おっちーの鉛筆カミカミ

演劇モノづくり大好きおっちーのブログです
いろいろ活動してます
そのうち、みなさんにお目にかかれたらうれしいです

心を映す

2015年09月27日 23時52分00秒 | 詩集・つれづれ
私の生きている理由
そんなこと判らずに
お金相手に趣向を凝らす毎日

いくら絵が上手く描けても
計算が速くても
単語をたくさん憶えても
掴めないものがある

形が分からないから
どんな音か分からないから
いつも不安で恐ろしい

私の掌の中には何も無い
憎悪とやっかみだけが
この心を支配する

適当にも理由があると気付いた
誰にでも分かる考えは
却って危険なのかも知れない
人は矛盾だらけだから
理想も矛盾を含まないと嘘っぽい
理想郷だって矛盾だらけの人が作るもの
だからそこには嘘があるし憎しみがある

形のないものを形にしようと思った
点と点を結んで心の中に浮かぶ思いの射影
私と私は違うから
同じ影も違う形に見える

私はこの殻を破る
そうしないと生きていけないことが分かった
私はこの心にしっかりとした根を張ることを目指す

こみたく!【四】

2015年09月27日 10時02分24秒 | 戯曲・つれづれ
【四、聖木(ルーンツリー)とキロ】

キロ入場

キロ おはよう、ルーンツリー
あなたはわたしに何を求めるの?
この村を出て、旅立つこと?
おじいちゃんを見捨てること?
あなたの真意が、私には分からないわ
この村に、来訪者が来る……
その人と、一緒に行けばいいの?
でも、おじいちゃんはどうしたらいい?
ルーンツリーは答えてくれない……
一体私は、どうすればいいんだろう
答が見つからない
私は、とても困っているよ

コバルト、入場

コバル キロ!
キロ コバルト、おはよう
コバル ああ、おはよう
ビッグニュースだ
キロ えっ、また耳を覆いたくなるような悲報なの?
……それにしては嬉しそうね、コバルト
コバル 悲報なもんか
奴らに対抗する術が見つかるかも知れない!
キロ ほんと? でも無理しないでね、コバルト
コバル 僕の事を信用してよ、キロ
もうこれ以上、奴らにゴウリの実を独占させない
キロにも、これ以上苦労はさせない
キロ そうか
ありがとうコバルト
でも頑張り過ぎないで
何かあったら、私にも教えてね
コバル ああ、わかったよ、キロ
キロ あ、コバルト……
コバル なあに?
キロ ……あ、いや、何でもないわ
コバル どうした?
何だい、キロ
何でも話し合おうって、約束しただろ
教えてくれ
キロ ごめんなさい
これはまだ、私だけの問題なの
その時になったら、必ず話す……必ず
それでもいいかな
コバル ああ……わかったよ、キロ
その代わり、その時が来たら、必ず話してくれな
キロ うん、わかった

こみたく!【三】

2015年09月27日 01時29分44秒 | 戯曲・つれづれ
【三、太陽の降る村】

及川、PCの画面に向かっている(タブレットでも可)

及川 太陽の降る村について都市伝説の件……なんだこりゃ?
太陽の降る村って?
ふんふん……街の中には、空間がひん曲がって異空間と繋がっている
場所が幾つか存在している……はあ?
その中で、太陽が降るという村と繋がっているのは、下北沢の某所
ここに地図を記すので、興味がある者は行くとよい
但し、この地図は暗号化してある
この暗号を解く力のある者は、この世のものとは思えない美しい場面を
その目にする事が出来るだろう
はあ
嘘っぽいけど、三橋なら解けるだろ
暇潰しに、頼んでみるか
三橋~

