最近買って読んだ本がたまっている。早速300ポイント欲しさに、本の山から候補を探した。
昨年購入した、ノーマ・コーネット・マレックの「最後だとわかっていたなら」を出品しようかと考えた。
本の帯に「9.11同時多発テロのあと話題となり世界中が涙した感動の詩」とある。
実際には著者のノーマ・コーネット・マレックが離婚したあとに、夫の方に引き取られた二人の息子のうち、10歳の長男が事故死した際に、書かれた詩である。
その詩が、9.11同時多発テロの際に誰かによって、チェーンメールとして広がったそうだ。
本文の詩はさして長いものではない。
私は詩の原文と翻訳を書き写して、本は処分しようと読書ノートに書き写し始めた。
題名にあるように
「最後だとわかっていたなら」
“If I knew it would be the last time”
という書き出しで始まる詩は切ない胸の内を、同じフレーズの書き出しで繰り返し語っている。
もっと抱きしめてあげればよかった、キスしてあげればよかったと嘆く言葉。
それらを書き写すうちに、出品する候補から外した。
詩だけ書き残そうと、ページをめくるうち、詩に添えられた写真にも目がいった。
在りし日のイメージのように、優しく美しい。
日が昇る光景、砂場に置かれた子供用のカラフルなスコップとバケツ、夕暮れの海、枯れ葉、お花畑それらが詩を読み進めるごとに、相乗効果となって、悲しい詩だけれど穏やかな気持ちにもなる。
誰にも予期せず訪れる悲しい出来事がある。この本を読んで共感する方もいると思う。
また、明日何が起こるか分からない時代でもある。後悔しない日々を送るために、その日その日を大切に生きるための示唆に富んだ一冊かも知れない。
何より、大切な人をより大切に思う気持ちが強まる本だ。
「おわりに」という最後のページに訳者である佐川睦さんが、この詩を訳すに至った経緯や家族のエピソードがある。
合わせて読んでみて、やはり手元に大切に取っておこうと思った。