真っ赤なお鼻なのは、トナカイならぬこのア・タ・シ……なのだ。サンタみたいに大きなこのお鼻。てっぺんに膿が溜まったって。今度手術するという。アイタタタ。
そしてほっぺも赤い。なにしろ冬だもの。寒いわあ。着込んで着込んで、外に出掛ける。
いつも遊ぶ公園。ステディの優が、すぐに寄ってくる。
「寒いね。明日も寒いのかな」
さあ、どうだろう。きっと寒いんじゃないかしら。
「あっち行こうよ。ブランコで遊ぼう」
いいけど、あぶないことしないでね。あなたオテンバなんだから。
二人でブランコ遊び。そんな中、いい男いないかなあ、と探してしまう。人恋しい季節。でも、残念ながらこの場所にあたしのお眼鏡に適うような男はいない。
「あーあ、不倫したい」
「お母さん、フリンってなあに?」
正太が耳ざとく私の言葉を聞きつけた。
「犯罪」と私は答えた。
「ハンザイってなあに?」正太が続けると、
「正太君、そんな事も知らないの?」優が正太の背中を押しながら、馬鹿にしたように言った。
「優ちゃん、ハンザイって?」
「しちゃいけないこと!」
「じゃあフリンは?」
「しちゃいけないこと!」
いいのよ、不倫は、しても。私は子供たちに聞こえないように呟いた。そして、空を見上げた。さっきまで一片の雲もなかった青空は色を替え、オレンジと紫のグラデーションに染まっていた。家に帰る時間だ。吹く風は、相当に冷たい。木々の葉っぱは、全て落ちていた。
家に帰れば、じきにサンタが帰ってくる。私はトナカイ。赤鼻のトナカイ。
今日はクリスマス。サンタは、ケーキを買ってくるだろう。ヤツの買ってくるケーキは、美味い。口惜しいくらい。
正太の手を引きながら、私は彼に問うた。
「正太は優ちゃんと結婚するの?」
「うん!」
口惜しいくらい、ヤツの答えには曇りがなかった。
そしてほっぺも赤い。なにしろ冬だもの。寒いわあ。着込んで着込んで、外に出掛ける。
いつも遊ぶ公園。ステディの優が、すぐに寄ってくる。
「寒いね。明日も寒いのかな」
さあ、どうだろう。きっと寒いんじゃないかしら。
「あっち行こうよ。ブランコで遊ぼう」
いいけど、あぶないことしないでね。あなたオテンバなんだから。
二人でブランコ遊び。そんな中、いい男いないかなあ、と探してしまう。人恋しい季節。でも、残念ながらこの場所にあたしのお眼鏡に適うような男はいない。
「あーあ、不倫したい」
「お母さん、フリンってなあに?」
正太が耳ざとく私の言葉を聞きつけた。
「犯罪」と私は答えた。
「ハンザイってなあに?」正太が続けると、
「正太君、そんな事も知らないの?」優が正太の背中を押しながら、馬鹿にしたように言った。
「優ちゃん、ハンザイって?」
「しちゃいけないこと!」
「じゃあフリンは?」
「しちゃいけないこと!」
いいのよ、不倫は、しても。私は子供たちに聞こえないように呟いた。そして、空を見上げた。さっきまで一片の雲もなかった青空は色を替え、オレンジと紫のグラデーションに染まっていた。家に帰る時間だ。吹く風は、相当に冷たい。木々の葉っぱは、全て落ちていた。
家に帰れば、じきにサンタが帰ってくる。私はトナカイ。赤鼻のトナカイ。
今日はクリスマス。サンタは、ケーキを買ってくるだろう。ヤツの買ってくるケーキは、美味い。口惜しいくらい。
正太の手を引きながら、私は彼に問うた。
「正太は優ちゃんと結婚するの?」
「うん!」
口惜しいくらい、ヤツの答えには曇りがなかった。
ちょっと長かったですかね。そしてわかりにくかったか?汗
朗読楽しみにしています。
よろしくお願いします。
ではでは。
たまたまです。汗笑
この作品は私が朗読させていただきます。
ところで、出だしの文章なのですが、
着込んで着込んで、の後に
息子の正太を連れ、外へ出掛ける。
と、一言入れても良いでしょうか?
お世話になります。
3人の関係が分かりにくくなっているのは、もちろん演出なのですが、確かに、音声媒体という特質上、一回通しで聞いただけで理解できることが大切な気がしてきました。
という訳で、haruさんの案でお願いいたします。
お手数お掛けしますー。
ではでは、作品の完成を楽しみにしていますね!