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徳島でモンテッソーリ。

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自然からの宿題

2013-09-19 00:26:58 | モンテッソーリ教育
夕方、ご近所さん親子にお会いしました。
息子さんは11ヶ月。
まだ歩行はしていません。
お母さんはずっと抱っこの大変な時期ですね。しかし、じっと抱かれてもいてくれません。
「下へ降りたい!」
その気持ちが伝わってきます。

立ち話の途中、息子さんを地面へと降ろしてあげたお母さん。

もちろん何でもお口へいれます。
もちろんそこはアスファルトです。
もちろん土も砂もあります。

これができるお母さん、素晴らしいなぁって思います。

息子さんは生き生きとアスファルトの凸凹に指を入れてその感覚を全身全霊をかけて感じていました。

周囲には目もくれず、ただ、凹の部分に人差し指を入れている姿は私には微笑ましく、可愛らしく、尊厳を感じました。

お話によると、あらゆる穴に指を入れるのだとか(笑)鼻や口など(^.^)

フフフ、かわいい(*^^*)

モンテッソーリ教育では「自然のプログラム」とか「自然からの宿題」とか「生命の課題」とかいわれますが、相良敦子さんは著者『ママ、ひとりでするのを手伝ってね!』のなかで、このようにいっています。

「幼児期固有の特別の生命力があります。そしてこの時期独特のエネルギーの発揮の仕方があり、そのエネルギーを百パーセント出しきって獲得しなければならないこともあるわけです。
子どもが自然から与えられたその独特の生命力と、その生命力を使って成し遂げねばならないこと、すなわち『自然から課せられている宿題』を大人はしらなくてはなりません。」

そしてこの宿題を「敏感期」という特別な生命力によって成し遂げていきます。敏感期は自然が定めたプログラムに従ってさまざまの形で順を追って表れ、自然から与えられたその時期その時期の課題を成し遂げさせる原動力となります。(同上著書より)


つまり、この息子さんは自然からの宿題により、穴に指を入れるという敏感期に差し掛かっているんですね。
恐らく、しばらくすると形を変えて別の宿題に取り組む彼の姿が見られるようになってくると思います。
穴に何かを落とす。
穴に何かを通す。
穴から何かを出す。
……

そしてこれは、世界中どの人種、宗教、言語圏の赤ちゃんでも同じように現れる自然からの宿題なのです。

娘ももちろんありました(*^^*)

「指を入れられては困る穴」を与えず、何か「困らない穴」を与えてあげればいいのです。
思う存分やらせてあげましょう!
親子ともにハッピーです!!

(ほぅら、ここにも敏感期に差し掛かっている子どもががいますよ。分かりにくいですが、娘は今日クレヨンとお弁当ピックをペアリングしていました。私は静かな感動で心が震えながらそっと写真を。知性の表れです。今の彼女はまた秩序にも敏感です。車のハンドルを片手で持っていると必ず「ママ!こっちの手持ちなさい!」と怒られます(+_+)この敏感期はいつも同じであることが大切なのです。少し大変な敏感期です。)

続.続々と。

2013-09-12 23:31:21 | モンテッソーリ教育
昨日の記事は本当はまだ続きがあったのですが、恐ろしい睡魔に襲われ、さっさと終了する形になってしまっていました。ごめんなさい。

母子共生期間についてもう少し書きます。
参考著書は『いのちのひみつ』(シルバターナQモンタナーロ著)です。「」内はこの本からの引用です。


母子共生期間に大切な3つの団欒
抱く
触れる
授乳

赤ちゃんは母親と身体が触れ合い、抱かれるときは自分は受け入れられていると感じ、安心して心を開き、自分や周囲に対して積極的な関心を示すようになります。
また特に授乳中は「ふたりがまるで一人の人になったかのような特別なつながりが母子の間に見られます。」

「子どもは一日に何回も、授乳のたびにこの母親と一体になる安堵感に包まれるのです。」

そしてその授乳のタイミングですが、三時間おきという定番になりつつある授乳のタイミングに「考えもの」だとこの本では言っています。

母乳は赤ちゃんにとって「食べ物」という側面と「母親との触れ合い」という側面、母親にとって授乳は、子宮の回復や、ずっとお腹にいた子どもが突然いなくなった喪失感を解消する側面などを持っています。

