僕が最初に乗ったロードバイクは24インチの子供用ロードバイクです。子供用クランクなんてなかったので、165mmクランクを使用していました。





しばらくして中学生位になった頃に155ミリのクランクを使い始めました。当時はギア比制限もあったので46Tのフロントギアに、155ミリクランクでした。当時身長は155-160cm程度です。

高校に上がるくらいに、165mmクランクになります。一時期だけ170mmを使いましたが、膝に違和感がでたので、165mmにしました。身長160-165cm程度。ちなみに、シクロ、ピストも165mmでした。

大学に上がった時も、165mmを継続して使用しました。シマノに入るタイミングで167.5mmを試してみました。違和感というほどではなかったですが、ポジション的な興味から165mmにしました。現在では165mmを使用しています。

子どもの成長に対するクランク長の変化は、大人が色々と試すのとは大きく違うと思います。そもそも、145cmの子供が165mmのクランクを使うというのは、今169cmの僕が、190mmクランクを使うのとほぼ同じです。190mmクランクなんて乗ったら膝が曲がりすぎ、伸び過ぎで痛くなりそうですね。子供の柔軟性ありきのポジションであったと思います。筋肉もそれほど発達してませんので、それも影響しているかと思います。

個人的には、関節の屈折角度は大きくなりすぎると負担が大きくなる気がします。だから、短めがフィーリング的には好きです。理屈的な事は後付けの理由に近いと思っています。
今回はクランクの長さについて、完全な自己流の理屈で考えてみたいと思います。私的な見解ですので、シマノやチームの公式な見解ではありません。
クランクの長さによる特徴の違いにはまず、パワーの算出方法をおさらいしたほうが良いと思います。
パワー=トルク×回転数×係数(※)
※係数については、調べていただけると助かります。
つまり、一回転あたりのトルクと、回転数、どちらかを上げればパワーは上がるということですね。
イメージ的には、ウェイトトレーニングのスクワットの1回で上げる重量がトルクで、回転数が回数ということですね。具体的に言えば、30kgを10回上げても、300kgを1回上げても同じパワーになるということです。ウェイトトレーニングの負荷と同じですね。
では、クランクの長さの話に戻ります。
クランクが長くすると、当然テコの原理が働きます。つまり、1踏みあたりの出力トルク(タイヤやチェーンに伝わる瞬間トルク)は変わらないけど、瞬間的な入力トルクは小さくなります。(テコの原理が大方わかっていれば感覚的に伝わると思います。)[上記はすべて同じギア、同じ回転数同じパワーでの想定です。]
逆にいえば、クランクが長いほうが1回あたりの発生トルクを大きくしやすい。と言えると思います。(細かく言えばいろいろ違うかもしれません。)
クランクを短くすると反対のことが起きます。対トルクでいえば、165mmと170mmでは3%近くも変わるということになります。これは、165mmクランクで同じ300wで漕いでいるとき、170mmでいうところの309w分のトルクで踏んでいるということになります。その分外周距離も3%短いので一周あたりに換算すれば、同じトルクになります。だから同じパワーになります。
出力トルクは同じなので当然同じケイデンスなら同じパワーになります。不平等ですね…。瞬間的には頑張っているのに…。
それなら、クランク長いほうがええんちゃうん!?となりますね。
間違いではないです。でも移動量の面では170mmのほうが大きいです。だから負荷は同じです。つまり大きなデメリットにはならない。と僕は思っています。
先ほど書いたように、クランクが長くなると膝の屈折角がどんどん大きくなります。(ペダルの下死点にサドル高を合わせたくなるため、ペダルの上死点は高くなる。)フルスクワットとハーフスクワットをイメージしてほしいのですが、ハーフのほうが、重いものを持ち上げられますよね。これは、1回の移動量が少ないからです。そして、膝の屈折角度が影響していると思います。
膝の屈折角が大きすぎると体にも負担がかかると私は思うので、その差が瞬間トルクで多く踏まないといけない3%のデメリットを、超えているような気が私はします。
またポジション的な問題もあります。
クランクが、短いと3時の位置に足を置いた時に足が前に出づらいというメリットがあります。足が前になりすぎると前に蹴り出すようなペダリングになってしまい、個人的には好ましくないです。クランクを短くすると反対の9時の位置も後ろになりづらくなります。これも引きやすさに影響すると思います。
また、クランクを、短くするとサドルを高くしやすく、ハンドルを下げやすいです。ハンドルを下げやすい理由は、上死点の時の膝の高さが下がるので、より骨盤を倒しても邪魔にならないからです。
ハンドルを下げたい理由はハンドルを押しやすい気がするからです。前にしっかり重心を乗せて踏んだほうがペダリングの踏みに力を込めやすいと、僕は考えています。
しかし、これは、皆さんの足の長さや柔軟性などにもよると思うので試してみる他ありません。
クランクの長さを試すというのは、一般的なライダーの方だと難しいと思うので、まずはクリート、サドル、ハンドルの順でポジションをいじるといいと思います。あくまで最後の調整法にクランク長の変更を考えてみてください。
僕は自分だとわけわからなくなるので、プロの方にお願いしています。

P.S.
僕が小さい頃は、身長(mm)が適正クランク長‥なんて言われてた気がしますが、今はどうなのでしょうか?笑