今年、予備校間で割れている問題です。
肢3が多くの予備校、出版社などが出しています。
予備校では、私の知る限りですが、TACと大原と、駿台ですね。
私も、まだ肢4だからです。
では、その根拠というか、4にしたいきさつを述べておきます。もちろん、わたしの方法が合っているかどうかわかりませんから、皆さんももう一度じっくり考えてみてください。
まず、内容を見る前に、形式を確定しておきましょう。
「民法の規定及び下記判決文によれば」といっています。ですから、これ以外の判例の解釈は出せません。肢4を○にしている解説をみたのですが、それをやっているような気がします。判決文から、持ってくるならいいのですが・・。
もしそうなら、H21問7の「民法の規定、判例及び判決文によれば」にしているはずだからです。
また、これまでの本試験の「及び」の使い方は、どちらかに該当すれば答えでした。この問題に限って両方該当することを要求していないはずです。
あと、「明らかに誤っているものはどれか」というこれまでにはない質問のし方をしているという点です。
これは前にもコメントしましたが、明らかな誤りでないことも答えになり、それは正しい方になるというテクニックを身につけないといけないと言いました。
2012 10 28 のブログも参考にしてください。
では、これらを前提に検討します。
肢1は、「請負の目的物である建物の瑕疵が重要でない場合であって、その修補に過分の費用を要するときは、注文者は瑕疵の修補を請求することはできない。」ですから、民法の規定に明らかに反していません(条文そのものですから)。ましてや、判決文(違ったことなので)に明らかに反していませんね。
肢2は、「請負の目的物である建物に重大な瑕疵があるためにこれを建て替えざるを得ない場合には、注文者は、請負人に対し、建物の建て替えに要する費用相当額の損害賠償請求をすることができる。」 判決文に合致しています。民法の規定を前提に解釈していますから、民法の規定に明らかに反していません。
で、肢4ですが、「請負の目的物である建物に重大な瑕疵があるためにこれを建て替えざるを得ない場合であっても、瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求は、請負人が当該建物を引き渡した時から1年以内にしなければならない。」ですが、1年という点が、第638条1項に明らかに反します(木造なら5年、鉄筋なら10年と覚えていましたね)。これは、どうみても民法の規定に明らかに反します。
1項は、「建物その他の土地の工作物の請負人は、その工作物又は地盤の瑕疵について、引渡しの後5年間その担保の責任を負う。ただし、この期間は、石造、土造、れんが造、コンクリート造、金属造その他これらに類する構造の工作物については、10年とする。」
※2項は、「工作物が前項の瑕疵によって滅失し、又は損傷したときは、注文者は、その滅失又は損傷の時から1年以内に、第六百三十四条の規定による権利を行使しなければならない。」ですが、引き渡しからでないので、明らかにこの規定にも反しますね。
ですから、ここでもう答えは肢4です。
では、肢3はどう判断するかですね。
○にするためには、肢3が、明らかに判決文に違反するとはいえない、といえればいいのですね。
「請負の目的物が建物であって、民法第635条ただし書によって注文者が請負契約の解除をすることができない場合には、その規定の趣旨に照らし、注文者は建て替えに要する費用相当額の損害賠償請求をすることは認められない。」
実は、これはこの判決文の前提とすることだってできますね。
判例では、判決文の前にこういっています。「請負契約の目的物が建物その他土地の工作物である場合に,目的物の瑕疵により契約の目的を達成することができないからといって契約の解除を認めるときは,何らかの利用価値があっても請負人は土地からその工作物を除去しなければならず,請負人にとって過酷で,かつ,社会経済的な損失も大きいことから,民法635条は,そのただし書において,建物その他土地の工作物を目的とする請負契約については目的物の瑕疵によって契約を解除することができないとした。」
と述べています。つまり、解除できない場合としての、一般的なことをいっているのが、肢3ととらえることはできそうです。
つまり、その建物が住めなくても(住むというつもりで注文したので、目的が達成できないが)、なんかの利用価値があるなら、解除はできないし、それならちょっとの利用価値はあるので、建て替えに要する費用相当額の損害賠償請求まではダメだということも、いえなくありません。
つまり、条文の一般論をのべているとみるのです。
でも、この判決文は、一般論でなく、極限の場合、なんらかの利用価値すらない場合のことをいっており、やむ得ない事由が生じるから、この判決を例外的に出しました、ととらえれば、明らかに判決文に反するともいえないのかあ・・・・。それなら、○(△か明らかな×でない)となりますね。
肢3は、どこも「重大な瑕疵があって建て替えるほかはない場合に」と限定した表現はしていませんしね。
以上のような、屁理屈で、やはり、いまだ問5の正解肢は、肢4と思っています。
いかがでしょうか、ぜひ、参考にしてみてください。
それでも、あとは、発表を待つしかありませんので・・。
どちらになるのでしょうか。つらいです。
では、また。
☆ 法律のカンタン思考術 をこの時期よろしくお願いします。
