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高橋克典の“法律 だいすきになーれ+ひとり言α”・・・・・ まずは“宅建資格”から

法律系資格を取得しようとする場合、まず民法の勉強はかかせませんね。さらに、好きになって得点源にぜひしたいものです。

すきま時間で・R2年行政書士民法”問33・賃貸借・・・。

2021-05-17 06:07:49 | 司法試験・司法書士・行政書士問題
すき間時間でR2年行政書士試験の民法をいろいろ分析“よーくわかる”問33・賃貸借・・・。

この問題は、宅建の受験生の方がたくさん解いている問題です。
それ以外の人の方が難問だったかもしれません。

借地借家法も絡んでしますので・・・ね。

・・・・・・
問33 民法 債権
A所有の甲土地をBに対して建物所有の目的で賃貸する旨の賃貸借契約(以下、「本件賃貸借契約」という。)が締結され、Bが甲土地上に乙建物を建築して建物所有権保存登記をした後、AがCに甲土地を売却した。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当でないものはどれか。
1.本件賃貸借契約における賃貸人の地位は、別段の合意がない限り、AからCに移転する。

2.乙建物の所有権保存登記がBと同居する妻Dの名義であっても、Bは、Cに対して、甲土地の賃借権をもって対抗することができる。

3.Cは、甲土地について所有権移転登記を備えなければ、Bに対して、本件賃貸借契約に基づく賃料の支払を請求することができない。

4.本件賃貸借契約においてAからCに賃貸人の地位が移転した場合、Bが乙建物について賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、Bは、Cに対して、直ちにその償還を請求することができる。

5.本件賃貸借契約の締結にあたりBがAに対して敷金を交付していた場合において、本件賃貸借契約が期間満了によって終了したときは、Bは、甲土地を明け渡した後に、Cに対して、上記の敷金の返還を求めることができる。
・・・・・・

肢1は、「妥当」ですね。
建物所有権保存登記がありますから、借地権者は第三者に対抗できます。借地借家法の知識です。
そこで、賃貸借の対抗要件を備えた場合には、不動産の賃貸人たる地位は、移転しない特約がない限りその譲受人に当然移転することになっています。

その移転しない特約とは、「不動産の譲渡人及び譲受人が、①賃貸人たる地位を譲渡人に留保する旨、及び②その不動産を譲受人が譲渡人に賃貸する旨の合意をしたときは、賃貸人たる地位は、譲受人に移転しない」となっています。ここまで細かい点も押さえておきましょう。

肢2が、「妥当でない」として正解です。
これは宅建試験であれば、もう何回も出題されています。
所有者でない者の嘘の保存登記ですから、さらに賃借権としての対抗要件も認められないのが普通でしょう。ダメですね。

肢3は、「妥当」ですね。
賃貸人たる地位の移転はあるとしても、今度はこれまでの賃借人の保護から、所有権の移転の登記をしなければ、賃借人に対抗することができません。
土地の譲渡が本当にあれば賃貸人の地位の移転があるのですが、それを証明するのは移転登記をするのが一番分かりやすいのですね。

肢4は、「妥当」ですね。
乙建物という点が少し気になりますが、「賃貸人の負担に属する必要費を支出した」といっていますので、これを前提に考えればいいでしょう。
賃借人は、賃貸人の負担に属する必要費を支出したときは、賃貸人に対し、直ちにその償還を請求することができますが、この賃貸人は移転したCにするのですね。

肢5も、「妥当」ですね。
敷金の移転も従たる物として、賃貸人の地位の移転と共に移転します。賃借人のためでもあります。
賃貸人が、敷金を受け取っている場合、賃貸借が終了し、かつ賃借物の返還を受けたときは、敷金を返還しなければならないのですが、ここも賃貸人とは現在のCになります。

意外とできていないので、こういう問題が得点できていないと、どんな国家試験でも合格は難しいです。

では、また。


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すきま時間で・R2年行政書士民法”問32・同時履行の抗弁権・・・。

2021-05-15 05:57:02 | 司法試験・司法書士・行政書士問題
すき間時間でR2年行政書士試験の民法を丁寧に分析“よーくわかる”問32・同時履行の抗弁権・・・。

