本屋タカクラの日記

野良(放浪)書店員の日常 25年あちこちの書店で働いた元書店員で現在ライターのタカクラミエです。

放射線のための型取り

2020-05-08 16:28:32 | がん日記


そういえばワタシの実母も癌サバイバーであった。
38歳くらいのときに子宮癌をやっている。(年齢は適当)
その後、再発せず糖尿病を長く患いその合併症により亡くなった。

実父も胃癌をやって切除し5年以上生きているから
まあ癌をやっても死ににくい家系かなと勝手に思い込んでいる。
2人に1人はかかると言われている現代、家系もなにもないけれど。
信じて都合がいいことは信じることにしているので。

入院して2週間が過ぎた。
留守を守っている子どもたちには長い日々だろうが
こっちはあっと言う間だった。
翌日から抗癌剤を始めて、1週間後には終了したが
副作用のピークはその直後5月1日だった。
それまで、抗癌剤投与から3日目で5kg体重が増加
それはおもに水分なので顔もむくみ
投与開始日に突然2本抜歯したこともあり
顔が蹴って転がしたいほどになっていた
利尿剤でおしっこをシャーシャーとだすとともに
体重は減少したが、まず下痢と倦怠感がじわじわときて
ずっと横になっていた。
椅子に座る気が起こらない。
だるい倦怠感のなか、食欲だけはまったく衰えず
三度三度おいしくご飯はいただいていたが
とうとう5月1日の夜は一口も口に入れられなかった。
と書いたが、りんごは食べたのだった。吐き気止めをもらう。
吐き気と言っても、こみ上げるまではない
ただ、体を起こすと気分の悪さが増すので
とにかく、起きるのがおっくう。
夕食時にもらった吐き気止めは、すぐにきいた
20分くらいで、ちょっとだるい感じの倦怠感になった。
薬のちから偉大だ。

入院してからずっと、なにかの拍子に気持ち悪くなるおじさんのこえが
聞こえていた。いわゆる絵図きごえである。
そんなに長くは続かないが、1日に何度かはやってくるようだった。
これはちょっと辛そうだった。
それも気づけば、ここ1週間は聞かなくなった。終わったのかな。

このへんから微熱が出た。
7度とか7度1分とか
それもあいまって、やはり倦怠感は続いた。

吐き気があると本すら読めなくなるが
微熱程度ではミレニアム4、5、6(ハヤカワ文庫)が
読めてしまう。
逆に、映画やドラマは見られなかった。
思った以上に目から入るたくさんの情報には
ヤられるらしい。5月3日の深夜、大雷の日に38.4分を記録して
それが最高の熱だった。
それ以上に上がると、どっかが感染症を起こしている
ことになるので、ナースコールをしてと
厳命される。
なぜなら8度4分まででたときは
「熱がでとるな」と思っただけで
そのまま雷に驚くことに集中していたからだ
天変地異が起こったと思って
飛び起きたくらいの雷だった
うちの犬並みに雷が怖い浪人生は大丈夫だろうかと
切なく思う

そして翌朝、熱は7度3分くらいに下がっており
なにかが暴れて熱が上がってるなら
その暴れてるときに血液検査をしないと
特定できないから、熱があがったら教えてと
言われたのだった。
5月4日を最後に発熱はおさまり
同時に倦怠感も去ったのであった。
それからの4日間は映像見放題祭りだった。
ABEMAで無料放送していたAKIRA
ミエゾウのおすすめ四畳半神話体系(アニメ)
TverでJin(村上もとか原作 ドラマ)
家に全巻あるのにネットで読んだ動物のお医者さん
に触発されてテレビドラマもちらっと

髪の毛はまだ抜けない。
と思って手櫛をやってみたら
6本くらいは抜けた

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入院6日目

2020-04-27 16:18:29 | がん日記
待ちに待ったレンタルWi-Fiが届く
簡単すぎる設定
初めてインターネットに接続した1995年から考えると
隔世の感である

抗癌剤第一回目は本日の深夜に終了
いまのところ気分が悪くなったりという副作用はなし
これから出てくるのだろう
放射線の説明を受ける

一定の温度で変形するプラスチックのネットで
肩から上の型取りをして、そのネットにがぱっとはまって
動かないようにして放射線を当てるのだそうだ
閉所恐怖症のワタシに耐えられるかと思うが
ネットだからそこまで閉塞感はないそうだ

