杉ちゃんのWEB日記

国際山岳ガイド 杉坂 勉のブログ

2012-7-26~28 北アルプス・西穂~奥穂縦走

2012-07-29 13:39:50 | ガイド山行記録

 いよいよ夏本番。下界は連日の猛暑と熱帯夜、そしてロンドンオリンピックと熱いこと尽くしのようですが、そんな中穂高の涼しい稜線に行ってきました。

 涼しいとはいえ、やっていいる事は熱い!穂高の一般縦走の中でももっとも難しく、熱い行動を求められる西穂~奥穂の縦走(ジャンダルム)です!!

 今回は天気予報がかなりいい感じだったので、張り切って新穂高へ。でもこの日は西穂のロープウェー経由で西穂山荘まで。のんびり歩いて明日の大一番に備え、力を温存しての入山でした。

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 翌日は朝の3時45分に西穂山荘を出発。満点の星空のもとヘッドランプを頼りにゆっくりと独標を目指しました。

 途中風と共に濃いガスにまかれながらのアプローチでしたが、独標に上がるころにはガスもすっかり晴れ、快晴の中での縦走スタート。ここからはロープを繋いでの行動です。ピラミッドピークも順調に越え、7時前には難なく西穂山頂へたどり着きました。

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 さてここからがいよいよ本番。目の前には間ノ岳、天狗岳が連なり、さらにはジャンダルム、その右横に奥穂高岳がどっしりと鎮座して見えます。

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 岩稜帯もいよいよ険しさを増し、しっかりとロープで確保しながらの登攀。また大小いくつものアップダウンがじわじわと体力を奪っていきます。一歩一歩ゆっくりと確実に進んでいきました。

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 登高、下降、トラバースを繰り返し、正午に待望のジャンダルムに登頂。もう奥穂は目の前ですが、ここからが本日の核心。ロバの耳からの下降と最後の最後に馬の背の通過が待っています!それでも先が見えてきたので再び元気を充填。

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 クライムダウンからロワーダウンを繰り返し、ロバの耳を無難に通過し、いよいよ最後の関門、馬の背へ。集中力を切らさず慎重にナイフリッジを通過して行きました。

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 午後1時45分。待望の奥穂高岳山頂に到着。穂高最難ルートを登り切りました!

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 振り返ると、ガスの切れ間からさっき越えてきたジャンダルムが見えます。あとは充実感と疲労感に包まれながら、穂高岳山荘へ下って行きました。

 西穂~奥穂の縦走は何年かぶりでしたが、一般縦走とはいえなかなかのもの。登り応え十分。満足度200%の山行でした。


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