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肢3が多くの予備校、出版社などが出しています。
予備校では、私の知る限りですが、TACと大原と、駿台ですね。
私も、まだ肢4だからです。
では、その根拠というか、4にしたいきさつを述べておきます。もちろん、わたしの方法が合っているかどうかわかりませんから、皆さんももう一度じっくり考えてみてください。
まず、内容を見る前に、形式を確定しておきましょう。
「民法の規定及び下記判決文によれば」といっています。ですから、これ以外の判例の解釈は出せません。肢4を○にしている解説をみたのですが、それをやっているような気がします。判決文から、持ってくるならいいのですが・・。
もしそうなら、H21問7の「民法の規定、判例及び判決文によれば」にしているはずだからです。
また、これまでの本試験の「及び」の使い方は、どちらかに該当すれば答えでした。この問題に限って両方該当することを要求していないはずです。
あと、「明らかに誤っているものはどれか」というこれまでにはない質問のし方をしているという点です。
これは前にもコメントしましたが、明らかな誤りでないことも答えになり、それは正しい方になるというテクニックを身につけないといけないと言いました。
2012 10 28 のブログも参考にしてください。
では、これらを前提に検討します。
肢1は、「請負の目的物である建物の瑕疵が重要でない場合であって、その修補に過分の費用を要するときは、注文者は瑕疵の修補を請求することはできない。」ですから、民法の規定に明らかに反していません(条文そのものですから)。ましてや、判決文(違ったことなので)に明らかに反していませんね。
肢2は、「請負の目的物である建物に重大な瑕疵があるためにこれを建て替えざるを得ない場合には、注文者は、請負人に対し、建物の建て替えに要する費用相当額の損害賠償請求をすることができる。」 判決文に合致しています。民法の規定を前提に解釈していますから、民法の規定に明らかに反していません。
で、肢4ですが、「請負の目的物である建物に重大な瑕疵があるためにこれを建て替えざるを得ない場合であっても、瑕疵担保責任に基づく損害賠償請求は、請負人が当該建物を引き渡した時から1年以内にしなければならない。」ですが、1年という点が、第638条1項に明らかに反します(木造なら5年、鉄筋なら10年と覚えていましたね)。これは、どうみても民法の規定に明らかに反します。
1項は、「建物その他の土地の工作物の請負人は、その工作物又は地盤の瑕疵について、引渡しの後5年間その担保の責任を負う。ただし、この期間は、石造、土造、れんが造、コンクリート造、金属造その他これらに類する構造の工作物については、10年とする。」
※2項は、「工作物が前項の瑕疵によって滅失し、又は損傷したときは、注文者は、その滅失又は損傷の時から1年以内に、第六百三十四条の規定による権利を行使しなければならない。」ですが、引き渡しからでないので、明らかにこの規定にも反しますね。
ですから、ここでもう答えは肢4です。
では、肢3はどう判断するかですね。
○にするためには、肢3が、明らかに判決文に違反するとはいえない、といえればいいのですね。
「請負の目的物が建物であって、民法第635条ただし書によって注文者が請負契約の解除をすることができない場合には、その規定の趣旨に照らし、注文者は建て替えに要する費用相当額の損害賠償請求をすることは認められない。」
実は、これはこの判決文の前提とすることだってできますね。
判例では、判決文の前にこういっています。「請負契約の目的物が建物その他土地の工作物である場合に,目的物の瑕疵により契約の目的を達成することができないからといって契約の解除を認めるときは,何らかの利用価値があっても請負人は土地からその工作物を除去しなければならず,請負人にとって過酷で,かつ,社会経済的な損失も大きいことから,民法635条は,そのただし書において,建物その他土地の工作物を目的とする請負契約については目的物の瑕疵によって契約を解除することができないとした。」
と述べています。つまり、解除できない場合としての、一般的なことをいっているのが、肢3ととらえることはできそうです。
つまり、その建物が住めなくても(住むというつもりで注文したので、目的が達成できないが)、なんかの利用価値があるなら、解除はできないし、それならちょっとの利用価値はあるので、建て替えに要する費用相当額の損害賠償請求まではダメだということも、いえなくありません。
つまり、条文の一般論をのべているとみるのです。
でも、この判決文は、一般論でなく、極限の場合、なんらかの利用価値すらない場合のことをいっており、やむ得ない事由が生じるから、この判決を例外的に出しました、ととらえれば、明らかに判決文に反するともいえないのかあ・・・・。それなら、○(△か明らかな×でない)となりますね。
肢3は、どこも「重大な瑕疵があって建て替えるほかはない場合に」と限定した表現はしていませんしね。
以上のような、屁理屈で、やはり、いまだ問5の正解肢は、肢4と思っています。
いかがでしょうか、ぜひ、参考にしてみてください。
それでも、あとは、発表を待つしかありませんので・・。
どちらになるのでしょうか。つらいです。
では、また。
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