「自分らしく生きよう!」そう決めた人が体験するであろう道筋が書かれています。
英雄物語に人が共感するということは、無意識にそのことを知っているからなのだ。
さらに出会う人たちのアーキタイプも興味深い。
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1.英雄 (ヒーロー)
■■ヒーローの劇中の役割■■
●観客との一体感
・ヒーローに様々な性質の組み合わせや普遍的で個性的な特徴を混ぜ合わせた性格づけをすること
・ヒーローは私たちが理解できる普遍的な原動力によってストーリーは進められる
その原動力とは、つまり、愛されたい、理解されたい、成功したい、生き残りたい、自由でありたい、復習したい、
不正を正したい、自己表現をしたい …といった欲求である
・ヒーローは普遍的な性質や誰もが一度は経験したことのある、復習、怒り、性欲、競争、縄張り意識、愛国心
理想主義、皮肉な態度、絶望、などの感情を持つべきである。 しかもヒーローは紋切り型の生き物、あるいは欠点のない
人間味に欠ける神というよりは、個性的な一個人でなくてはならない。
・優れたヒーローには普遍性と独創性の両方が必要である。 誰も抽象的な人間の性質を描いた
ストーリーを読んだり映画を見たりしたくないものだ。 私たちは真実味のある人々の話を聞きたいだけである。
・実在する人物のように真実味のあるキャラクターは、ただ1つの特徴ではなく、たくさんの性質と動機、あるいは
葛藤の組み合わせでできている。 そして葛藤があればあるほどキャラクターに深みをもたらしてくれる
愛と職務への忠誠が衝突する事によって苦しむキャラクターは昔から観客の興味を引いている。
信頼と疑惑、希望と絶望といった相対的な感情の個性的な組み合わせを持つキャラクターは、
たった1つの側面しか見せない人物よりも、より真実味と人間味があるのだ。
・バランスよく描かれているヒーローは、決断力があり、気まぐれで、魅力があり、忘れっぽく、もどかしげで、
肉体的には強いが、精神的に脆いというような側面を持ち合わせている。
このような特定の性質の組み合わせが観客にある種の真実味のある人物だという感覚を与えている
●学びと成長
ヒーローに課せられたストーリーの役割は、学ぶことであり、成長することにある。
ストーリーの流れの中で、最も学び成長する人物がヒーローである・
ヒーローは障害を乗り越え、ゴールを達成すると同時に、彼らは新しい知識と知恵も手に入れる。
多くのストーリーの本質は、ヒーローと賢者の間、ヒーローと恋人との間、
もしくは、ヒーローと悪者との間にさえ生じる〈学び〉である
私たちがすべてが、お互い、教師であるということだ。
●アクション
ヒーローはストーリーの中で最も活発な行動をとる人物であり、
彼の決定と願望がストーリーを先へと進める原動力になっている。
映画のシナリオで見られる欠点は、ヒーローが最も重大な場面で受け身になり、
誰かの手助けによって危機を脱するものだ
ヒーローはストーリーの中で決断力に溢れた行動をとるべきであり、ヒーローの行動は
最大限に危険と責任を要求されるものである。
●死と向き合う
・ヒーローは象徴的な死を経験する
・最も魅力的なヒーローは犠牲を経験する人物である。ヒーローは冒険の途中、
愛する人や友人を諦めるかもしれない。彼らは自分でも気に入っている悪癖や風変わりな癖を、
人生の新しい道を歩みだすための代償として諦めなくてはならないかもしれない。
・ヒーローははじめからヒーローではなくてもヒーローになるために成長することがヒーローであるとも言える
・理想として、全てのバランスのとれたキャラクターは全てのアーキタイプの要素を表現すべきである。
なぜならアーキタイプというものは、完全な性格を形成する個々のパーツを表現したものだからである。
●キャラクターとしての欠点
・興味深い欠点というものはキャラクターを人間らしくする。観客は猜疑心、間違った考え、
過去からの罪やトラウマ、あるいは未来に対する恐れ、…を乗り越えるように仕向けられたヒーローの中に
少しばかり、自分自身を重ね合わせることができる。
弱さ、不完全さ、気まぐれ、悪癖が、ヒーローや他のキャラクターより現実で魅力的にしている。
欠点の多いキャラクターであればあるほど、観客はキャラクターにより興味を抱き共感を深めていく
