「安さ」を付加価値としたスーパーの表の面と裏の面がうまくまとめてある。
うまくまとめたうえで、トーンとしては全否定。
「安かろう」を追求した結果、得られたものと失ったものが比較されていて、
本当に顧客のためになっているのか、考えさせられる。
「サム・ウォルトンが大事にしていた価値観は、いまやその本質が逆転し、
この価値観が時には搾取のみならず違法な行為まで引き起こすように
なっている。とすれば、それはどんなに素晴らしいカルチャーであっても
常に自らを問いただし、その価値観によって引き起こされる結果を
吟味していかなければならないことを意味している。」
「サウスウェスト航空は、ただ安いだけではない。楽しいのだ。
ウォルマートも安いだけではない。ただしサウスウェスト航空とは逆だ。
買い物に行けばいらだつこともあるし、いらだちを感じないまでも、
面白みなどは感じない。」
そして、
雇用があるから消費がある。消費があるから設備投資がある。
この循環が断ち切られた場合の恐ろしさが伝わってくる。
どんどんイオンに集約される日本の流通に懸念を持ちながらも、
この文化を日本に持ち込もうとして、西友で失敗しているだけに、
極端には消費者の性向はぶれないんでしょうかね。
この本を読んで、「付加価値」の置きようが、企業にとって
必要であることを再認識できた。
んで、チリ産のサーモンを買うのは、とてもためらわれるように。
★★★★