ここも法律的なセンスを磨く上で重要な項目です。細かい知識が無くてもできると素晴らしいです。

ここは公平の見地から、同時につまり引き換えに主張できるのか、そうではなく一方が先に履行するのがむしろ公平なのかです。

・・・・・・
問32 民法 債権
同時履行の抗弁権に関する次の記述のうち、民法の規定および判例に照らし、妥当なものはどれか。
1.双務契約が一方当事者の詐欺を理由として取り消された場合においては、詐欺を行った当事者は、当事者双方の原状回復義務の履行につき、同時履行の抗弁権を行使することができない。

2.家屋の賃貸借が終了し、賃借人が造作買取請求権を有する場合においては、賃貸人が造作代金を提供するまで、賃借人は、家屋の明渡しを拒むことができる。

3.家屋の賃貸借が終了し、賃借人が敷金返還請求権を有する場合においては、賃貸人が敷金を提供するまで、賃借人は、家屋の明渡しを拒むことができる。

4.請負契約においては仕事完成義務と報酬支払義務とが同時履行の関係に立つため、物の引渡しを要する場合であっても、特約がない限り、仕事を完成させた請負人は、目的物の引渡しに先立って報酬の支払を求めることができ、注文者はこれを拒むことができない。

5.売買契約の買主は、売主から履行の提供があっても、その提供が継続されない限り、同時履行の抗弁権を失わない。
・・・・・・

肢1ですが、「妥当でない」ですね。
なぜこれが問題となるのか、もともと、この抗弁は、「双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行(債務の履行に代わる損害賠償の債務の履行を含む。)を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができる」というものです。

すなわち、(双務)契約があることですが、ここでは詐欺で取り消されて契約がなくなっているのです。
解除の場合も同じですが、解除の場合には同時履行を準用しますときちんと条文で手当がなされていますが、取消しの場合にはないのです。本音は、(国会早く直せ)改正しろよとは思います。

そこで判例は、「売買契約が詐欺を理由として取り消された場合における当事者双方の原状回復義務は、同時履行の関係にあると解するのが相当である」として、解除でもできるのなら、取消の場合でも同じでいいのではないかと妥当な判断をしています。

肢2ですが、これも「妥当でない」ですね。
まず、造作買取請求権を行使すると、あたかも売買契約が成立したと同じになります。ですから、造作の引渡しと代金の支払いは同時履行となります。

本肢は、さらに建物の賃貸借契約が終了していますので、賃借物である建物の明渡しも造作の引渡しとセットにしていいか、という問題なのです。問題点がわかりましたか。

判例は、「造作の買収を請求した家屋の賃借人は、その代金の不払を理由として右家屋を留置し、または右代金の提供がないことを理由として同時履行の抗弁により右家屋の明渡を拒むことはできない」としていますが、これは建物から造作は容易に分離できますから、セットにするのはおかしいということです。

肢3も、「妥当でない」ですね。宅建試験では頻出事項の内容です。
敷金は、賃借物に発生した全ての債務を担保するわけですから、明け渡してチェックしないといくら敷金から引いていいかわかりません。
ですから、家屋明渡債務が先履行で、(その後家屋を調査して)、金額が決まったら敷金返還債務が発生します。

判例では、「賃貸人は、特別の約定のないかぎり、賃借人から家屋明渡を受けた後に前記の敷金残額を返還すれば足りるものと解すべく、したがって、家屋明渡債務と敷金返還債務とは同時履行の関係にたつものではない」といっています。

肢4は、「妥当でない」です。
請負の場合には、請負人は、まず仕事を完成させて、さらにその完成物を引き渡します。
注文者は、報酬を支払うのですが、仕事の完成が先で、それに対して報酬を支払います。もちろん報酬支払義務と仕事の目的物の引渡しは「せいの」で同時に履行します。

仕事完成義務と仕事の目的物の引渡、それと報酬支払義務の関係が理解できてないといけません。しっかり読み取ればいいのか、と思いましたね。

肢5が、「妥当である」ということで正解となります。
ここでの問題意識は、同時履行の抗弁権にした方がいいのは、契約を全うしようとする場面だからです。一度、履行の提供をしたからそれ以降はしなくてもいいとなると一方しかおわらないことも生じ、それではなかなか終わらないので、それで一発で終了させた方がいいですね。
双務契約の当事者の一方は、相手方がその債務の履行を提供するまでは、自己の債務の履行を拒むことができるのです。やるなら、一回で終わらせたいのです。

一方、解除しようとするなら上記と異なり、自分が一度きちんと提供していれば、相手方の同時履行の抗弁権を防いでいるので、その提供が継続していなくてもいいのです。

解除するのではなく契約の目的を達成しようとするのなら、判例は「双務契約の当事者の一方は相手方の履行の提供があっても、その提供が継続されない限り同時履行の抗弁権を失うものでない」としているのです。

