おれはのろのろと起きだした。そして背中のカラを開いて羽を出した。ついこの間まで輝いていた羽はうすよごれて、ところどころ破れている。
ゆっくりと羽を広げ、意を決して飛び出した。あの住み家のにおいを目当てに、ふらふらしながら飛びつづけた。そして入口の前であいつが出てくるのを待った。
ドアが開いた。
「××××‥‥!」
おれはすぐにつまみ上げられ、オリに入れられた。ついにもどってきたのだ。
「おかしら、よくご無事で」
オリに残った4匹はみんな元気だ。みずみずしい赤いスイカも置いてあって、おれはむしゃぶりついた。そしてつくづく思った。
自由を求めてにげ出すなんて、何とばかなことをしたのだろう。本当はこのオリの中こそ、おれの安住の地だったのだ、と。
ゆっくりと羽を広げ、意を決して飛び出した。あの住み家のにおいを目当てに、ふらふらしながら飛びつづけた。そして入口の前であいつが出てくるのを待った。
ドアが開いた。
「××××‥‥!」
おれはすぐにつまみ上げられ、オリに入れられた。ついにもどってきたのだ。
「おかしら、よくご無事で」
オリに残った4匹はみんな元気だ。みずみずしい赤いスイカも置いてあって、おれはむしゃぶりついた。そしてつくづく思った。
自由を求めてにげ出すなんて、何とばかなことをしたのだろう。本当はこのオリの中こそ、おれの安住の地だったのだ、と。
(クワガタムシのかしらとスイカ…終)