三橋入場

三橋 おう、調子はどうだ、幸次?
及川 何の調子だよ?
三橋 こみたくの地区予選、準備に余念は無いんだろ?
及川 そんな力入れてたら、出せる実力も出せないよ
修行は、自分の意思の力でするもんじゃない、常にさせられるもんだ
もっと分かりやすく言うと、いつの間にかしてる種類のもんだ
三橋 何かムカつく~
幸次って、だから友達少ないんだよ
及川 別にいいよ、少なくても
生活が出来る程度で充分
それ以上いたら、めんどくさいだけだろ
三橋 幸次、お前それ学校で言わない方がいいぞ~
及川 ああ、集まってるとこじゃ言わねーよ
って事にしとく
三橋 ああ? まあいいや。そうしとけ
で、今日の用件は何だ?
ただ駄弁りに来た訳じゃねーだろ
その為にお前わざわざウチ来ないよな
及川 ああ、このデータの暗号、お前解けるか?
三橋 ああ~、百ギガビットベースの、ABS構文の暗号だな、こりゃ
及川 そんなこと言われても、さっぱり意味分かんないけど
一目見ただけでそこまで分かるんだ、さっすが
三橋 ああ
こっちは俺の領域だ、任せとけ
これは……地図か?
シモキタ?
及川 そうだ、下北沢の、地図のはずだ
三橋 ちょっと上がって待ってろ
三十分ありゃ解けるよ
及川 おおーう、よろしく~
助かるわ、三橋
三橋 ああ、任せとけ

三橋引っ込み、ちょっとしてすぐ戻ってくる

三橋 幸次
及川 早いな! まさかもう解いたのか?
三橋 いや、これの結果、ほんとにお前に伝えていいのか?
及川 どういう意味だよ
三橋 俺は、こっから得た情報は、努めて忘れる
そんくらい危ない臭いがするぞ
及川 どういう事だ?
犯罪とかが絡んでるって事か?
三橋 いや、なんて言うか、とにかく、これに足を突っ込むのは危険だ
及川 何でそこまで言えるんだよ
三橋 キッパリとは言い切れないが、俺の、勘だ、十七年間で身に付けた
及川 そうか
じゃあ、結果だけ教えてくれ
あとは俺自身の判断で、この情報を生かすか、捨てるか、考える
三橋 わかった
じゃあ俺は仕事……役割、として、このデータの暗号を解く
その結果をどうするかは、お前次第ってことだな
及川 そゆこと
三橋 ラッジャ
待ってろ
三十分だ
及川 よろしく

三橋引っ込む

こみたく!【二】

2015年09月24日 17時57分20秒 | 戯曲・つれづれ
【二、こみたくって?】

幸次の通う学校
幸次のクラス
何人か、クラスメートが談笑している

香 ではこみたく勝負始めます
美雪ちゃんの、嫌いなものを教えて
美雪 普通にゴキブリとかかな
香 私は、植物……特に花が嫌いなの、綺麗だけどね
美雪 綺麗よね、私は好きよ、花
香 花には虫がついてるのが嫌いなの
美雪 虫は花を助けているの
香 ………どゆこと?
美雪 はい疑問形! 話を受けられなかったから、香の負け!
香 あーん、意味分かんないよ美雪、虫が花を助けてるってどういう事?
美雪 植物は、花粉を虫によって他の花に受粉してもらってるの
つまり虫がいなかったら花は種を付ける事が出来ない……そういうこと
香 あー、そうなんだあ
やっぱりこみたく、難しい!
美雪 ただの言葉の受け答えの技術だけじゃなく、まんべんない知識も必要だからね
深いよ~こみたく
香 美雪ちゃん、どうすれば美雪ちゃんみたいに強くなれるの?
美雪 練習と工夫、夏なあ
香 結構、練習はしてるんだけどなあ
美雪 考えながら練習しないとね
今の勝負だって、一回流したけど、植物が出てきたくだり、前のキーワードの
「ゴキブリ」を受けてないから、本来ならあやしいとこだよ
香 ああ、そっかあ
そうなんだ
美雪 幸いにも、ウチのクラスには最高のお手本がいるから、参考にするといいよ
私も参考にしてる
ときどき、実力違い過ぎて絶望したくなるけど
香 やっぱ幸次君、凄いよね
美雪 我が校の代表射止めたからね
ウチの学校じゃ相手になる人いない、余裕で全国大会レベルって話
私も頑張ってるつもりだけど、才能なのかな、幸次君にはどうやっても勝てない
香 美雪がそう言うんじゃ、私なんか耳クソレベルだよ
美雪 女の子が、自分のこと耳クソって……
香 言いたくもなるよ
世間は不平等だー!
私だって頑張ってるのにー!