意外と正答率が悪いのが気になります。復習をしっかりやり、そのときには問題意識が何かをつかんでくださいね。

では、また。



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すきま時間で・R2年行政書士民法”問31・債務引受・・・。

2021-05-13 03:07:43 | 司法試験・司法書士・行政書士問題
すき間時間でR2年行政書士試験の民法をいろいろ分析“よーくわかる”問31・債務引受・・・。

改正点です。他の国家試験においても、いつ出題されてもおかしくないでしょう。
債務引き受けは、債務者が変わる場合ですから、債権者の不利益がないように心掛けないと債務引受はできませんね。

・・・・・・
問31 民法 債権
Aは、Bに対して金銭債務(以下、「甲債務」という。)を負っていたが、甲債務をCが引き受ける場合(以下、「本件債務引受」という。)に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、誤っているものはどれか。
1.本件債務引受について、BとCとの契約によって併存的債務引受とすることができる。

2.本件債務引受について、AとCとの契約によって併存的債務引受とすることができ、この場合においては、BがCに対して承諾をした時に、その効力が生ずる。

3.本件債務引受について、BとCとの契約によって免責的債務引受とすることができ、この場合においては、BがAに対してその契約をした旨を通知した時に、その効力が生ずる。

4.本件債務引受について、AとCが契約をし、BがCに対して承諾することによって、免責的債務引受とすることができる。

5.本件債務引受については、それが免責的債務引受である場合には、Cは、Aに対して当然に求償権を取得する。
・・・・・・

肢1ですが、正しいですね。
併存的債務引受は、従来の債務者は残しつつ、新たに債務者を追加するのですから、債権者にとってはそんなに問題はないでしょう。いわば、保証人がプラスされたような感じではないでしょうか。

併存的債務引受は、債権者と引受人となる者との契約によってすることができるでしょう。これは保証人的に考えると問題ないでしょう。そうすると債務者の意思に反していてもよいことになります。

肢2も、正しいですね。
今度は債権者に取ってもそれほど不利益になりませんから、併存的債務引受は、債務者と引受人となる者との契約によってもすることができます。
ただし、この場合においては、債権者が引受人となる者に対して承諾をした時に、その効力を生ずることになっています。債権者が知らないとどうしょうもないですから。
いわば、第三者のためにする契約とみると、債権者の受益の意思表示的なものととらえることができるでしょう。

肢3も正しいですね。
こんどは、もとの債務者がいなくなるパターンですから、債権者にとってはとんでもないことですから、だから債権者の承認がないとできません。
免責的債務引受は、「債権者と引受人となる者との契約によって行うときには、債権者が債務者に対してその契約をした旨を通知した時に、その効力を生ずる」ことになっています。債務者の義務がなくなるものですから、債務者もしらないと不利益が生じ、妥当でしょう。

肢4も、正しいでしょう。
ここも、債権者の利益保護を強く考えないといけません。
免責的債務引受は、「債務者と引受人となる者が契約をし、債権者が引受人となる者に対して承諾をすることによってもすることができる」となっています。
承諾とは、要は債権者が納得するということですね。

肢5が誤りで、これが正解ですね。
免責的債務引受の引受人は、債務者に対して求償権を取得しないと規定しています。債務者の債務を全て自分で引き受けたということになるはずだからです。
これは、覚えないとなかなかその場で出てきません。

では、また。




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すきま時間で・R2年行政書士民法”問30・選択債権・・・。

2021-05-11 06:41:51 | 司法試験・司法書士・行政書士問題
すき間時間でR2年行政書士試験の民法をいろいろ分析“よーくわかる”問30・選択債権・・・。

宅建試験では未だ出題されていませんが、一度常識的にでも理解しておけば安心です。

本問は、事例問題ですから、これをベースに利益衡量できればいいはずです。

・・・・・・
問30 民法 債権
A・B間において、Aが、Bに対して、Aの所有する甲建物または乙建物のうちいずれかを売買する旨の契約が締結された。この場合に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、正しいものはどれか。
1.給付の目的を甲建物とするか乙建物とするかについての選択権は、A・B間に特約がない場合には、Bに帰属する。

2.A・B間の特約によってAが選択権者となった場合に、Aは、給付の目的物として甲建物を選択する旨の意思表示をBに対してした後であっても、Bの承諾を得ることなく、その意思表示を撤回して、乙建物を選択することができる。