赤ちゃんがいつでもおっぱいを飲みたい時に飲めるように側に居てやらなければいけません。そして、授乳の時にムリに口に押し込んではいけません。これは強制です。

この本には「何歳になっても強制された食事は不愉快なもので、暴力として体験されます。」とまで書かれています。

授乳を通して母子はお互いに信頼関係を築くんですね。

それなのに、母親の体力の回復を優先し、母子を引き離し、三時間おきの授乳というタイミングが決まりごとのようになっています。
母乳は吸われて初めて生産されます。
そしてもちろん、赤ちゃんはお腹が空いていて初めて吸います。赤ちゃんのペースなんです。赤ちゃんが必要とするとき、母乳があり、母親との触れ合いがあるべきなのです。
決められた時間で母乳をあげるやり方が全てではないんですね。

私は息子のとき、教科書通りに3時間おきにあげていました。
出産前にこの本を読んでいたかったです。

最後に、子どもが泣いた時のお話です。

新生児が泣く理由はおっぱいかオムツだけでしょうか?

それだけではありません。
新生児は大人の気を引こうとしたり、抱き上げてほしかったり、話しかけてほしかったり、側にいてもらおうとして泣いている場合もあるんだそうですよ。
驚きです。

それを押し潰し、口におしゃぶりやおっぱいを入れてはいけませんね。

新生児は大人が思っているよりもずっとずっと賢く、たくさんの願望を持って活動している存在なんですね。

特に初産の場合は母親自身の体力や精神面で精一杯になりがちですが、やっと出会った赤ちゃんとの大切なこの期間をいかに大切に過ごせるか。
周囲もしっかりサポートしてあげたいですね!

続々と誕生するトッポンチーノベビー、そしてそのママたち!
素晴らしい母子共生期間を!!


今日のおまけ。
AEDの講習を受けました!意外と操作は簡単でした。使わないほうがいいけど、もしもの時のために知っておくことは大切なことです。



続々と(*^^*)

2013-09-11 23:00:35 | モンテッソーリ教育
夏休みに続けて3回したトッポンチーノのワークショップ。

3人の妊婦さんたちがそれぞれに無事出産され、続々とトッポンチーノベビーが徳島に誕生しています。

お二人は初産でしたので、今この瞬間も、初めての育児に奮闘していたり、やっと出会えたお子さんとの幸せな時間をたっぷりと味わっていらっしゃることと思います。
あの大変だけど、初めての貴重な時間。思い出すだけで胸がいっぱいになります。

息子はとにかく…
寝なかった(+_+)

それはさておき、今日は誕生後の2ヶ月間についてモンテッソーリ的なお話です。

この時期を母子共生期間と呼びとても大切に考えています。
母子が、触れ合い、抱きしめ抱きしめられ、授乳し、授乳される。
この時期これらのことが保障され実行されることによりこどもは無事に問題なく胎内から外界へと移行できるのです。
この時期にしっかりと基本的信頼を築いていると母子ともに次の段階へと自然と移っていけます。

この時期に母子が健やかに過ごすのに一役買うのが父親です。是非、父親は母子を守る防壁になる役割を担ってほしいです。

トッポンチーノを作って終わりではなく、モンテッソーリの理論をヒントに良き援助のできる大人、母、父の姿を一緒に追い求めていけたらと思います。

皆さん、ご出産おめでとうございます!!こちらの元トッポンチーノベビーは2歳3ヶ月に(*^^*)あっという間ですよー。

前頭葉の実行能力

2013-09-09 22:46:20 | モンテッソーリ教育
何と堅苦しいタイトルですが、先日の大阪の講演会のシェア第二弾いきます。

生まれたての赤ちゃんはモンテッソーリ用語でいうところの正常化している状態なのだそうです。
正常化とは、一般には誤解されやすい言葉ではありますが、ジュディ先生の言葉でいうと、
『身体と心の統合によって心に調和と平和があり喜びに溢れている子ども。
正常化されている子どもたちの間には分かち合い、集中、責任感があり、異年齢で助け合い世話をする。一人の仕事グループでする仕事どちらも好み、喜びに溢れたハッピーな子どもという特徴があります。』

しかし、前にも書いたような大人の介入、その他のお話として、子どもの動きを禁止すること、そして放任、などの理由により「非正常化」してしまう子どもたち。

この非正常化した状態を正せるのはただ一人。

それは子ども自身なのだそうです。

そして、正常化への方程式は

前頭葉の実行能力にとても似ている。と先生はおっしゃいました。

前頭葉は人間を人間たらしめている部分であり、その人間のやる気や社会的適応力などその人にとってなくてはならない、人の人である本質ともいえる重要な部分をコントロールする司令塔だそうです。この部分が失われると感情や意志が失われるそうです。

