徘徊オヤジの日々是ざれごと

還暦退職者が、現在の生活と心情、そしてちょっとした趣味について綴ります。

北海道の里山をあるく・・・82

2016-04-28 08:48:34 | 北海道の里山をあるく
積丹町・美国

 積丹町は積丹半島の先端部に位置し、美国はその中心地です。街のすぐ北側には海へ突き出した黄金岬があって、青く澄んだ日本海と断崖絶壁が続く海岸線、そして美国の街並みが見わたせます。

 また地図を見ると、さらにそこから北西方向に、なかなか快適そうな小道が続いています。この日は岬の景色を見てから、その道を歩こうと出かけました。

 しかし山道に入るとすぐに道が途絶えていて(たしか以前に見たガイドブックにもこの道は載っていたのですが)、結局それ以上進むのを断念して、美国の街をあちこち歩くことにしました。

 それでも黄金岬は、たしかに眺めは絶景で、道の両脇にはヒメイチゲ、エゾエンゴサク、カタクリなどの野草が咲き乱れて、なかなかきれいなところでした。


黄金岬からの絶景


岬から見た宝島


浜から見た黄金岬


積丹の山々


←2万5千分の1地形図「美国」より

←このあたり

おじいさんと行商の薬売り・・・17

2016-04-25 08:53:42 | ・おじいさんと行商の薬売り
 聞きながらおじいさんの目はらんらんとして、唇はわなわなとふるえてきました。

 そうか、そうだったのか。いつも畑仕事が忙しいといって、家をあけてばかりだと思っていたが、わしに隠れてそんなことをしておったのか。許せない。どうしても許せない。

 よし、わかった。おみよがそのつもりなら、わしにだって考えがある。この男のいうとおり、いま女中に出して、金をもらった方がなんぼいいか。

 しばらく考え込んでいたおじいさんは薬売りに向かっていいました。

「よし、わかった。どこへでもつれて行くがいい。そのかわり、ひざの薬と支度金はたしかなのだろうな」

 薬売りは箱の中から、以前にも見せびらかした例の金糸の織り込まれた薬袋とお金の入った袋を取り出しました。おじいさんはつい手を伸ばしましたが、薬売りが制しました。

「おっと、こいつは娘と引きかえじゃ」

(おじいさんと行商の薬売り…18)に続く…

北海道の里山をあるく・・・81

2016-04-21 08:52:02 | 北海道の里山をあるく
札幌-石狩市・屯田防風林と花川地区の防風林

 札幌市北区にある屯田防風林は、強風から農作物を守るために大正時代に植林されたもので、ポプラ、ナナカマド、シラカバなどからなる混合林です。周辺が住宅地となった今では、貴重な都市部の緑地帯となっています。

 今回はそこを行こうと考えたのですが、地図を見ると、その先の石狩市花川地区内にも同様の防風林があり、距離も手ごろなので両方の防風林を歩いてみることにしました。

 天候もよく暖かな日で、草木もすでにいくらか芽吹いていました。屯田地区の防風林はよく整備され、たくさんの人が訪れていたのですが、花川地区の防風林内にはほとんど道もなく、すぐ横のアスファルトの道をバス停まで歩きました。


上空を走るJR札沼線


屯田防風林内の様子



←昭文社発行1万5千分の1北海道道路地図より

←このあたり


おじいさんと行商の薬売り・・16

2016-04-17 09:07:30 | ・おじいさんと行商の薬売り
 薬売りはまたおじいさんのところを訪れました。今度で五度目です。そしてこういいました。

「おまえさんもかわいそうにな。おみよ、おみよとばかりいっているのに、そのおみよが与平のとこの息子とできているのも知らねえのだからな」

「何だって、いま何ていった?」

「与平のとこのバカ息子とできているっていったんだよ!」

「ばかなことをいうな。おみよに限ってそんなことあるはずねえ」

「知らぬは亭主ばかりというが、じいさんも同じじゃな。それなら、わしが教えてしんぜよう。
 おみよは昼間ずっと家をあけておるじゃろうが。ああ、たしかに畑仕事もしておるが、ときどき抜け出しては逢引きしておるのじゃよ。わしは何度も現場を見ておるから、よう知っておる。なあに、おみよもいい歳だ、逢引きが悪いとはいわん。
 ただ、これまで親に代わって育ててくれたじいさんに隠れてやるのが、気に食わんのよ。かわいそうにな、あんたはそのうち、ポイと捨てられてしまうぜ」

 薬売りは最後の言葉に力をこめていいました。

(おじいさんと行商の薬売り…17)に続く…

北海道の里山をあるく・・・80

2016-04-12 08:20:33 | 北海道の里山をあるく
江別市・江別北部

 江別付近の地図を見ていると、石狩川を隔てた対岸に、なかなか面白そうな地形が広がっています。新石狩大橋を渡った先で、石狩川・篠津川および中津湖等に囲まれたきれいな三角の形をした地域で、さっそく行ってみることにしました。

 石狩川は大河ですが、それにつながる篠津川や中津湖付近はのどかで、なかなか趣のあるところでした。しかし新石狩大橋は、歩いて往復したのですが、歩道はなく、車の往来は激しく、しかも橋の上は強風で、とても難儀しました。

 途中にずいぶん立派な邸宅と牧場があって、「まちむら農場」と書かれていました。


篠津川の流れと白鳥たち


中津湖


篠津運河の水門


←2万5千分の1地形図「江別」より

←このあたり