放射線科は地下にあり、そこに行き着くまでに
「安置室」などもありドキドキしながら通る

偶然持ってきた本の中に
上橋菜穂子「鹿の王 水底の橋」(角川書店)
木皿泉「さざなみのよる」(河出書房新社)
がありむさぼり読む

医と死の本である

どちらの本もワタシをゆったりとさせてくれた
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抜歯

2020-04-24 17:46:55 | がん日記
2日たった。
入院して。
昨日から抗がん剤は始まっているので
どこに行くにも点滴台をお供に引き連れて行く

入院していると、患者はそこにいて
いつでも診療し放題である

入院した日は、12時に入院手続きをして
病室に入り、持ってき忘れたカップなどを
売店にて購入し、着替えや洗面用具などを
良きところにセットしたらもうすることがなく
4時20分頃に主治医の耳鼻科の先生と
病棟の耳鼻科の先生2人から診察を受ける
病棟の先生が若い女性で主治医から
指導を受けているようだ。
鼻からカメラを入れて患部を見せる
そのあとエコー

診療室は病室から近く、ナースセンターより近い
すぐだ。
それで気が楽って言うわけじゃないだろうけれど
診察終わって部屋に帰って
晩ご飯食べて、まったりしてたら
7時半くらいに
主治医が急にやってきて
「ちよっと、組織とらせて
喉をちよっとかじらせて」
と、言いながら連行されていったのだった。
そして鼻からカメラ
じやなくて、組織をかじる何かを入れられて
3箇所かじられたのだった。
もちろんちよっとは痛い。
あだだだだ
というくらい。

まあ、万全を期すために、いろいろやって
もらっているので、それは有難いことなのだ。

そして今日、歯科検診が、あった。
放射線治療をすると
抜歯することが出来なくなるのだそうだ。
なので、虫歯はやっつけとかなくちゃならない
検診すると、虫歯が二本あった。
じゃあこれは月曜日から一本ずつ抜きましょう
ということで診察は終了
部屋でまったりしてたら、16時に歯科まで来てって
看護師さんから連絡

そして行ったら
2本を一挙に抜いたのだった。
タカクラ史上最高に緊張しない抜歯
いきなりだから
心の準備とかないから
麻酔も抜歯も上手で
殆ど痛みらしい痛みはなかった
楽ちんだった
全部で、小一時間

診療に特化した日々です

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下咽頭癌になった

2020-04-22 13:50:39 | がん日記
タイトル通りだ。
昨年ワタシは食道癌のごく初期のヤツをやり
内視鏡手術でやっつけたワケなのだけれど
今度は、それとは関係ない別途の
下咽頭癌が発生した。
手術をして取ると、それは声帯ごと、というオオゴトに
なってしまうので、化学療法で行きましょう
ということになり、今日入院したところだ。

リンパ節転移がありステージは4
ほかの癌だとステージ4だと末期みたいなイメージが
あるかもしれませんが、十分治療が可能だと
思っています、と主治医に言われたので
素直にそれを信じている

新聞連載の眼述記は2017年の秋から始まり
それからずっと同居人(という名の夫)
のことばかり書いているので
ここらで自分のことを書くのもいいかなと
数年ぶりにブログを更新してみるのだった

2人に1人は癌になると言われてる現代
その2人分を1人で引き受けているので
確率的には誰かが助かっていることになる
ん?なるのか?

まあ、食道癌をやる人は、
その癌を引き起こした原因が
別の癌を引き起こす事が稀ではないそうだ。
それはすなわち喫煙と飲酒
喫煙は31歳ですっぱりやめたものの
飲酒は365日の人であった
お医者さまの話を総合すると
強いお酒を嗜む人ほどリスクが高いそうだ
食道癌で酒はやめたのだが
(やめられた自分に驚いた)
若い時の強いお酒で痛めた喉や食道は
のちにジワジワ来るんだそうである

ということで、
お酒はダメだという気はまったく無いのだけど、
薄めて飲むのが吉ですよ
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津川雅彦 死去

2018-08-08 00:38:13 | 映画
https://mainichi.jp/articles/20180808/k00/00m/040/216000c