また
欠点は、キャラクターに目指すべきゴールを与える。
欠点は、キャラクターが不完全さや中途半端な状態から成長することができる出発点である
そこからヒーローは旅を通して彼の人生を完成させるために〈必要な部分〉を捜し求めるのである。
2.賢者
3.門番
4.使者
5.変化する者
6.影/悪者
7.いたずら者
本当に典型的なキャラクターな人たちに出会うのです。
人生という冒険物語の指南書としてもオススメな1冊です。
神話という人間の心理は普遍的な真実なんでしょうね。
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第一幕 出立、離別
1.日常の世界
・舞台の幕が上がる前に、作品の雰囲気を出すこと
・タイトルは、慎重に選ぶこと
・ストーリーの世界感を少しでも、はじまる前から伝えようとすること
・物語のはじめは、印象深く作ることは、ひどく大事なこと
・
●オープニングイメージ
オープニングイメージは、ストーリーのムードを作り、伏線を張るための強力なツールである。
ひとつのイメージ映像やシーンによって第二幕のスペシャルワールドやそこで表面化する葛藤や二元性を
眼前に思い浮かべる視覚的なメタファー(隠喩や比喩)でもある。
また、ストーリーのテーマを示し伏線を張ることで、その登場人物がこれから直面する問題を
観客に知らせることもできる
●プロローグ
プロローグはストーリーに効果的な役割を果たしている、それは、バックストーリーの重要な部分を提示し
その映画がどのようなジャンルの作品で、どのようなストーリーかを観客に知らせるためである
■オーディナリー・ワールド(日常の世界)
オーディナリーワールドは主人公の取り巻く環境や故郷、物語の背景を描き出している
オーディナリーワールド(日常の世界) から → スペシャルワールド(特別な世界)へ
●中心となる疑問や問題
オーディナリーワールドの重要な役割は、ストーリーの中心となる疑問や問題を提示することである
ヒーローについての内部的な葛藤を作り出す
ヒーローは自らゴールを達成し、欠点を克服し、学ぶべきことを学べるだろうか
●内的な問題、外的な問題
すべてのヒーローは内的な問題と外的な問題の両方が必要である
内的な問題を抱えていないキャラクターは、平面的で、ストーリーとの関連が希薄になってしまう。
それでも彼らは英雄的に行動する事ができるが、
性格上の欠点や解決しなくてはならない道徳的なジレンマといった内的な問題が必要である
他人とどのように打ち解け、自らを信用し、外見に惑わされずに内面を見つめることができるのかを、
ストーリー全体を通して学ぶ必要がある
観客は登場人物たちが、学び成長する中で、人生における内的問題や外的問題に対処する姿を見ることで
自分自身を重ね合わせるのだ。
●印象的な初登場のシーン
最も重要なのは、登場の瞬間にそのキャラクターが何をしているのかということだ。
登場人物の行動は、彼の態度や感情の状態、背景、強さ、彼が抱える問題を強く印象つけるための絶好の機会である
その行動はヒーローの性格を表すような態度や将来的な問題、結果をともなう解決策のモデルであるべきだ
彼の人生の姿勢を決定付けるのは初登場のシーンである
●観客へのヒーローの紹介
ヒーローが常に善良であるべきだとか、すべてに同情的であるべきと言ってる訳ではない
『ヒーローはとくに好感の持てる人物でなくてもかまわないが、観客の共感を得られる人物でなくてはない』
たとえヒーローが不公正か、卑劣であっても、私たちがヒーローの置かれた立場であれば、同じ境遇、状況、動機であれば
おそらく私たちも同じように振舞っていたと想像できるし、その苦境も理解できる。
●一体感(アンデンティフィケイション)
どうやって一体感を達成すればよいのだろうか。それはヒーローに普遍的な目的、動機、欲望、あるいは要求を与えることで
一体感を作り出すことが出来る。 私たちは認識、愛情、承諾、理解、のような基本的な要求と全てを関連づけることもできる。
●ヒーローに欠けているもの
ヒーローにはいつも、何かが欠けているか、ヒーローから何かが奪われていくかである
その多く場合は家族である、誰かが亡くなったり、誘拐されたりする
欠けている何かを満たすという必要性が、ストーリーを『永遠に暮らせましたとさ』という最終的な完成形に導いていく。
