エボニー 商談不発

所有している木刀の内、一本がエボニー木刀です。

今回の記事は私ごとなのですが

現在、兵庫県但馬の空き家本家に車帰省しておりまして
色々手続きや作業と問題が山積みなのですが
私個人の最大の目的はコレでした。



黒檀（エボニー）座卓の売買商談でした。
付け加えで紫檀（ローズウッド）の座卓。



1980年代後半〜90年代前半にインドネシアで造られた座卓です。
昔、特に黒檀の座卓なんか持っている事は
一種ステータス、自慢だった様です。
曽祖母が戦前、写真の座卓より小さい黒檀の座卓を持っている事が
自慢の1つだった様。曽祖母はやり手で神戸で戦前から事業で
ある程度の成功を収めていたのですな。
神戸大空襲で事業はパーになりましたが。（現在、座卓は大阪に置いてます）

今回は父がインドネシアのジャカルタに赴任していた90年代
この本家の祖母、そして母の実家の祖父母に
プレゼントとしてジャカルタから黒檀の座卓を贈ったのですね。
私の家は300年程歴史が有りまして、建物も1700年代中盤から。
ただ、私の代で潰える事と成るので
世界的に入手が難しい高級木材である黒檀（エボニー）座卓を
ギターの指板用として、某ギターメーカーさんと昨年秋から
話を持ちかけ、今回の帰省中に見に来て商談の段取りが付いていたのですな。

が、帰省して訪問日程も決まっていたのですが
社内で話し合った結果という事でお断りの連絡が有りまして…(泣)
理由は至極簡単、家に有る座卓は「縞黒檀」だったのですな。
高級木材で有ることは変わりないのですが
縞黒檀なら現在、木材入荷可能という事で……。
数十本分の指板が確保出来る大きさなのですが
認知症の父なので意思疎通が取れないですが
本家には戦前の古い黒檀の座卓が有るので
敢えて木目が良い縞黒檀座卓を送り
母方の実家には真っ黒エボニーの座卓を送った…
と想像出来ます。
これが…逆ならなぁ……とつくづく思ってしまいました。
3桁で売買成立したかも知れません。
先方の目的が黒檀だったので当然紫檀売買も
消えてしまいました。ローズウッドテレキャスターの
ボディー材として検討されていたそうなのですが。
厚みはあるので上手く製材出来れば10数個の
ローズウッドテレキャスターのボディー材として
取れたと思うので無念、少しマイってしまいました。
関西中心部に住んでいたら紫檀だけでも持ち込めたかもで。
（めちゃ重いしワンボックスカーが必要ですが）

この縞黒檀の座卓、後継者が居れば焦る事無かったのですが
今の御時世、お座敷として和室を造る方は少ないでしょうし
楽器用としては古いモノの方が価値ありますが
普通の方々は新しいモノの方が良いですからねぇ。
（ギターの買取と同じ様に）

過疎化が進み空き家が増える地方。
売れれば、終活の一部が進み
こちらの家土地の色んな税金や維持費等に回せたのですがね…。
つくづく、父が真っ黒な方の黒檀（エボニー）を
送ってくれていたらなぁ……と思うのでした。
多々妨害ある中、必死こいて車帰省したのですが。
（持病的に800kmは中々ハード。アメリカでは当り前の移動距離でしょう）

因みに、縞黒檀のギターを調べてみたら
イタリアのメーカーでボディーのトップ材として
使用されているベースを発見しました。
黒檀と縞黒檀では、やはり音に違いが有る様です。

長々と失礼致しました。