わしらの村は高台にあるが、やつらが働くのは海辺とあたりの低地に限られていて、互いの活動範囲が重なることはなかった。
もっともこまったのは、わしらがこれまで海への出入り口としていた浜辺を失ったことだ。だがやつらはそこで貝や海藻をひろって、近くの岩場でつりをするくらいで、もぐって魚をとることはしない。つりでとれる魚など多くない。
わしらはこれまで使っていた浜辺をやつらにゆずって、少しはなれた浜から舟を出し、海の幸を得ることにした。いくぶん不便になったが、収穫がへることはなかった。
狩りも得意ではないらしい。男たちが森へ入っていくこともまれだった。
そのかわり、草地をたがやして育てた作物を大事にして、夏にうえたというのにぐんぐん育って、秋にはもう収穫していた。
山に入って木の実をとることもあったが、それも多くはない。だからわしらが狩りの獲物や山の幸を失うことも多くはなかった。
若者たちも、何とかこのくらいならとがまんしていた。しかしそれも秋までだった。
もっともこまったのは、わしらがこれまで海への出入り口としていた浜辺を失ったことだ。だがやつらはそこで貝や海藻をひろって、近くの岩場でつりをするくらいで、もぐって魚をとることはしない。つりでとれる魚など多くない。
わしらはこれまで使っていた浜辺をやつらにゆずって、少しはなれた浜から舟を出し、海の幸を得ることにした。いくぶん不便になったが、収穫がへることはなかった。
狩りも得意ではないらしい。男たちが森へ入っていくこともまれだった。
そのかわり、草地をたがやして育てた作物を大事にして、夏にうえたというのにぐんぐん育って、秋にはもう収穫していた。
山に入って木の実をとることもあったが、それも多くはない。だからわしらが狩りの獲物や山の幸を失うことも多くはなかった。
若者たちも、何とかこのくらいならとがまんしていた。しかしそれも秋までだった。
(あらしの夜明け…27)に続く…