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武本睦子あっちこっちポルトガル

ポルトガルあっちぶらこっちぶら報告です。

フラミンゴ発見!

2012-11-25 | 各国いまどき報告


「えっ! フラミンゴがポルトガルにいるの?」 
 
 もう10年以上前になるでしょうか。
 私の住んでいるセトゥーバルを中心にした一帯が「コスタ・アズール」(青い海岸)と銘打って観光コマーシャルをTVで盛んに流した時期がありました。
 特産のワインやチーズの製造所、サド湾に生息するイルカや白いビーチの広がるトロイア半島、イワシを満載したカラフルな漁船、そしていっせいにピンクの羽根を広げて飛び立つフラミンゴの群れ!
 
 「フラミンゴ?」
 ポルトガルに、しかもこのあたりにフラミンゴがいるとは信じられない光景でした。
 「何かの間違いでは?アフリカのアンゴラやモザンビークはポルトガルの旧植民地だったから、あのあたりのフラミンゴを撮影したのでは…?」
 でもコスタ・アズールのCMにアフリカの風景を流すのも変だし…といつまでも疑問が消えませんでした。

 その年の秋に近くのパルメラ市で催された「ワイン祭」に出かけた時のことです。
 市の観光課の展示室でコスタ・アズールの観光ポスターが張ってあり、その中にフラミンゴが飛び立つ写真もありました。

 ここで尋ねるしかない!

 「フラミンゴはほんとにこのあたりにいるのですか?どこに行けば見られますか?」 「さあ~」
 数人の職員はだれもそんなことは知らない様子でしたが、そのうちの一人が「ひょっとしたらこれを見たら分るかもしれない」とレーザーディスクを持ってきました。
 それから1時間かけて2枚のディスクをみんなで見ましたが、フラミンゴの飛び立つ姿はあっても、それが何処かというのは判りません。
 諦めかけていた時、若い男の職員が入ってきました。
 彼は「たしかガンビアに来ると聞いた事があるよ」と言って地図で場所を示しました。
 冬の間にひょっとしたら来るかもしれないというのです。

 その年の12月にバスに30分乗ってガンビアに行きました。
 バスを降りてから1時間ほども歩いてようやく村に着きましたが、それからどっちに行ったらいいのか分らないままたどり着いたのは広大な塩田でした。
 塩田の向こうのサド川の岸辺あたりに無数の野鳥が群れているのが見えました。
 半日ほど双眼鏡で覗きましたが、遠くてはっきりとは見えません。
でもどれも白い鳥ばかりで、フラミンゴらしいピンクの鳥はいないようでした。

 その時は諦めて、それからしばらく経ってから再びガンビアに行き、今度は塩田とは反対の方に行きました。
 塩田の側に住む漁師が「あっちの方にローサ(ピンク)のフラメンゴ(フラミンゴ)が来るよ」と教えてくれた場所です。

 そこでも2、3時間双眼鏡を片手に探し回りましたが見つからずに、もう夕方で寒くなってきたので帰ろうと腰を上げた時、遠くに見える鳥の群れがいっせいに羽ばたいたのが目に入りました。

 羽ばたいた鳥の群れはだんだん近づいてきて、羽の裏が濃いピンク色で翼の先が黒いのがはっきり見えました。
 「フラミンゴだ!」

 とうとう念願だった野生のフラミンゴの群れを見つけたのです。
 あのポスターやCMの映像はやっぱり本当だったのです。


この時は白っぽいフラミンゴだけ

 その後、フラミンゴを別の場所でも見かけるようになりました。
 リスボンのテージョ川の中洲には広大な自然保護区があります。
 そこに冬になるとフラミンゴの大群がやってくるのです。
 
 テージョ川にバスコ・ダ・ガマ大橋が開通してからのことですが、橋を渡る時に周囲を見るとフラミンゴが餌を探している姿が見えることがあります。
 もともとそのあたりは塩田地帯なので、橋が開通した直後はすぐ近くにたくさんいたのですが、交通量がかなり増えてきたこの頃はフラミンゴは用心してかなり遠くで餌探しをするようになったので、小さくしか見えません。
 でも運が良い時はかなり近くで見えることもあります。

 今年も橋を渡っていたらすぐ近くに数十羽のフラミンゴが餌を取っているのが見えました。
 しかもピンクのフラミンゴの群れです。


鮮やかなピンクのフラミンゴの群れをついに発見!

 
 
 去年、橋の近くの干潟でフラミンゴの群れを発見したのですが、ひょっとしたらその場所にもいるかもしれないと思ってあまり期待しないで行ってみました。
 すると、「いた、いた~っ!」あっちにもこっちにもたくさんのフラミンゴがいました。
 しかも去年は白っぽいフラミンゴばかりでしたが、今年はほとんどがピンク色です。 中にはくっきりと鮮やかな真紅の翼のフラミンゴもかなりいます。
 みんな餌取りに夢中で、かなり近づいても大丈夫です。
 私も夢中でカメラのシャッターを押しました。


餌取りに夢中


 去年はずいぶん遠くにいたので、写真も遠景で小さくしか撮れなかったのですが、今年は反対にどんどんこちらに近づいてきたので、かなりくっきりと写真が撮れました。

 もう三百枚近く撮ったので、最後にいっせいに飛び立つシーン、真紅と黒の翼を広げて飛び立つ瞬間を撮りたかったのですが、脅かすわけにもいかないので、それは諦めました。


ガンガン音を立てても飛び立たないフラミンゴたち


 その時、近くにいた漁師がブリキの缶をガンガンとたたいて大きな音を出してくれたのですが、フラミンゴたちはビクともせずに夢中で餌を取り続け、一羽も飛び立とうとはしませんでした。


餌は小さなエビ(アミ)などをクチバシの先のブラシで濾して取る


 残ね~ん!でも身近にピンクのフラミンゴをじっくりと見ることができたので、満足、満足!



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