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やっと自分の時間

2018-05-06 22:34:35 | 日常


現在、23時34分

ペットボトルとビンの回収日なので、一ヶ月分のペットボトルとビン類を
いま回収場所に出してきた。

明日の朝ごはんと娘の弁当のためのごはんは
炊飯器でタイマーセット済み。

これからゆっくり、本を読んだり、ネットに耽溺したり
SNSに「いいね」をしたりするのだ。

「やっと自分の時間」
と書いたけれど
そんなに明確に自分の時間はなくて

これから1、2時間くらいはたぶん同居人はぐっすりで
なので、このブログを書いているんだけど

状態によっては、午前2時に起きたり
午前3時に起きたり
午前4時に起きたりするのだ

起きる時間の法則は、まだわからない

ただ、わたしを呼ぶ声が聞こえる
「うーうーうー」

わたしは起きる

「おしっこがしたいの?」
「目がかゆいの?」
「鼻がかゆいの?」
「でこがかゆいの?」

どれも違う


「でこと髪の境目がかゆい」

えーーーーー、そこかーーーー

ピンポイントでそこかーーーーーー

がしがしがしがし(境目をかく音」

というような毎日です。




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新連載「眼述記 脳出血と介護の日々」

2017-11-29 03:15:37 | 日常


という見出しで
ぜんぜん関係ない、2年前のマンガの一部を載せてます。

新連載は、毎日新聞で2017年10月25日から開始して
本日、11月29日(水)に、4回目が掲載されています。

育児コラム&マンガ「ちゃんとして 母ちゃん!」
を2013年に開始して4年間
長男ミエゾウの妊娠時から始めて
4年かかって、ミエゾウ6歳、ムギが3歳くらいに
マンガの中では、育っていた
しかし、現実の彼らは大学1年生と高校1年生に
なっており、ミエゾウにいたっては、もう家にいない

そして、マンガの中と現実の我が家と
決定的に違っているのは
同居人と言う名の夫が、3年前の11月に脳梗塞&脳出血で倒れ
車椅子生活になっている、ということだった。

1996年のある日、西日本新聞の陽気なデスクに
なんか書いてみろと言われるままに
新聞にコラムを書く人になって
途中、毎日新聞に場所を移し
気づいてみれば20年が過ぎた。

2001年頃から、絵も描かせろと
ゴネて、自分の文章に自分で
一コマイラストをつけるようになり
それはいつしか4コマに増殖していた。

途中、本当に調子にのって9コマ漫画を
描いていたのだが、漫画にかかる時間が
異様にかかることに気づき息切れし
また4コマに戻させて貰った

2006年には、それまでの連載をまとめて
書肆侃侃房より
「書店員タカクラの本と本屋の日々。‥‥ときどき育児」
なんて本も出していただいた。
同時に、ブックオカという本のイベントに
関わるようになり、毎年秋頃には
泥のように酔っ払いながら
イベントの手伝いなんかしてて
同居人が倒れた日の前日も
ブックオカのイベントで
ミエゾウも連れて
作家さん(それは法坂一広氏と岡崎琢磨氏)のトークライブ
に出かけていたのだった

そして同居人が倒れた

っていうかほとんど死にかけた



「暗い淵を覗くような」
という表現があるが
そんな記述をみると
陳腐だ、なんて思ってすらいた


しかし、人間は、本当に

ありもしない

黒い黒い
底のない
沼のような空間を

飽きもせず見降ろし続けるのだと
50歳にして知ることになった

油断すると、その沼に
頭から
すっとん
と落ちてゆき
ひょっとしたら
そうなったほうが
楽なんじゃないか

なんて
妄想まで広がる恐ろしい沼だ。

しかし、同居人は死ななかった。
恐ろしい生命力で生き延び
そして、記憶も言語も取り戻し
体が動かない以外は
とてつもなく元気な車椅子中年に
なって家に戻って来たのだった

わたしが覗くのはありもしない沼ではなく
そうとうにとっちらかって
面倒くさいことが山積みの現実だ

そして、その現実を
ようやっと、文章にイラストに書くことができる

夫が大病を得て、たくさんのいろんなかたに
助けられて生き延び
本当にたくさんのかたに
支えられて今がある

頭痛がして病院にいって
「心配事や負担を減らさないと治りませんよ」
と医師に言われ
家に帰って同居人に
「と、言われたんで、あんたを川に捨てに行くか!」
さいわい室見川が近所だし(がはは)
と笑いながら言えるくらいには元気に
暮らしている

そんなこんな日々に気づいたのは
人は、多かれ少なかれ
何かを抱えて生きている
ということだ
抱えているものの大小や
どれだけ大変かを
比べることに意味はない
大変比べをするくらい
無駄なことはないからだ