そしてその実行能力とは、目標をたてそれらを可能とするためにはどのような工夫と計画が必要かを考えて実行する能力をいうそうです。

正常化の条件の一つとして、講演会のタイトルでもある「3時間」のお仕事の時間が挙げられました。(注。保育園や幼稚園でという前提のお話です。)

お仕事の時間を3時間とってあげると、子どもは選んだお仕事をいつまでもやっていいという自由を与えられます。そして、正常化に近づくほど子どもはコロコロとお仕事を変えないそうです。
DVDを観たのですが、そこに出てきた5歳児さんは3時間でやったお仕事はたったの3つ!

お仕事の時間を短くしかとっていないと、子どもは短時間で終わるお仕事しか選ばなくなるそうです。

いきなり3時間を充てるのはむずかしくても最終目標を3時間にすればいいようです。

なるほど。せっかく集中してやってるもの。時間が短くてやり遂げられなかったら心残りですよね。
せめてものラインが3時間ということなんですね。小さなお子さんではいきなりは難しいですが。
子どもの集中。
大切な時間なんですね。

少し専門的な用語の多い記事になりましたが、もともと専門的な講演会だったので。ちょっとつまらないなーと思った方もいらっしゃるかな?(^-^;すいません。

おまけのこんな写真をお届けします!移動ペットショップに出会ったので。
引っ込まないタイプのカメ(^^)折り畳むのね!
金魚すくいならぬ、熱帯魚すくい!やたらジャンプしている魚が多かった(*^^*)こんな近くで見たらかわいい!ハリネズミ!

肩代わり

2013-09-03 01:12:51 | モンテッソーリ教育
先日の大阪の講演会でのお話。

大人が子どもの意志を肩代わりすることで招くことについてお話がありました。
私なりの感想という形でシェアします。

人生の最初の三年間で、自分の意志や選択を学習している子どもたち。
その大切な訓練のチャンスを大人は介入し、干渉しすぎて奪っているのです。
とーっても耳の痛いお話。

例えば、私も夏休み中息子に…。
「今日、計算カードするよね?
どっちやる?足し算?引き算?
いつも足し算ばっかりやけんなー。引き算のチェック表にママのサインめっちゃ少ないよなー。


どっちやる?」
息子「…。じゃあ、引き算やるわ。」

こういう会話!

つまり、選択肢を与えておきながら、大人がその選択を操作してしまっている!

また、選択すらさせないという大人も。
はたまた、「今日何したい?」などのあまりにも幅の広い選択肢を与えることも。

こんな行為が招くのは
「選択=大人に依存」
という子どもたちです。
自分で選べない。
自分で選んだことがない。
自分で選んでも、受け入れられない。

皆さんのお子さんはいかがですか?

成長するにつれ、選択するということは重要です。
いずれ、自分の歩む道を選択していかなくてはならない子どもたち。
そして、選択して関わることには責任が伴います。
そのことも学ぶ子どもたち。

モンテッソーリの活動はいつも自己選択。
やらないという自由もあります。
自由はありますが、枠組みの中です。規律もあります。

意志を持って選択して関わることには、深い集中と自己構築もあります。

その結果、内面から充実感や満足感、自信が生まれます。

子どもが選択するということは大切なことなのです。
大人が介入、干渉せずに選択するチャンスをたくさん与えてあげること。

注意点として、与える選択肢はどちらをとっても、いいような選択肢を与えること。
年齢が低いほど、シンプルな選択肢を与えること。
選択の余地のないものは毅然として選択の余地がないことを伝えること。(この時、謝ったり、怒ったりする必要はありません。ごめんねー、これはダメなのよ。とか、ダメ!とか。ただ、しません。と言うだけ。)
そして!!
子どもの選択したものに文句を言わないこと!(あぁ、難易度高い!)

本当はやりたいけれど、どんな選択肢を与えても
「イヤだ。」
の2歳児には通用しないときもありますが、通用するときも多いです。

自己構築のために大切な選択。
なるだけ、「肩代わり」せず選択することを経験させてあげたいです。
(毎朝、自分で選択して着ていまーす。)