及川、三橋登場

三橋 おはよー
香 あ、おはよ
美雪 おはよう
幸次君、代表おめでと
香 おめでとーう
及川 あ、うん、ありがとう
三橋 流石だよなあコイツ!
及川 三橋やめろって
たまたまだよ
香 またそんなこと言って
自信と負けん気の塊がー
当然だって思ってんだろー
及川 あー、まあな
香 ほらほら本音が
及川 冗談だって
美雪 みんな、そろそろ朝礼始まるかな
三橋 ほんとだ、校庭に急げ!
及川 朝礼かあ
めんどくせーな
三橋 認証式があるからな、幸次の
美雪 幸次君、行こうか
及川 ああ、そうだな

クラスの人達、パラパラと退場
四人も退場

こみたく!【一】

2015年09月20日 23時34分28秒 | 日々つれづれ
【一、及川幸次、その人は】

三橋 おーい、幸次ー!
及川 三橋、早いな
三橋 お前も早いな
もう決まってるとか思ってるんだろ?
及川 なにが
三橋 しらばっくれちゃってえ~
こみたく、ウチの学校の代表発表、今日だろ
及川 ああ、そうだったな
三橋 またまた、意識バッチバチしてんだろ?
じゃなきゃ、お前こんな早く登校しないもんな
及川 そんなのどっちでもいいよ
いやむしろ俺は、代表になりたくないとすら、思っているね
三橋 幸次の実力をして、そんなこと考えてたら勿体無い!
才能ある人間は、選ばれた人なんだ
才能は、発揮されなければならない
及川 そして、才能を発揮することは、才能ある人間の、義務である
三橋 おお、その通り! 真理です! よく御存じじゃん、幸次!
及川 俺とお前、読む本の傾向がそっくりなんだよ
三橋~、そんなこと言ってないで、お前も頑張ればいいだろう
三橋 え、こみたく?
及川 そう
三橋 俺はお前みたいに才能ないから、さ
及川 諦めんなよ。俺そういうの嫌いだあ
三橋 頑張ってんのに結果が出ないことってあるだろう
及川 そりゃ、まあ、そうかもしんないけどさ
三橋 今は、こみたくの実力で、そいつの人生決まる時代だからな
俺も実力上げようって勉強したさ
及川 こみたくは、机の上の勉強じゃあ強くなんねーぞ
三橋 実戦だと、話になんないんだよ
相手も、俺は弱すぎて練習にならないんだと
幸次、そういう輩もいるんだ。許してやってくれ
及川 いや、そんなん許すも何もないけどさあ
三橋 そしたら幸次、発表の掲示、早く見に行こうぜ

三橋は駆け出す

及川 おい、三橋
ったくしゃーねーなー
三橋 走る能力は俺の方が上のようだな
及川 何っ? ちょっと止まれ。ここスタート線な。並べ。よーい、ドン
三橋 すっげー負けず嫌い