これらの欠落した要素は、ヒーローに対する同情を集め、徐々に完璧になっていこうとする欲求に観客を引きつけるのに役立つ
家族以外では、ヒーロー自身の性格に何かが欠けている。
それは思いやり、慈悲、あるいは愛情をうまく表現する能力のような性質である。
ストーリーの冒頭でヒーローが、いくつかの簡単なことさえできない様を見せるのは、とても効果的である
・完璧で欠点のないヒーローは面白味に欠け、共感しづらいものである。
●傷ついたヒーローたち
私たちのほとんどが、普段は気にも留めないような何らかの古傷を持っている。
それがあるレベルで自覚すると、それはいつも心の中で痛みだす。
ヒーローや他の登場人物を人間らしく見せるためには、彼らに〈傷 〉を与えることだ
ヒーローの傷や傷跡は、彼の用心深く、防御的で弱くて傷つきやすい部分として心に刻まれている。
また、ヒーローは傷ついた部分を守るときにどこかで特別な強さを発揮するかもしれない。
人々はかなりのエネルギーを、これらの弱味や傷つきやすい部分を守ったり隠したりすることに注いでる
十分に練られたキャラクターは神経質なところや、受け身か、自身のなさを理解しているが、
その傷は観客にはハッキリと示されることは決してない。それはライターとキャラクターだけの秘密であり、
ヒーローに個人的な履歴と現実的な感覚を与える手助けになる
私たちがすべてが、過去の屈辱や拒絶、失望、自暴自棄、失敗による傷に耐えて生きている。
多くのストーリーはその傷を癒すための旅であり、空虚な心を満たしてくれる何かを見つける旅でもある。
・ドラマの多くは秘密がゆっくりと痛みを伴いながら、明かされていく。傷つきやすい秘密を守っている
何重もの防御は、ひとつひとつ剥ぎ取られていくことになる。
この過程で、観客は探偵もののの心理的な混乱を楽しむ推理家になる。
●テーマ
オーディナリーワールドはストーリーのテーマを述べるところである。
テーマーーー→ 意味〈 何か前もって設定されたもの 〉
ストーリーのテーマは人生のある側面についての根本的な言述、もしくは仮定である
・ヒーローには明らかに足りない部分、欠点、あるいは傷があり、
ストーリーと共に解決・成長・変化していき、
目的・ゴールの達成・解決法 につながる
2.冒険への誘い
3.冒険への拒絶
4.賢者との出会い
5.第一関門突破
第二幕 試練、通過儀礼
6.試練、仲間、敵対者
7.最も危険な場所への接近
8.最大の試練
試練を超えることによって、その乗り越えたチカラで、新しいチカラを得る
今まで集めてきた、チカラ、知恵、情報、仲間、いろんなものが収束して、
最後の試練に立ち向かう 学んだチカラを発揮する
今までの、履歴の多くの情報を取り込み、新たな可能性を引き出す
・死と再生ーーーーーーーー良い意味の死は、主人公の弱さ・弱点・欲望・暗黒面が死ぬ
・ここで変化する・成長をむかえるーーー→それで得たチカラでエンディングで、帰ってきた地に、何かしらの幸をもたらす
■死の試練
最大の試練で、主人公は【死に直面する】【いったん死んだように見える→でも復活する(観客よろこぶ)】
■シャドウとの対決
・敵対勢力との対決・宿命的なライバル・悪者・自然の力・-----→シャドウ
失くした人格を取り戻せるかの瞬間だったり
葛藤に勝てるか・欲望に勝てるかの瞬間だったり・
恐怖に打ち勝てるかだったり・
ヒーローが一番恐れているのは”死”だけではない
病気に向き合い打ち勝つこと、動乱や政治な危機に対処するなど、
外的なものだけではなく、内的な心理的なものもある
・主人公の悪い面(暗黒面・欲望・弱点…)が、悪魔化し敵対する
・このオーディールで大抵死ぬのは、悪者(シャドウ)である
・悪者(シャドウ)はヒーロー自身のストーリーである 、 彼らの視点・主張もある 主人公とは敵対するが…
・最も素晴らしい愛情表現の瞬間かもしれない
・神聖なる結婚(結婚前の心の葛藤、不安な気持ち(シャドウをおさえ、結婚(最大の試練)に望む
・親への反抗
・若者 対 大人
・ヒーローは最大の試練を生き抜きーーー→エンディングを迎える
9.報酬
一番ちかいイメージは【ワンピースの大きな対戦が一区切りするときの”うたげ”】に似ている
オーディール(最大の試練)でのクライシス(重大場面)を切り抜ければ、死を生き抜いたリウォード(報酬)を受け取る
