夏が来ました

受験生活のために
しばし世俗を離れていたけど、
無事に現世に戻ってみると、
なになに？もう梅雨が明けてたの？
あらら、もう8月だよ。
早くビアガーデンを探さなくちゃ。
バーベキューの日程を考えなくちゃ。
奄美大島の飛行機も押さえなくちゃ。

試験さえ終わったら、試験さえ…
って思いながら頑張ってたんじゃん。
あぶないあぶない、
乗り遅れるところだった。
さぁ夏が来ましたよ。



で、花火はいつだって？
おっと、今週末か。


…やばいっ。
ゆかた、
縫わなくちゃ。

お医者さんごっこ

同期の7人で
とりあえず1日目終了の乾杯。
とはいえ気になるのは
さっきの試験のことと
明日の面接のこと。

面接試験は
インフォームドコンセントの
ロールプレイングがあるらしいので、
患者役の試験官になって練習してみました。
「先生、最近気分が落ち込むんですけど…」
（ビールをグビグビ）
「それはホルモンバランスの問題かも知れませんね
（さつま揚げをパクパク）
詳しい検査をしてみましょう」
「それは治るんですか？
あ、ウーロンハイお代わり」
「大丈夫です、ホルモンが原因なら
治療でよくすることが出来ますよ」
（私も次の飲み物頼もうかなぁ）
「ちょっとメニュー取ってー」…



梅田の居酒屋さんで
迫真のお医者さんごっこです。
どうかな？
こんな感じで受かるかな？

体力が肝心

筆記試験終了…。
3時間の試験で集中力は限界です。
この年になると
試験って体力勝負ですねぇ。

大阪の会場は予想以上の人で、
同じ科の同世代の医者がこんなにいたのかと
びっくり。
誰が医者不足なんて言ったんでしょう。
みんな自分より優秀なんじゃないかと
ついビビってしまうわ。


やれやれ。
明日の面接試験に向けて、
とりあえず梅田で飲み会だー。

あー、試験って体力いるわ。

試験前

今週末に迫った専門医試験。
今さらボリボリ勉強してるなんて
あんまりカッコよくありません。
外来が終わると、ローテーターの子には
「まだ手術まで時間あるし、
　私は遊んでるから先生も適当にしてて。
　また後で。オペ室でね」とおヒマを出します。
……そうして
医局にこもってボリボリとお勉強。


医局の隣の机の先生が
ジュースと週刊誌を提げて入ってきましたが、
私のただならぬ雰囲気に気が付いたようで
「あれ先生、試験もうすぐですか？」とニヤニヤ。
そういえば内科も認定医の試験があるんですよね？
先生も勉強してませんでした？
「あ、ボクはもう終わったんです」
そうですかー、いいですねー。
どうでしたどうでした？
「ええまぁ、適当に終わりました」
へぇ、余裕ですねぇ、先生優秀なんですね。
「いえいえ、先生方の専門医とは違って
　内科の認定医なんて、取れないと恥ずかしいですから」
ふーん、私たちのも
取れないと恥ずかしいんだけどな。
「試験の前半が終わった時点で
　ああこんなもんかって思って、けっこう気が抜けました。
　後半はさっさと出して出て行くヤツも多かったですよ、ハハハ」
へぇー、いいなぁ。
私もこんなもんか、って思ってみたい。
さっさと出して出て行きたい。
そのためには

勉強勉強…
ボリボリボリ



それにしても、
もう大学の頃からだけど、
試験前になるといつも
不思議なことが起こります。
やたら
机の周りが整頓されたり、
鍋が磨かれてたり、
取れかけのボタンがつけられていたりします。
普段はパンパンと叩いてしまうだけのハンカチに
いつの間にかアイロンが当たっていたりします。
試験前になるとなぜか。


それにこの
NTTでもらったうちわの長澤まさみは
いつの間に
おてもやんになったんだろう。
あれ、鼻毛も出てる。
気が付かなかったな。
いつの間に。

受験票、入れた？

早起きをして勉強するという
ブリちゃんのために、
じゃぁ朝電話をかけてあげるよと
提案したのが5月末。
それから
ブリちゃんの体調不良が2回と、
私がその時間に
当直で処置をしていた3回を除いて、
くる日もくる日も
朝の電話をかけ続けること53日。
そうしてついに
この日を迎えました。
いよいよブリちゃんの
一級建築士の1次試験です。

「試験があるんだよねぇ」と言いながら
博多でラーメンを食べていた私と違って、
文字どおり
仕事と寝食以外の時間を
全部勉強にあてていたブリちゃん。
願わくば、
その努力がムダにだけはならないで欲しい。
子どものセンター試験の日の親も
こんな感じに違いない。
もうこうなったら
合格しますように、とかではなくて、
とにかく無事に試験を受けて
力を出してこられますように。

最後のモーニングコールこそ責任重大だよ。
もちろん試験当日は
ブリちゃんも自分で起きるだろうけど、
念のため私もアラームは２つ合わせておこう。


さぁ、最後の電話です。
ああもう頑張って！って言いたいけど、
センター試験の日でも、
平常通りに振る舞いなさいっていうでしょう。
いつもと同じ朝ごはんを食べさせて、
あんまり親がオロオロしては
子どもまで緊張が伝わって
変に力な入ってしまいます、って。
そうそう、一番緊張してるのは本人なんだから、
電話もなるべくサラッとね。


もしもし、おはよう
（サラッと…サラッと…）

普段通りにサラッと電話を切ったけど、
なんか眠そうだったな。
さすがブリちゃん大物だわぁ、
緊張感を感じさせないわ…
って、いやそんなまさかね。
でも
もう一度電話をかけてみたら…