そんな人々の日々があるということが
わたしにとっては
ずいぶんと励みになっているのだった

近くに遠くに
心配し、気遣ってくださる人々の気配を
感じるとき
なんだかとってももうしわけないような
でも嬉しいような
そんな気持ちになります

ありがとう
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2017.08.27「ぎりぎり今日」

2017-08-26 23:56:55 | 日常
びっくりするけど、ミエゾウが大学に進学して
この4月に大阪に旅立って、
数ヶ月ぶりに
帰ってきたのです

子は、さっと出て行くけど
さっと帰ってくるね
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2017年 あけました?

2017-01-01 00:11:29 | 日常
2016年のこの日。
二日酔わない正月、などとほざいていたのですが
二日酔わない正月の朝から呑んだくれ
それからこないだまで、ずーっとまあまあ酔っ払いでした。

そしたら、秋の健康診断で
「コレステロールがやべえよ。つうか治療しろ」
という結果が出て、近所の内科に行って
「コレステロールがやべえのをなんとかしてください」
と申し述べたところ
「これくらいの数値では、治療するのは迷うところなんですが
治療しろというならば、薬をだしますよ」的なことを言われて
出された薬がクレストールというやつで

それを服用して二週間くらいのところで
ふくらはぎが痛くなったので内科に行ったら
「そんなところの筋肉が痛くなるのは、別のことが
原因じゃないかね」
と言われたので、正直に、新しく買ったスリッパの靴底が変な
角度に傾いてたので、そのためかも、と申告した。

そしたら、筋肉痛いのは「気のせい」ということになった。
でも、「気のせいではないかもしれないので、クレストールをやめて
一週間後に検査してみましょう」と言われて
一週間後に検査したら
クレストールが効きすぎてることがわかった。
コレステロールがガンと下がってる。
j肝機能がガンと下がってる。
肝機能障害レベル。

「クレストールやめてください。正月明けに、もういっぺん検査しましょう」
      ↑いまココ
で、クレストールやめて
一緒に酒もやめたのが12月17日。

14日ぶりの酒です。

すんげーーー、うめーーー。

よっぱらい、最高。

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過去ブログから発掘「ニーズに逆らうH本追放」

2016-11-21 22:35:53 | 走る
ニーズに逆らうH本追放 1998.05.14

 「支店にも、いっさい行かなくていいからね」と、とある書店の本店で申し渡されたと、アダルト系出版社の営業氏の悲鳴をきいたのは今年の初めごろだったか。その前に「こないだ突然棚からエッチ系雑誌が消えたんですよ。あそこ」とお客さんが教えてくれていたので、なるほどねとわたしは納得したのだが「注文書すら見て貰えなかった」と営業氏の嘆きは深かった。
 それでなくても都心部の大型書店ではエッチ関係が冷遇されているので、ここいらで営業できる書店は数えるほどらしい。ここ福岡市の中心街は、数年前からドカスカ新しい建物ができデパートが増え書店が急増した。流通戦争だの書店戦争だのと新聞やテレビでは一通り特集をし、もとからあった書店は戦々恐々として数年を耐えた。何パーセント落ちた、どこそこにもって行かれたという話題ばかりが業界内では繰り返された。そんななか、福家書店も昨年11月に新店を出した。この店舗は、もともと丸善さんがあったのだが、ご近所に超大型店を出すために引っ越していかれたのだった。ある程度は覚悟していたが「あれ?ここにあった本は?」と、店が変わったことに気づかず尋ねられるお客さんの多さには驚いた。本を買った後で「あれ、福家?丸善はどこ?」という人も多い。結局の所、それらの人々にとっては、九州最大の書店が出来たことや、書店戦争なんて関係なかったんである。
 書店業界において「個性化、差別化」が言われて久しいが、逆に自意識過剰になりすぎていないか。本屋に限らず小売りは、自分が置きたいものでなく、お客さんが欲しいものを置くべきだ。お客さんの欲しい本とは<新聞や雑誌でものを言う機会のある人たちが、声高に置けと示す本>ではない。<今日、確かに、ひっそりと売れていった一冊のエッチ雑誌>である。
 アダルト関係を熱心に売れとは言わないが
「売れない、書店が増えすぎている、景気が悪い」
と嘆く前に、何が本当に売れているのかを、素直に見つめたい。

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