を持ったこともないのか」とあきれたという。

福島県教委も今年3月、県内の公立小中学校に
理科の指導DVDを配った。
「マッチのすりかた」「星座早見盤の見方」
「電流、電圧計の使い方」など、11の基礎知識が1時間で見られる。
県教委義務教育課の担当者は「マッチも使えない若い先生が
ここ数年、顕著に増えた。
こういう先生が増えると実験離れが進む」と懸念を示す。

文部科学省の外郭団体・科学技術振興機構が10年、
国公立51大学で小学校教員を志望する文系学生217人に
アンケートしたところ、理科の指導項目で「自信がない」
「やや自信がない」と答えた割合は、マッチ・
アルコールランプのつけ方11%▽虫眼鏡の使い方27%
▽動植物の野外観察46%▽チョウの飼育67%だった】。
【中村真理、前田大輔】
 
自然体験などが希薄でも授業で教えることはできる。
だが、教育で大事なのは教え育む事ではないだろうか。
机上の論を振り回して教えるよりも「育む」に
重点を置かれなくてはならないと私奴は考える。
 
「知識」の「知」に長けた人たちは、
確かに素晴らしい才能を開花させている。
インターネットとテレビの融合とか言って、
あたら会社を掻き回した御仁も居た。
金儲けして何が悪いのですかと
豪語したツワモノも記憶に残る。
 
金儲けには上手になったが、企業の社会的責任の
「徳」を考えると首を捻らざるを得ない。
 
「知」の偏重で、肝心要の「知識」の「識」が
欠けていたのではと思いやる。
「識」とは物事を正しく判断する力であると言われる。
学級内で「イジメ」が表出した時に「暮らしの体験」がないと
個々の人間が見られないのではと思ってしまうのだが。
 
 


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