本屋タカクラの日記

野良(放浪)書店員の日常 25年あちこちの書店で働いた元書店員で現在ライターのタカクラミエです。

結婚しなくていいですか。

2008-02-22 19:37:58 | 
益田ミリ著(幻冬舎)が、すこぶるイイ!!

マンガです。
すーちゃん35歳、一人暮らし。
結婚する予定はないけど、しないつもりでもない。
老後に不安はあるけれど、今の暮らしを続けるのも悪くない
と思う。
さわこさん40歳というのも出てきて、こちらは両親と同居
だったっけかな。

いやー、もう凄い。
こんな単純な線のイラスト風4コママンガに、実に多くの
人生の悲哀や喜び、そして希望、が満ち満ちている。

結婚して子どもを持ったから、って全てがまったく幸せで
思い通りってワケではない。
一人暮らしだからって、寂しい毎日ってことでもない。
家族の中にいて感じる「孤独」というものもある。

なんか、へんに幻想を抱いて、現在の自分を嘆く、
とかいうことのばかばかしさに気づく1冊。

これは本当にお薦めです。
「介護」も視野に入った4コママンガ、素晴らしすぎる!
今年のナンバーワン!

今年のナンバーワン多すぎ。

店には平日しかおりません

2008-02-15 19:34:28 | 日常
9歳と6歳の子どもを育てている関係上、書店の仕事は
パートで平日だけ働かせて貰ってる。
土日は、普段あまりにも忙しくかまってる暇がない子ども達
との時間と決めてるからだ。

でも、サービス業である書店で働くのに、一番忙しい時は
働けません、というのは本当に心苦しい。
なので、そんな自分でも使ってくれるところがあるのは僥倖
と思ってる。ま、いつまで働かせて貰えるかは、ワタシの働き
次第なんだろうけど。
綱渡りのような本屋勤務ですが、なんとか頑張ってます。

時々、本の読者の方が、日祝日に店を訪ねてくださることがあり
嬉しいやら申し訳ないやらですが、そんな事情で、おおむね平日
しか店におりませんのです。

休暇

2008-02-11 22:19:12 | 日常
たまーに、年に何回かだけど、煮え煮えになったワタシを見かねて
同居人がワタシを一人にしてくれる時がある。

自分的には、なにかが限界に近く、まさにそのタイミングで一人にしてくれる
ので、そのタイミングがわかってる同居人の思いやりの深さを思う。

そしてそれに単純に感謝してればいいのだろうけれど
自分の危機を救ってくれてるけど
「同居人の煮え煮えをまったく関知してないよ!自分」
と嬉しがりながら落ち込むのだった。

与えられるばかりの自分。
そういうものを嫌悪する。

でも同居人は多分大丈夫で、そんな無限ループに落ち込むなよ
めんどくさい!と思ってるとも思うのだ。

で、また無限ループなんだけど、自分の煮え煮えだけを救って
貰ってて、自分は誰の助けにもなってない、とかいうことに
深く落ち込む。わたし、役に立ってない?アナタの?
というより、迷惑?

というように、日々誰かの迷惑になってないかと、怯える
自分が既に問題、つうか変。

つうか、久しぶりに自宅酔い、酔っぱらい。嬉し。くふ。

非常階段 福岡ライブ

2008-02-11 00:19:06 | 日常
に行ってきた。
JOJO廣重夫妻と会うのは実に十数年ぶり。
ノイズのライブなんて始めての体験で、ものすごく緊張する。
一人で行くのが心細くて、会社の同僚(音楽好き)に頼って
みるが予定が合わずフラれ、一人で行った。

無事JOJO夫妻に会えて、その後ライブ。

いやー、ぶっ飛んだ。
音の洪水、揺れる、揺れる、ジュンコさんのボーカルをきく
のは初めてで、人間の声って楽器なんだ、とか呆然と思う。

音楽の難しい理屈はよくわからない
むかーしむかーしのボーイフレンドがくれた山下洋輔の
CDは正直言ってあまりよくわからなかった。

町田町蔵が一等好きで、遠藤みちろうも好きで、あとは
エルネスト・カブール、ピンク・フロイド、トム・ウエイツ
ルイ・アームストロング、たま、グループ魂、中島みゆき
と殆ど支離滅裂なワタシだが、バラードっぽいものが基本的
に好きなんだと思う。おおおおお、早川義夫を忘れちゃいけない。

なのに、非常階段のライブには「やられた」感じ。
なんなんだろう。
凄かった。
また体験したい。

ううう、なんか整理できてないけど、びっくりした、とともに
あの誠実で真摯なJOJOさんとジュンコさんが、吹き出す
マグマのような「うた、おと」を内に秘めていて、ライブで
噴火する、ということを数十年続けてきている、しないでは
いられない、と今更気づきなんという「業」だろうか、と思う。