このシーンは観客にとって重要な役割を果たしてる、エキサイティングな戦いや最大の試練が続いた後、
私たちがほっと一息できる部分でもある
・焚き火のシーン
・回想やノスタルジアを入れる機械でもある
・戦利品をめぐるひと悶着があるかもしれない
・冗談を言ったり、自慢したりする機会である
・男たちは傷を比べあい、酒宴の歌をうたう
ドタバタな進行でも、感情に訴えるシーンでは、ゆっくりとしたペースに落として
キャラクターの気持ちがちかづくように慎重に描いている
・ラブシーン(報酬としての)
・財産を手に入れる(求めてたものが手に入る【報酬】) 自尊心・自由・愛情・地位・
第三幕 帰還
10.帰路
11.復活
●統合
ヒーローにとっての(復活)のステージは、彼が全てのキャラクターから学んだあらゆる教訓を吸収し
統合した事を示す機会である。統合は文字通り、
人生の旅で得た教訓を自らの一部に取り込む事を意味している
理想的なクライマックスは、ヒーローが旅で学んだことを全てを実践し、
旅の途中に出会ったもの(メンター・シェイプスター・シャドウ・アライズetc)から
学んだ知識や教訓を積極的に活用する場である
クライマックスを耐え抜くまでに、様々なメンターやライバルから学んだことを
すべてを応用する術を修得している
●変化
リシュアラクション(復活)の高次元な劇的な目的は、ヒーローが本当に変化したという
外見の印象を観客に与えることである
ヒーローは古い自己が完全に死滅したことを証明しなくてはならない。
新たな自己には旧態依然の誘惑の魔手や羞恥心に負けないだけのチカラがあるのだ
このステージはヒーローの最終試練
何を学んできたのかを示す絶好の機会でもある
12.宝(エリクサー)を持って帰還
リターン(帰還)をエリクサー(宝)を持って帰るものは
家が一番(自分らしさが、自分の性格が一番、他人をうらやむよりも、 自分自身でよかったと思うこと)
エリクサー ----→ 【英知・経験・金・愛・名誉・生涯に渡る感動的な出来事・・・etc】
変化・成長し、ものごとの理解が深まったりする
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という12のステージに従って人は成長をしていくという。
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■最近の一部の日本のビジネス書籍のような薄っぺらいものではなく、分量的には充分読み応えのある本でしっかりしているのではないでしょうか。
内容的に冗長かとも思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、個人的にはしっかりした内容だったと評価します。
■すべての物語は3幕構成12シーンで出来ている、というもと、12シーンの構成、現れてくるキャラクターについても7つの類型にまとめています。
12のシーンや7つの類型の詳細などは本書を読んでくださいね。
物語・映画などは非定型かと思ってましたが、これだけシンプルに型に落とし込めて考えられるという点は見習いたいものです。
■この12シーンでの展開という内容は"ロード・オブ・ザ・リング"の構成にとてもよくはまるという印象です。
やはり古典的なものに相性が良いのでしょうか。
本書後半ではタイタニックを例に出し、全てを総括していました
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【剣】とは希望の象徴であ。 権力の象徴でもある・
活発に行動する人物がヒーローであるのはあたりまえである
素晴らしいドラマは、ちょうどヒーローがゴールにたどり着く直前に大切なものを失ってしまうことから始まる
フォースを高次元でコントロールするチカラを獲得する
キーワードは【感情移入】
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その他の「神話の法則」 レビュー
http://foster-land.cocolog-nifty.com/blog/2008/06/post_4463.html
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