チャオプラヤ河岸の25時

ビジネスマンの日記帳

民主主義と忍耐

2020-10-20 22:48:15 | インポート

 アメリカの大統領選が佳境を迎えている。コロナ禍は治まらず、さしものトランプも苦戦を強いられているようだ。予測不能な指導者の時代が終わるのか否か、初期の認知症を疑われるバイデンが勝つのか否か、世界が注視する選挙となる。

 アメリカ人ならずとも、この二者択一はひどすぎると思う方は多いだろう。民主主義の守護国を自負してきたアメリカの衰退、それを感じざるを得ない。こんな選択しかできない、そんな慨嘆が有権者の本音かもしれない。

 民主主義は絶対ではない。歴史的には妥協の産物として出来上がった制度でもあり、相対的に他にマシなものがないから主流化してきた。システムは合意の形成に時間を掛け、世論は常に四分五裂している。コロナ禍のような事態に会えば、どこまで私権を制限してよいかの議論が始まってしまい、少しもまともな緊急処置がとれない。ことほど左様に民主主義とは効率の悪いシステムなのだ。

 だからと云って中国や北朝鮮のような号令一下の国家に住みたいと思うものは極少ないだろう。民主主義の下で忍耐を重ねる、馬鹿馬鹿しい議論を我慢する、それはより悪いシステムに飲み込まれない為には必要な対価なのだろう。

 楽園主義者の溢れる日本。話題の学術会議は中国の千人計画には参加するが日本の防衛研究に協力する同僚は排除する、そんな学問の自由にとって最悪の組織に成り下がっている。専門馬鹿の世間知らずが集まる内閣府傘下の組織、目に余る者、非常識人を任命しないのは至極当たり前のことだ。自由も民主主義も普段の常識の力がなければ機能しない。個々に任されている、とはとてつもない負荷である、そんな自覚が学者集団にはまるでない。内閣府傘下でなく勝手に任意団体を作り、金になる中国と共同すれば良いはず、それだけのことだ。明確な反日団体として生き残れるのか自分達で試せばよい。

 非常事態条項の無い憲法の下、いつまでこの国は持続可能なのだろう。ボーダレスになった世界が負っているリスク、その一端を見せただけのコロナ。一国平和主義の島国マインドにも、世界は容赦なく襲う。ITの遅れ方も半端ではなくなった日本。こんな鈍足では何時普通の国になれるのかすらが分からない。急がねば。

 

 

                             川口

 

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