二人はそのまま退場

走レヨ、ナツ。

2015年09月11日 01時58分54秒 | 小説・短編つれづれ
 ここからすっ飛んで行けばよかった。そう心の中で思ったがもう時既に遅し。彼奴は、あっちの世界へ行ってしまった。私の手の届かない所へ。
 もう、奴には二度と会えない。そう認識すると、軽く涙腺が潤んだ。でも、顔の表情を引き締めて、感情を外には出さないようにする。せめてもの、奴への弔いだ。そしてそれは、これから始まる戦いへの序章。それに気付いた時、私は此処ではない何処かへ飛んでいた。
 夏は好きな時間である。夏美とか夏子とか、そんな名前にして欲しかった。そう両親に対して、口には出さないが、思った事がある。そんなくらいに。
 確かに暑いが、それは気にならないと思えば、気にはならない。汗で肌がベトベトになるのも、冬カサカサになるのに比べれば、私にとっては、肌の健康に好く思える。
 私の名前は、両親により、未智とつけられた。もう、二十八年も前の話だ。私はいつも、未知との遭遇を思い出す。いや、夏の話をしておったのに、全くそれと関わりが無い。申し訳ないので、話を本題に戻す。あや、そもそもこの話の本題とはなんだ。それすらも自覚しておらなんだ。いや、そう、今の季節は夏であった。
 未智は、逆上がりの練習をしていた。そう、鉄棒の逆上がりである。この糞暑い中、未智は汗水垂らして、地味でありながらキツイ運動をしていた。
 勿論スカートではない。ショートパンツであった。それでも角度によっては際どく見えてしまうんではないかと、隣りに居合わせたおっさんとかはドギマギしたものである。
 何故に今更逆上がりなのか。未智、幼少時代のトラウマであった。出来ずに苛められた。何度やっても、いくら練習しても出来なかった。今から考えると、指導者に才能がなかったのだ。しかし当時としては、全ての責任はプレイヤーにあった。そして囃し立てられ、罵られる。軽く好きだった男子も交じっていたりして、落ち込み、未智のトラウマっぷりに拍車が掛かった。
 私のせいじゃないもん。未智はとうとう諦めた。二十年にわたる因縁のワンプレイに、結局最後まで決着をつけないまま、未智はこの事実を置き去りにする。今村未智は、鉄棒逆上がり出来ません。そこに言い訳はしないけれども、そのままにすることを、自分には出来ない芸当であることを、未智は認め、結局の所要するに諦めることにしたのであった。
 何でこんなこと始めたんだっけ。未智は思い返した。勿論トラウマの打破。それもあったが、そもそもの理由は、汗で涙を隠そうとした。大量の汗で、大量に瞳から流れ落ちる涙を、どうでもいいものとしようとしたのがその切っ掛けだった。私は一人だ。私の人生は、最初から、最後まで独りっ切りだった。束の間のあいだ、二人で歩んでいる。そう天に感謝したが、それは幻だった。今となっては。
 そろそろ家族がいる病院に戻ろう。現実を現実と認めなければ先に進めない。この先を生きてはいけない。
 私は、一人だ。そんな当たり前のことを見失うほど、私は幸せだったのだ。
 けれどそんなに、神様は依怙贔屓というものをしてくれないらしい。運命の天秤は、いつかバランスを崩す。飛び乗ったバランスボールからは、いつか落ちる。
 当たり前のことだ。
 未智は、シャワーを浴びたかった。せめて自分を清めて、彼と再会しよう。もう話すことも出来ない、彼の抜け殻と。
 奴のせいで、またこの鉄棒と再びお友達になるかも知れない。それは奴のせいだ。私のせいじゃない。
 色んな事を繰り返して、私はまた前を向けるのだろうか。今回ばかりは、無理な気がする。
 でも私は、神様を信じてはいる。
「どうにかなるか」
 今までずっと黙していたのに、その一言だけが、口を突いて出た。
 未智の口元に、少しだけ笑みが浮かんだ。
 神様は、まっこと意地悪だ。

生業

2015年09月06日 01時53分08秒 | 気づき
今までにあったものじゃ駄目なんだ
かといって今までに全く存在しなかったもの
という訳でもないんだ
自分の見せたいものと向き合って
自分と向き合って
嫌なものとも
苦しいものとも向き合って
答を出すんだ
形にならなくたっていい
きれいな言葉になんかならなくたって勿論いい
僕は何を表現したいのか
ただそこと向き合って
真摯に答のようなものを
書き付け続ける
それが私の生業だ