えつこのマンマダイアリー

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晩秋の里山2013 ~飯能の竹寺~

2013年12月19日 | 里山・風景

 

 11月初めのことで恐縮ですが、埼玉県飯能市にある竹寺(八王寺)を訪れました。副都心の高層ビル街が遠望できる山の中腹(海抜480m)にあり、高低差のある境内にはいろいろな種類の竹があることから、「竹寺」の名で親しまれています。
 秋は紅葉が美しいことでも知られています。まだその時季には早かったのですが、くだんのHPで精進料理がいただけることを知り、予約の上訪れてみました。境内の風情を私の亡き父が愛した寺でもあり、実際父と訪れたこともあるので、懐かしくもありました。

 明治の神仏分離令に洩れたことにより、神仏混淆の寺として残っているのが特徴(詳しくはこちらをご覧ください)で、また、檀家を取らずに運営されているのも特徴です。トップ画像(↑)は、本殿への登り口にある鳥居と「茅の輪(ちのわ)」で、それをくぐることで心身の清浄を願うのだそうです。 

 レイアウト形式でご紹介します。
 (★これより下の画像をクリックすると大きい画像や別の画像が見られます。★別画像がある場合は、マウスオンするとその旨が表示されますが、ブラウザによっては読み込めない場合があります。★撮影日は2013年11月3日です。)

 

 

 

    
 [左] 本坊前 建物前の高木は、樹齢400年の高野槙(こうやまき)で、落雷防止の避雷針がつけられています。太田道灌が植えたとされることから、「道灌槙」とも呼ばれているそう。
 [右] 本坊前から見える景色

 

   
 [左] 本殿前から望む景色 建物は「瑠璃殿」
 [右] 本坊より高い場所にあり、本尊の「牛頭(ごず)天王」像(丑歳生まれの守り本尊であることから)が祀られている本殿
  

 

            
                        美しい竹林
 

 

      
 [左] 境内の何箇所かにある、「牛頭天王」をモチーフにしたトーテムポール(左&右)
    中国から寄贈された「牛頭明王」のブロンズ像(中央)
    「牛頭天王」は、インドから中国を通じて日本に伝わり、陰陽(おんみょう)と関わりを深め、
    さらには蘇民将来伝説とも結びつき、スサノオと同体とされているそうです。
 [右] フィリピンに落とされたアメリカ軍の不発弾で作られた鐘(詳しくはリンク画像をご覧ください)

 

 他の画像をコラージュでまとめました。

 
 十月桜が咲いていました(最下段左端)

 

  本坊で、精進料理の6,000円コースをいただきました。

           
                (リンク画像はありませんm(__)m)

 

  


   

 素材は境内で採れる筍や四季折々の薬草で、器や箸などは竹で、経木(きょうぎ)は松の幹で作られています。また、多くの料理に野草とそれに因んだ短歌が添えられていました(右)。
 竹には「竹気」と呼ばれる“気”があるのだそうです。ご住職によると、現在日本中で多く見られる孟宗竹は江戸時代に大陸から入ってきたもので、それ以前は、幹の細い真竹などのような竹しかなかったそうです。

 自分の備忘録として、料理・(素材)・[添え花]を記しておきます。※のついた添え書きは、ご住職の説話によります。
・薬湯          (日本酒風味)
・蕗の薹の佃煮
・天ぷら         (山三つ葉・カエデ葉・柿葉・桜葉・たんぽぽ葉)
・ワラビの煮物
・イチジクの甘煮    [イヌタデ] 
・梅の紫蘇葉巻き   [野アザミ]    ※梅は硬いまま2年ほど漬けてある
・シメジとイワカガミの和え物 [茶の花]
・干し柿の天ぷら   [野菊] 
・蒸し三つ栗      [ガマズミ]   
・松の実         [松葉] 
・アケビの皮のクルミ味噌和え [山茶花] 
・さつまいもの天ぷら [笹]        ※竹寺の明月に見立てられたもの
・つくばねの実 
・四方竹の煮物    [定家葛の実]  ※四方竹(幹が四角形)の筍は秋に出る 
・柚釜          [マユミ] 
・白和え         (ズイキ入り) [ムラサキシキブ] 
・酢の物        (きゅうり・岩茸・お麩)  ※岩茸は苔の一種で、1年に数ミリしか伸びないという貴重なもの
・栗ごはんと香の物
・笹練り蕎麦の椀物
・菓子          (竹笹羊羹・豆菓子・煎餅)

 

 各皿は少しずつなのですが、品数が多く、揚げ物も多いことから、もうお腹一杯で...(^_^; いやいや、とにかく、舌でも目でも愉しみ、なんとも典雅なひとときでございました(#^.^#)
 これら、自然の旬の恵みを地産地消で取り入れた食事を、自然に感謝しながらいただいてきたのが日本古来の食事、“和食”だったのですよね。今では、逆にとても贅沢なものになってしまいましたが...。

 

     
 袋に入れて持ち帰った花々(左)を花器2つに活けました(右) なんだかぐちゃぐちゃだけど...(^_^;
 左の竹の器と柄杓は、この前日に訪れた町田の薬師池で、それぞれ100円で求めたものです。

 紙袋に朱字で記された言葉、「一隅(いちぐう)を照らそう」は、比叡山に天台宗を開いた最澄の言葉、「径寸(けいすん)十枚これ国宝に非ず、一隅を照らすこれ則ち国宝なり」に由来しているとのこと。 
 このページによると、「径寸」とは金銀財宝、「一隅」とは「今あなたのいるその場所」だそうで、「お金や財宝は国の宝ではなく、家庭や職場など、自分自身が置かれたその場所で、精一杯努力し、明るく光り輝くことのできる人こそ、何物にも変えがたい貴い国の宝である」という意味だそうです。
 天台宗のブックレットには、「あなたが、あなたの力で、ベストをつくして、照らしてください。あなたが光れば、あなたのお隣りも光ります。町や社会が光ります。ちいさな光が集まって、日本を、世界を、地球を照らします。一隅を照らしてください」とあります。
 仏教徒ではありませんが、心にすとんと落ちる素敵な言葉ですね。

 

       
 

 

 天気があまり優れなかったし、紅葉にも早かったのですが、落ち着いた佇まいの境内を散策し、自然の恵みにあふれた精進料理を堪能...贅沢な1日でした。
 近くにある「子ノ権現」(ねのごんげん)とは、散策道でつながっています。子ノ権現は中学のとき遠足で訪れたことがある、やはり懐かしい場所...。いずれも、登山や散策に訪れるのにもよい場所です。新緑の頃、紅葉の頃、また訪れたいと思いました。(精進料理をいただける季節は、春と秋それぞれ3ヶ月ずつです。要予約。ご留意ください。)

 


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