3.A・B間の特約によってAが選択権者となった場合において、Aの過失によって甲建物が焼失したためにその給付が不能となったときは、給付の目的物は、乙建物になる。

4.A・B間の特約によって第三者Cが選択権者となった場合において、Cの選択権の行使は、AおよびBの両者に対する意思表示によってしなければならない。

5.A・B間の特約によって第三者Cが選択権者となった場合において、Cが選択をすることができないときは、選択権は、Bに移転する。
・・・・・・

甲建物または乙建物のうちいずれかを履行するわけです。いずれも特定物ですね。どちらかになります。

そして、互いに納得する結論になるようにすればいいのですから、それが法的センスを身に付けることにもなります。出題されなくても、これをやることで少しでも法的センスが磨ければやるべきでしょう。

肢1ですが、誤りです。
誰が選ぶのが、一番にいいかですね。特約があれば問題ないのに、それがないわけです。
AかBかどちらかに決めないと進みません。どちらがいいですか。
履行する義務を負っている方が選べば、履行もスムーズにいくのではないでしょうか。

条文は、「債権の目的が数個の給付の中から選択によって定まるときは、その選択権は、債務者に属する」となっています。

本肢の場合は、Aが債務者(給付義務を負う側)ですから、特約がないなら債務者Aが選択権を持つことになります。

肢2も、誤りです。
ここはよくあるルールの一つです。すでに身に付けている方は、知らなくてもできたでしょう。
選択債権における選択権は、相手方に対する意思表示によって行使しますが、一度表明すれば相手方はそれを前提にいろいろ動きますから、その不利益を与えないよう、相手方の承諾を得なければ、撤回することができないのですね。

肢3が、正しく正解です。
ポイントは、Aが選択権者で、Aの過失で消失しているということです。
もし消失していなくても、乙を選んでもいいのですね。
そうであれば、本肢でも乙の方を選んでもいいはずです。ただし、すでに甲はないので、選ぶまでもなく乙に当然決定するということです。

条文は、「選択権を有する者の過失により、給付の中に不能のものがある場合、債権は、その残存するものについて存在する」としています。

さらに、ここで考えておきたいのは、じゃあBの過失で消失したらどうなるのか、という考えが出てこないといけません。その場合、当然乙に決定できません。それはAを保護するためです。つまり、Aが消失した甲を選んでもおかしくないからです。甲を選べば、Aは履行はできませんが、Bの過失による損害賠償ができることになるのです。

すごいでしょう。これも考えておかないと、この問題を十分解いたことになりません。

肢4ですが、誤りです。肢5も選択権者が第三者の場合です。ちょっと、ややこしいですね。

両者に必ずしなければいけないか、むしろ債務者だけでいいかもしれません。条文は、「債権者又は債務者」に意思表示をすることになっています。第三者が債権者の方が都合いいときもないわけではないので、選択権を行使すべき場合には、「債権者」でも意思表示をしていいのです。

つまり、どちらか一方に対して意思表示をすればよく、債権者および債務者に意思表示をする必要はないのですね。

肢5も、誤りです。ここまできちんとルールがあります。 びっくりしませんか。
条文は、「第三者が選択をすることができず、又は選択をする意思を有しないときは、選択権は、債務者に移転する」となります。

やはり、債務者が履行するわけですから、選択権は債務者Aに移転した方がいいですね。

では、また。


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すきま時間で・R2年行政書士民法”問29・根抵当権・・・。

2021-05-09 04:38:31 | 司法試験・司法書士・行政書士問題
すき間時間でR2年行政書士試験の民法を丁寧に分析“よーくわかる”問29・根抵当権・・・。

まず、根抵当権は、ほとんどの人が大嫌いだという声が聞かれます。
ポイントを押さえれば、ここもなんとかなるはずです。

宅建試験でも、今年は出題可能性が大です。

・・・・・・
問29 民法 物権
根抵当権に関する次の記述のうち、民法の規定に照らし、正しいものはどれか。
1.被担保債権の範囲は、確定した元本および元本確定後の利息その他の定期金の2年分である。

2.元本確定前においては、被担保債権の範囲を変更することができるが、後順位抵当権者その他の第三者の承諾を得た上で、その旨の登記をしなければ、変更がなかったものとみなされる。