おいおい、二度寝かいっ？！
緊張してるんじゃなかったの？
試験当日に、二度寝っ？！
私は一つ目のアラームで飛び起きたのに？
ブリちゃん何時に家出るの？
で、試験は何時から？
ほんとに間に合うのー？！
あーもう、
頑張ってきてーー！！

ああっ！
受験票、入れた？！

何かいいことあるんですか

今月まわって来ているローテーターの女の子は
やる気があってノリもいい。
朝、一緒に回診をして、
私なんかよりうんと丁寧にカルテを書いてくれます。
外来の見学もまじめだし、
ちょっと気になったことはどんどん聞いてくるので
こっちも教え甲斐があるってものです。
こういう子は他の科でも
どんどん吸収して力をつけていくのでしょう。


午前の外来がようやく終了。
「おつかれさまでした！
　先生、お腹空きましたねっ」
こういう素直なところもまたいいねぇ。
さ、お昼食べに行こうか。
「いやー、今日は外来多かったですねー、
　ところで先生、今日みたいな日は
　午後は何してるんですかっ？」
おっと、遊んでると思われちゃ心外だ。
ちゃんと教えてあげよう。
じょいフル先生は勉強してるんだよ、勉強。
専門医の試験がもう今月末だからね。
「大変ですねー、
　その専門医ってのになったら、
　何かいいことあるんですかーっ？」
え…
そりゃ専門医になったら……

別に何も…

ない。


専門医にしか出来ないって
決められてることもないし、
給料があがるわけでもないしねぇ。
専門医になったからっていいことは
別に何もないかもね。
万一今の病院をクビになっても、
専門医ですって言ったら
他で雇ってもらえるくらいかな。

「じゃーどうしてそんな試験
　受けるんですかーっ？」
うーん、それはだねぇ。
こらこら、オトナを困らせるんじゃない。
もっと医療のことを聞きなさい。
明日のオペのこととか、
今一緒にみてる患者さんんのこととか。


でも素直でやる気もある子だから
教えてあげようかな。
ねぇねぇ、彼氏はロマンチスト？
ひょっとして将来、
カツオ漁師になりたいとか言ってない？
専門医になれたらね、
医者としては何の箔もつかないけどね、
あちこちの漁村の医院で
働けるようになるからね。

彼氏を日本一の漁師にしたかったら、
専門医、とっておいて損は
ないと思うけどなぁ。

すごいヤツ

開いただけの生うなぎは
見事な炭焼きになりました。

ゆうちゃんが
ネーベン先の落合で買ってきた七輪は、
1200円とは思えないパフォーマンスといい
控え目なたたずまいといい、
高級多機能オーブンに
決して引けを取らない
すごいヤツ。

作戦会議

かねてから内々に進めていた
ピノコちゃんとの極秘計画。
ゆかた姿に武装して
ナショナルデパートに奇襲をかける作戦は、
あっさり
倉敷ランチに取って代わられました。
大作戦なんだから
実行までには綿密な会議が必要よ。
それに私のゆかたは
まだ完成してないんだもん。
袖口はちゃんと手縫いなんだけどね。

美観地区の「スワン」で
ハモのソテーを食べながら
手作りとおいしいものと倉敷が大好きな
女の子２人が話したこと。


ー冷や汁作ってみてよ、絶対おいしいから
　ゴマは沢山ね、ありえないくらい沢山

ーストックが無くなったときに他のパンを食べると
　いくら食べても満足しないの
　でもナショナルデパートのだと、一切れでもすごい満足
　固いから？じゃないよ、あーいいもの食べたーって思うから
　　
ー着物の生地からアロハシャツ作れると思わない？
　かわいい着物柄でもアロハなら全然おかしくないもんね

ーピノちゃんとこによくコメント書いてるあの人、
　すっごくいい人っぽいねぇ
　あんなこと書ける人、いいと思うよー

ー私も料理教室、行ってみようかなぁ


昨日は雨が降ったり晴れたりだったけど、
三連休の美観地区は人でいっぱいでした。
あんなに観光客が来る場所で
同じお店を地元人も普段使いするところは
そうないんじゃないかなぁ。

次こそは
作戦実行だよピノちゃん。
ゆかた武装で
ナショナルデパート前に集合ね。

アンチクーラー

余計なことは言うんじゃなかった。
平和な夜のはずが
あれから入院と処置が次々と来て、
就寝したのは6時半。
余計なことは
言うもんじゃないねぇ。


クーラーをつけない家で育ったじょいフルは
当直室でもクーラーを消して寝ます。
夜中に起こされて出ていくと、
患者さんに「すいません、お忙しい時に…」
と恐縮されることがしばしば。
出てきた女の医者がスッピンの上に
何やら汗ばんでいるものだから、
どれほど忙しいのかと思うのでしょう。
申し訳ありません。
全てはアンチクーラー派で
スッピンを気にしない
私の性質によるものです。

たまに今日みたいに
汗ばむくらい忙しい当直もあるけれど。


でも無事に帰ってきました。
わーい、ようやく週末です。
丸一日冷房の効いた病院でいるなんて不健康だわ。
夏なのに汗をかかないなんて。
だから病院から出てきた時に
朝から暑い日射しを感じるとホッとします。
そうそう、夏はこうでないと。
タンクトップと短パンでないとならないくらい
暑くないと。

平和な夜は

袖口なんかは手縫いの方がいいからね。
当直室に持ち込んでちくちく。

病棟は落ち着いていて
今日は平和な当直です。
さっきお風呂もすませてきました。

これで冷たい豆乳でもあれば
最高にいい夜なんだけどなぁ。