食の歴史 by 新谷隆史ー人類史を作った食の革命

脳と食を愛する生物学者の新谷隆史です。本ブログでは人類史の礎となった様々な食の革命について考察していきます。

ダイズの栽培化ー1・2人類は雑草を進化させて穀物を生み出した(7)

2019-11-28 08:12:00 | 第一章 先史時代の食の革命
ダイズの栽培化
ダイズから作られる豆乳や豆腐などは健康的な食品として海外でも人気だ。また、ダイズに含まれるイソフラボンは女性ホルモンに似た作用を示すため、閉経後の女性がダイズ製品を多く摂取すると、更年期障害や骨粗鬆症を軽減する効果があると言われている。

ダイズはツルマメと呼ばれる東アジア原産の植物から、約5000年前に栽培化された。ツルマメは現代でも日本各地の野原で見かける雑草で、日本もダイズの起源地の一つと考えられている。

古来、日本ではダイズは五穀の一つとして重要な作物とされてきた。特に、味噌や醤油の原料として和食では無くてはならないものだ。一方、古代の中国ではダイズの地位は低く、貧乏人が食べる下等な作物だった。

ところで、マメ科植物は根粒菌と呼ばれる細菌を根の中に囲い込むことで、空気中の窒素を栄養素として利用することができる。このため、マメ科植物はやせた土壌でも生育することが可能だ。草原では、イネ科植物はマメ科植物から窒素化合物をもらって生育している。そこで、牧草地を作るときにはイネ科とマメ科の植物の種を混合してまいている。


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