3.元本確定期日は、当事者の合意のみで変更後の期日を5年以内の期日とする限りで変更することができるが、変更前の期日より前に変更の登記をしなければ、変更前の期日に元本が確定する。

4.元本確定前に根抵当権者から被担保債権を譲り受けた者は、その債権について根抵当権を行使することができないが、元本確定前に被担保債務の免責的債務引受があった場合には、根抵当権者は、引受人の債務について、その根抵当権を行使することができる。

5.根抵当権設定者は、元本確定後においては、根抵当権の極度額の一切の減額を請求することはできない。
・・・・・・

肢1は、誤りですね。基本中の基本です。
根抵当権とは、バケツのようなもので、その中で元本とか利息などがあってそれらをすくってみて、いっぱいまでは大丈夫です。そのいっぱい状態が極度額ですね。

そうすると、バケツの中にはいる根抵当権の被担保債権の範囲とは、「極度額を限度」として、「確定した元本、利息その他の定期金及び債務の不履行によって生じた損害の賠償の全部」になるわけです。

極度額の範囲以内であれば、すべて担保されるかもしれませんし、少しでも溢れれば利息は1年でもオーバーして担保できないとかになるわけです。本肢の「利息その他定期金の2年分という制限」は、普通の抵当権の引っかけですね。
これはきちんと判断できないとダメです。

肢2も、誤りですね。
後順位抵当権者などの第三者に影響を与えるのは、極度額の変更のときです。それ以外は、逆に極度額がきちんと定められていれば、あまり影響は受けないはずです。

確定前の根抵当権においては、被担保債権の範囲の変更をすることができますが、後順位抵当権者などの第三者に不利益を与えませんので、その承諾は求められていません。

もちろん、元本の確定前に登記をしなかったときは、その変更をしなかったものとみなされます。ここでは、登記が対抗要件ではなく、効力要件になっている点です。

肢3は、正しいものとなり、これが正解ですが、ちょっと確定するには、全部読んで消去法で出す問題でしょう。

この元本確定期日は定めても定めなくてもいいのですが、定めたときには5年以内という制約があり、さらにその定めの変更については、肢2と同様、第三者の承諾は不要とされて、当事者の合意によってのみ成立します。

変更後の期日については、変更した日から5年以内との制限がありますが、元本確定期日の変更には、登記をすることが求められていて、元本確定期日の変更登記をしないときは、その変更前の期日に確定します。

ここまで覚えている人はなかなか(え、私もすぐに忘れます)いませんので、まずは△でしょうね。

肢4ですが、誤りです。
元本の確定前の根抵当では、継続的な関係が続いていますので、随伴性は認められていません。付従性もありませんね。

ということで、随伴しないので、「元本の確定前に根抵当権者から債権を取得した者は、その債権について根抵当権を行使することができない」し、「根抵当権については、免責的債務引受があった場合においても、根抵当権者は、引受人の債務について、根抵当権を行使することができない」となっています。

ちなみに、免責的債務引受の方から見ると、原則(根抵当権は例外)は、「担保権の移転をすることができる」ことになっています。それでも担保権の移転は、あらかじめ又は同時に引受人に対してする意思表示によってしなければならないのです。
この問題も基本的知識にしておいてくださいね。

肢5も誤りですね。ちょっと難易度は高いかもしれません。これと肢3で比較していくことでしょう。
これは、元本の確定後においては、現存する債務額と極度額との差を見たときに、二つ考えられますが、それを調整するものです。
一つ(前者とします)は、現存する債務総額が極度額より少ない場合、本肢ですね。バケツの8分目しかない場合などです。
もう一方(後者とします)は、極度額より債務額がオーバーしている場合です。バケツからあふれている状態です。

前者においては、少ないのですから、根抵当権設定者は、その根抵当権の極度額を下げるために、「現に存する債務の額と以後2年間に生ずべき利息その他の定期金及び債務の不履行による損害賠償の額とを加えた額」に減額することを請求できてもいいのではないか、ということです。より小さなバケツしてほしい、ということです。

ちなみに、後者では、「他人の債務を担保するためその根抵当権を設定した者(物上保証人です)又は抵当不動産について所有権、地上権、永小作権若しくは第三者に対抗することができる賃借権を取得した第三者(第三取得者です)は、その極度額に相当する金額を払い渡し又は供託して、その根抵当権の消滅請求をすることができる」としてもいいのではないかということです。バケツからこぼれた部分は債務者にいってね、ということですね。

この2つのパーターンが理解できて合格ですね。

では、また。


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