側にいた客は外人と若い人が多かったけれど、非常階段のファン
の人ばかりだった。凄く嬉しそうだった。始まる前から。

凄いね。

毛深い小説読了(有頂天家族)

2008-02-05 19:31:24 | 日常
いやー、毛玉だった綿埃だった荒唐無稽とはこのことか。
面白かった。毛深さ200%って感じ。
モリミー小説京都地図、みたいなのをどこぞの書店員さんが
作ったとか作らぬとか。作りたくなる気持ちがわかる。

でも
「悪人」の福岡地図は、あんまり作りたくねーー。
ファンとかそんなものにはなれない重たい作品か。
読み始めたけれど、もうただただ読みすすめたい。
やっぱり吉田修一、大好きだー。
ううう、八日目の蝉と競う、自分の中で。
「ゴールデンスランバー」で小説の醍醐味を味わった読者に
もっともっと小説世界は奥深いよー、とさらなる小説の深みに
誘うことができる作品だ、二つとも。うーるるるる。

わたしのパソコンはマックだが、モバイル用にはウインドウズ
パソコンを利用してる。年に数回だが。
そいつの動きがちと不審。
もう7年選手なのに、一度もフォーマットなどしてないので
再インストールする時期ってことか。
いろいろ面倒だー。
1日仕事だしなあ。ガンバロ。
でも、パソコン触ってるのは好きだから苦にならない、時間さえあれば。
その時間が無いからなあ。
なんでこんなに時間が足らないんだ。
わたしがしたいことに対して、人生の時間が足らなすぎる。嗚呼。

本屋大賞のための読書

2008-02-03 07:13:02 | 
角田光代「八日目の蝉」中央公論新社

は、ノミネート投票の時までに読んでいたが、10作品のうち
半分は読んでいない。

というのも、書店員といえど「単行本」をぽんぽん購入できる
わけでは無いのであった。
年間300冊以上をは読んでいると思うが、その半分以上は
図書館に頼っているのである。

というわけで読んでなかったものを読みすすめる。

あ、「八日目の蝉」はもうタイヘンにお薦めです。
凄いね、凄い作品だ。
新聞には書いたけれど、不倫をしてる若い女性が、相手の
家から生まれたばかりの赤ん坊を「つい」さらってきて
しまうところから始まる本書は、なんというか「家族」とか
「生きる」とかの本質をぐらぐらさせる力作。ぜひ。

伊坂幸太郎「ゴールデンスランバー」新潮社
こいつもグイグイ読まされた。帯に「伊坂的娯楽小説突抜頂点」
これまでの作品の集大成(娯楽的要素の)みたいな一つ抜けた
感がある。この人30半ばですよ、凄いなあ。
いや面白かった。

森見登美彦「有頂天家族」幻冬舎
帯に笑った「かくも毛深き家族愛!!」これ考えたの編集者かなあ。
京都の東山通り界隈を部隊に「狸」や「天狗」どもが繰り広げる
怒濤のすったもんだ。まあ、京都にはキツネもタヌキも人に化けて
しゃあしゃあとしてる、と言われて納得してしまう雰囲気があるかも。
これは読み中。

いやー、これ投票悩むね。
あとには大御所(自分的)吉田修一「悪人」朝日新聞社が控えてるし。
桜庭一樹は読むのが最後になりそうだわい。

ワタシの同僚、先だってガンダムをくれたのとはまた別の方
が息子ミエゾウにガンダムのプラモを二つ下さった。
ありがとうございます。
気違いみたいになって、一つ目を作り、もうふたつ目に入ってます。
(頂いたのは金曜日)
しかし、この二つに至っては、オモチャ屋さんの包装紙が巻いたまま
という、ガンプラってどんだけ作られてないものがそこここに転がって
んねん?!という疑問が彷彿。

世間のある年齢層(と言っても幅広いゼ結構)の男子は、脊髄で
反応してガンプラ買うですか? 脳まで情報行ってないない?
脳まで情報が行ってないだけに、買って帰ってくると本来の目的
「作る」とかいう行為には至らず、そこらに放置。

そしてあるひ、職場で「うちの子いまガンプラにはまって気違い
みたいになってはんねん」という話に食いつき
「あ、うちに作ってないガンプラありますよ、持ってきましょうか」
とかいう事になるのか、そうなのか。

ワタクシ的、ミエゾウ的にはとってもありがたい事だけど
また一つ、世間の謎が解けて、いや深まったのか、嬉しいけれど
作られなかったガンプラの行く末を思う。