徘徊オヤジの日々是ざれごと

還暦退職者が、現在の生活と心情、そしてちょっとした趣味について綴ります。

あらしの夜明け・・・37(第2章・・・15)

2014-06-29 08:03:51 |  (第2章 新たな移住者)
 男たちはそれぞれの家からヤリや弓矢をあつめ、一つひとつていねいに点検し、不都合なところは修ぜんした。女たちはヒエや豆を煮て非常食づくりにいそがしい。

 いくさに向かうのは、モノブ以下、壮健な男や若者たち25名。その中にグズリやタカトもいた。

 村には3人乗りの丸木舟が4そうあるだけだ。合計12名が舟で行き、あとの者は海岸ぞいの小道をニムシリ村まで歩いていく。若者たちのほとんどは歩くことになり、グズリは徒歩隊のかしらだ。タカトは特別にモノブと同じ舟にわりあてられた。

 まっすぐにニムシリ村に向かうと、どんなにいそいでも舟でまる2日、徒歩なら5日はかかる。使いの者が到着した3日後の朝にはもう出発だ。

 前日の夜おそくまで準備がつづき、マトナもタカトも深夜になってようやく床についた。モノブとミドノはまだ長老らと最後の打ち合わせをしている。

 マトナは、体はくたくたになっているのに、気が高ぶってなかなか寝つかれなかった。いくさがこわいと思う反面、タカトやグズリも行くのに、自分だけ残っていなければならないことが腹立たしかった。

(あらしの夜明け…38)に続く…

十勝の里山をあるく・・・68

2014-06-27 08:25:23 | 十勝の里山をあるく
浦幌町・昆布刈石から十勝太へ

 久々に十勝でウォーキングに出かけてきました。夏の暑いときは海岸線を歩くにかぎります。浦幌町の十勝太から昆布刈石にかけては新しく国道336号線が開通し、これにともない海沿いの海食崖上の旧道は歩くにちょうどよい道になっており、この日はこの旧道および浦幌十勝川の河口付近の堤防を歩いてきました。晴れているのに海霧に覆われ、半そででは涼しいくらいでした。

 また以前の地図では、近くの高台に”ロラン局”とあって、気になっていました。調べてみると海上保安庁の施設で、電波信号を発信することで付近を通行する船舶が位置を特定するというものでしたが、今はGPSの普及により役目を終え、全国で同様の施設は順次廃止されているといいます(十勝局は2013年廃止)。

 このロラン局の跡を見ようとしたのですが、また近くに”黄金の滝”もあったのですが、ともに立入禁止になっていました。それにしても黄金の滝とはすごい名称ですね。昔はここで砂金でも採れたのかと思って調べてみると、岩層の色から名づけたそうで、そういえばこの一帯はずいぶん赤茶けた石や土が目立ちました。


昆布刈石展望台より


国道336号線旧道


浦幌十勝川河口付近


←2万5千分の1地形図「浦幌」「十勝大津」より(一部追加)

←このあたり

老いの日々・・・11

2014-06-24 08:35:01 | 老いの日々
札幌での里山あるき

 主な居住地を札幌に移して、私の里山あるきも主に札幌周辺になった。そうすると十勝にいたころよりも出かける頻度が多くなったような気がする。

 札幌周辺には、自ら地図上で見つけ出したところばかりでなく、いろんな書物に紹介されているところも多く、そうした場所を訪れるのも興味深い。しかしそれだけでない。近いうちに運転はやめようと思っていて、今も札幌では公共交通機関を用いて現地を訪れているのだが、これが案外面白い。

 私はそれほど山奥へ行くのではないので、行きたいと思ったところはだいたいどこでも近くまでバスや鉄道が走っている。たとえ1日数本のバス便でも、その時間に合わせて行動すれば不便は感じない。またネットでバスのルートや時刻を調べるのも案外楽しい。

 また自分で運転していればのんびりと景色をながめているわけにはいかないが、バスや列車ならいつまでもながめていられる。ときには乗務員や他の乗客と会話を交わすこともある。

 そもそも車は速く目的地に着くには確かに便利であるが、それだけである。忙しい現役世代には便利な道具でも、われわれは何が何でもそこに行かねばならないわけではなく、バス等の便が悪ければ行かなければよいだけのことだ。

 人によっては、車が好きで高価な車を何台も所持していたり、運転すること自体が楽しくてしかたないという人もいるが、私にはどちらの趣味もないので、車を手放すことにそれほどの抵抗感はない。

 思えば昔私が学生だったころ(車はもちろん運転免許もなかったので)列車やバスを利用して、日本全国いろんなところを旅していた。何となくそのころに戻ったような気がしている。

北海道の里山をあるく・・・8

2014-06-22 08:45:49 | 北海道の里山をあるく
石狩市・石狩放水路と志美運河

 茨戸川および真勲別川(ともに元は石狩川本流だったが、現在はともに志美運河を通じて石狩川に流れているので流れが反対となり、名称が異なっている)は、昭和6年に石狩川が直線化されたときに残された河道です。

 以前は運河だけで石狩川へ流れるようになっていましたが、石狩川の水位が上がると流れ込めなくなって洪水となるため、昭和57年、志美運河に水門が設けられるとともに、茨戸川の水を直接日本海に流すように石狩放水路が作られました。

 この日はこの放水路と運河を見に行ってきました。天候はよくなかったのですが、雨になることもなく歩きやすい日でした。


石狩放水路


こんな発電用風車が4機も


真勲別川から志美運河へ


志美運河と水門



←2万5千分の1地形図「石狩」より

←このあたり 

北海道の里山をあるく・・・7

2014-06-21 10:26:36 | 北海道の里山をあるく
札幌市・藻南公園

 まるで”えぞつゆ”を思わせるような天候が続いており、この日も天気はすぐれなかったのですが、街の近くなら雨が降っても大丈夫だろうと思って出かけてきました。

 札幌市内の道路も基本的にはタテヨコに走っていてわかりやすいのですが、南区真駒内付近は山に挟まれ、道も複雑になっています。この日は真駒内駅から藻南公園を通って石山緑地・硬石山を訪れるつもりでしたが、途中道をまちがえてしまい、しかも雨も本降りになってきました。さすがにカサをさしながらのウォーキングは避けたいので、急きょ予定を変更して駅まで戻ることにしました。

 それでも藻南公園南の崖の凝灰岩(火山灰が押し固められてできた岩石)の露頭は見事で、上部の森は案外奥深いものでした。


真駒内川にかかる歩道橋


札幌軟石(凝灰岩)の露頭


←2万5千分の1地形図「石山」より

←このあたり